第一種電気工事士 過去問
令和6年度(2024年)下期
問27 (一般問題 問27)

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問題

第一種電気工事士試験 令和6年度(2024年)下期 問27(一般問題 問27) (訂正依頼・報告はこちら)

使用電圧300V以下のケーブル工事による低圧屋内配線において、不適切なものは。
  • 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルをガス管と接触しないように施設した。
  • ビニル絶縁ビニルシースケーブル(丸形)を造営材の側面に沿って、支持点間を3mにして施設した。
  • 乾燥した場所で長さ2mの金属製の防護管に収めたので、防護管のD種接地工事を省略した。
  • 点検できる隠ぺい場所にビニルキャブタイヤケーブルを使用して施設した。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題で問われるのは、300V以下の低圧での屋内配線時のケーブル施設工事の正しい知識が求められます。

そして、選択肢の中から不適切なものを選ぶことが求められます。

選択肢1. 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルをガス管と接触しないように施設した。

この選択肢は正解です。

ケーブル保護の観点から、ケーブルはガス管や水道管、弱電流電線とは触れないように施設します。

選択肢2. ビニル絶縁ビニルシースケーブル(丸形)を造営材の側面に沿って、支持点間を3mにして施設した。

この選択肢は不正解です。

ケーブルを造営材の側面や下面に施設する場合、2m以下に行うように定められているからです。

従って、この選択肢が不適切となります。

選択肢3. 乾燥した場所で長さ2mの金属製の防護管に収めたので、防護管のD種接地工事を省略した。

この選択肢は、正解です。

低圧の屋内配線時に以下の条件を満たしていればD種接地工事は省略できます。
使用電圧:300V以下
金属管の長さ:4m以下
場所:乾燥した場所
 

選択肢4. 点検できる隠ぺい場所にビニルキャブタイヤケーブルを使用して施設した。

この選択肢は、正解です。

ビニルキャブタイヤケーブルは、以下の条件に限り施設が可能です。

使用電圧300V以下で展開した場所または点検できる隠ぺい場所

まとめ

この問題を解くにあたり必要な注意事項を以下のようにまとめました。

ケーブル工事と金属管工事施設に関して、場所及び場所ごとの工事の種類について正しく理解していることが求められます。
特定のケーブル(:ここではビニルキャブタイヤ)の種類別施設可能場所について正しく理解していることが求められます。
低圧屋内配線時の金属部分の接地工事と省略条件について正しく理解していることが求められます。

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02

この問題では、使用電圧300V以下のケーブル工事において、不適切な工事方法を選ぶことが求められています。ケーブル工事を行う際には、規定に沿った適切な工事方法を選定し、電気設備の安全性を確保することが重要です。

選択肢1. 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルをガス管と接触しないように施設した。

この記述は適切です。硬質ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルは、ガスの通過を防ぐ設計になっているため、適切に使用されたと考えられます。
この選択肢は不正解です。

選択肢2. ビニル絶縁ビニルシースケーブル(丸形)を造営材の側面に沿って、支持点間を3mにして施設した。

この記述は不適切です。支柱間隔が大きすぎるため、盗難の危険性が高くなる可能性があります。支柱間隔は通常、設置場所に応じて適切に設定する必要があります。特に、盗難の危険性の高い場所では間隔を短くすることが推奨されます。
この選択肢は正解です。

選択肢3. 乾燥した場所で長さ2mの金属製の防護管に収めたので、防護管のD種接地工事を省略した。

この記述は適切です。乾燥した場所で設置し、腐食を防止する措置を取ることは正しい方法です。ケーブルの劣化を防ぐための適切な対策が取られています。
この選択肢は不正解です。

選択肢4. 点検できる隠ぺい場所にビニルキャブタイヤケーブルを使用して施設した。

この記述は適切です。ビニルキャプタイヤケーブルを点検可能な場所に敷設することで、メンテナンスや確認が容易になります。
この選択肢は不正解です。

まとめ

この問題では、使用電圧300V以下のケーブル工事において、不適切な施工方法を選ぶことが求められました。ケーブルの設置や施工には、適切な材料選定や設置条件が重要です。特に、支柱間隔や盗難のリスク、施工場所における安全対策がしっかり守られていることが求められます。適切な施工方法を守ることで、後のトラブルや不具合を防ぎ、信頼性の高い電気設備を維持することができます。

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03

低圧屋内配線の施工方法に関して不適切なものを選ぶ問題です。低圧屋内配線については、電気設備に関する技術基準を定める省令(平成九年通商産業省令第五十二号、以下、電技省令という)と電気設備の技術基準の解釈(20241004保局第1号、以下、電技解釈という)に規定があります。

選択肢1. 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルをガス管と接触しないように施設した。

適切な処置です。電技省令第62条第2項に、

 

配線は、水道管、ガス管又はこれらに類するものと接近し、又は交さする場合は、放電によりこれらの工作物を損傷するおそれがなく、かつ、漏電又は放電によりこれらの工作物を介して感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。

 

と規定されています。

選択肢2. ビニル絶縁ビニルシースケーブル(丸形)を造営材の側面に沿って、支持点間を3mにして施設した。

不適切な処置です。電技解釈第164条第1項三に

 

電線を造営材の下面又は側面に沿って取り付ける場合は、電線の支持点間の距離をケーブルにあっては2m以下、キャブタイヤケーブルにあっては1m以下とし、かつ、その被覆を損傷しないように取り付けること。(一部省略して引用)

 

とあります。支持点間隔は3mではなく、2m以下にすべきです。

選択肢3. 乾燥した場所で長さ2mの金属製の防護管に収めたので、防護管のD種接地工事を省略した。

適切な処置です。電技解釈第159条第3項四に

 

低圧屋内配線の使用電圧が 300V以下の場合は、(金属)管には、D種接地工事を施すこと。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

 

とあり、D種接地工事が不要な場合の1つとして、

 

管の長さが4m以下のものを乾燥した場所に施設する場合

 

を掲げています。

選択肢4. 点検できる隠ぺい場所にビニルキャブタイヤケーブルを使用して施設した。

適切な処置です。電技解釈の第164条第1項一にケーブル工事で使用する電線と使用の区分が定められています。これによれば、ビニルキャブタイヤケーブルの使用区分は、

 

使用電圧が300V以下のものを展開した場所又は点検できる隠ぺい場所の施設する場合

 

とされています。これ以外の場所には使用できません。

まとめ

低圧屋内配線の施工方法について、本問の内容をまとめておきます。

 

1. ケーブルが、ガス管や水道管と接近する場合は、放電や漏電による感電、火災のおそれがないように施設する。
2. ケーブルを造営材の下面又は側面に沿って取り付ける場合は、ケーブルの支持点間の距離を2m以下とする。
3. 長さが4m以下の金属管を乾燥した場所に施設する場合は、金属管のD種接地工事を省略できる。
4. ビニルキャブタイヤケーブルは点検できる隠ぺい場所に使用することができる。

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