1級土木施工管理技士 過去問
平成26年度 択一式
問14 ((旧)平成25年〜27年度 問14)

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問題

1級土木施工管理技士試験 平成26年度 択一式 問14((旧)平成25年〜27年度 問14) (訂正依頼・報告はこちら)

オールケーシング工法の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • ケーシングチューブ下端は、孔壁土砂が崩れて打ち込んだコンクリート中に混入することがあるので、コンクリート上面より常に1m以上下げておく必要がある。
  • コンクリート打込み時のトレミーの下端は、打込み面付近のレイタンス、押し上げられてくるスライムなどを巻き込まないよう、コンクリート上面より常に2m以上入れなければならない。
  • 軟弱地盤では、コンクリート打込み時において、ケーシングチューブ引抜き後の孔壁に作用する土圧などの外圧とコンクリートの側圧などの内圧のバランスにより杭頭部付近の杭径が細ることがあるので十分に注意する。
  • ヒービング現象が発生するような軟弱な粘性土地盤では、ケーシングチューブを孔内掘削底面よりケーシングチューブ径以上先行圧入させて掘削することにより、ヒービング現象を抑えることができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.誤りです。オールケーシング工法とは、ケーシングチューブという筒型の機械を地中に圧入し、それで孔壁を保護しながら、グラブバケットで掘削・土砂の排出を行い、できた孔にコンクリートを打設する工法です。ケーシングチューブの最下部は、孔壁崩壊やコンクリートのスライム混合防止などのため、底盤コンクリート上面より2m以上、挿入します。

2.設問のとおりです。トレミー管をコンクリート上面から2m以上差し込まなければなりません。

3.設問のとおりです。N値が小さく、内圧と外圧のバランスが取れないような場合に先細りが発生する場合があります。

4.設問のとおりです。ヒービングは山留壁の背面の土が底部から巻き込む形で掘削面が膨れ上がる現象です。設問のように、ケーシングチューブを孔内掘削底面よりケーシングチューブ径以上先行圧入させて掘削することが対策となります。

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02

オールケーシング工法の施工に関する問題です。

「オールケーシング工法」は杭工法の一種で、ケーシングチューブ(筒形の機械)を地中に圧入し、それで孔壁を保護し、それと同時にグラブバケットで掘削・土砂排出を行い、できた孔にコンクリートを打設します。

1.適当ではありません。

 ケーシングチューブ下端は、本文のような事例の防止のため

 コンクリート上面より「2m以上」下げておく必要があります。

2.適当です。

 トレミーの下端に関して述べており本文の通りです。

3.適当です。

 軟弱地盤でのコンクリート打ち込み時の注意に関して述べています。

4.適当です。

 ヒービング現象とは、「heavy(重い)」からの派生語で、

 軟弱な粘性土地盤の土留め背面部が重さによって沈み

 その分が掘削底面から盛り上がる現象です。

 オールケーシング工法においては本文のような対策をとります。 

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03

オールケーシング工法の施工に関する問題です。

選択肢1. ケーシングチューブ下端は、孔壁土砂が崩れて打ち込んだコンクリート中に混入することがあるので、コンクリート上面より常に1m以上下げておく必要がある。

設問は不適切となっています。

ケーシングチューブ下端は、コンクリート上面より常に2m以上下げておく必要があります。

選択肢2. コンクリート打込み時のトレミーの下端は、打込み面付近のレイタンス、押し上げられてくるスライムなどを巻き込まないよう、コンクリート上面より常に2m以上入れなければならない。

設問は適切となります。

設問の通り、トレミーの下端はレイタンスやスライムなどを巻き込みやすいため、コンクリート上面より2m以上入れる必要があります。

選択肢3. 軟弱地盤では、コンクリート打込み時において、ケーシングチューブ引抜き後の孔壁に作用する土圧などの外圧とコンクリートの側圧などの内圧のバランスにより杭頭部付近の杭径が細ることがあるので十分に注意する。

設問は適切となります。

ケーシングチューブ引抜きの際に、板厚部分に相当する空隙に軟弱地盤が流れ込むことによって、コンクリート充填が阻害され、杭径が細ることがあります。

選択肢4. ヒービング現象が発生するような軟弱な粘性土地盤では、ケーシングチューブを孔内掘削底面よりケーシングチューブ径以上先行圧入させて掘削することにより、ヒービング現象を抑えることができる。

設問は適切となります。

掘削底面より深く掘削することにより、土留長が長くなるため、掘削底面からの土の盛り上がりを防ぐことができます。

まとめ

オールケーシング工法は、掘削孔の全長をケーシングチューブで孔壁保護を行うことを特徴としており、ケーシングチューブは、揺動または回転させながら土中に圧入させます。ケーシングチューブ内の土は、ハンマーグラブによってつかみ上げ地上に排出します。掘削完了後、ハンマーグラブや沈殿バケットで孔底処理を行い、鉄筋かごとトレミー管を建て込み、スライムが堆積している場合は二次スライム処理を行った後、コンクリートを打込みます。最後にコンクリート打ち上がりに伴い、ケーシングチューブを順次引抜き、杭を築造します。

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