1級土木施工管理技士 過去問
平成28年度 択一式
問49 (選択問題 問49)

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問題

1級土木施工管理技士試験 平成28年度 択一式 問49(選択問題 問49) (訂正依頼・報告はこちら)

薬液注入工事における注入効果の確認方法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 標準貫入試験による強度の確認は、薬液注入前後のN値を測定して、地盤の強度の増加と傾向を把握する方法がある。
  • 一軸圧縮試験や三軸圧縮試験による強度の確認は、薬液注入によって改良された地盤の強度特性や変形特性などを求め薬液注入の改良効果を評価するものである。
  • 直接薬液の浸透の確認は、薬液注入を行った箇所周辺を掘削し、アルカリ系の薬液に反応するフェノールフタレイン液を用いて、その着色状況を確認する方法がある。
  • 透水度の改善の確認は、薬液注入で固化した地盤の改良度合いを確認する最も効果的な方法であり、原地盤の透水係数が小さいほど改良効果は顕著である。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.設問のとおりです。標準貫入試験は土の相対的な硬さや締まり具合などを表わすN値を求めるとともに、土の試料を採取するための試験です。
2. 設問のとおりです。一軸圧縮試験は、円柱状の供試体に側圧のない状態で圧縮する試験です。これにより、供試体の一軸圧縮強度、粘着力、変形係数などが測定できます。
3. 設問のとおりです。薬液の浸透を直接確認するため注入範囲を掘削し、注入材(アルカリ系薬液)に反応するフェノールフタレイン液を使用して、その着色状況を目視で確認します。
4.誤りです。地盤の透水性を減少させるとともに、地盤の強度を高め、工事中の安定性を確保します。

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02

「薬液注入工事」においての「効果の確認方法」に関する問題です。

薬液注入工事は毎年様々な形で出題されています。

付随する用語は必ずおさえましょう。

1.適当です。

 本文の通りです。「標準貫入試験」の内容はおさえておきましょう。

2.適当です。

 本文の通りです。「一軸圧縮試験」は粘土のみを対象とし、

 「三軸圧縮試験」は粘土と砂どちらも対象とします。

 ※一軸圧縮試験は側圧をかけないため砂は測定できないからです。

3.適当です。

 アルカリ系の薬液に反応するフェノールフェタレイン液をおさえましょう。

4.適当ではありません。

 「透水度(水はけ)の改善確認」ということなので、

 透水係数が「大きい」ほど改良効果は顕著です。 

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03

適当でないのは、「透水度の改善の確認」に関する記述です。透水試験は有効な確認方法の一つですが、「最も効果的」と断定できません。また、原地盤の透水係数が小さいほど改良効果が顕著というのは逆で、一般にもともと透水性が高い地盤ほど透水低下の効果が分かりやすいです。

選択肢1. 標準貫入試験による強度の確認は、薬液注入前後のN値を測定して、地盤の強度の増加と傾向を把握する方法がある。

注入前後でN値を比較して、強度増加の傾向を把握します。ばらつきに配慮は必要ですが、現場での相対評価として妥当です。

選択肢2. 一軸圧縮試験や三軸圧縮試験による強度の確認は、薬液注入によって改良された地盤の強度特性や変形特性などを求め薬液注入の改良効果を評価するものである。

採取した改良土で、強度特性や変形特性を求め、改良効果を定量評価します。試験条件の整理が要りますが、代表的な室内試験として適切です。

選択肢3. 直接薬液の浸透の確認は、薬液注入を行った箇所周辺を掘削し、アルカリ系の薬液に反応するフェノールフタレイン液を用いて、その着色状況を確認する方法がある。

掘削して断面を露出し、アルカリ系薬液に反応するフェノールフタレインで着色範囲を確認します。浸透範囲の可視化に有効です(薬液の種類に応じて試薬を使い分けます)。

選択肢4. 透水度の改善の確認は、薬液注入で固化した地盤の改良度合いを確認する最も効果的な方法であり、原地盤の透水係数が小さいほど改良効果は顕著である。

透水試験で透水係数の低下を確認するのは有効ですが、これが常に最も効果的とは限りません。目的が強度向上なら強度試験が主指標になります。また、原地盤の透水係数が小さい(もともと不透水)ほど効果が顕著というのは誤りで、透水性が高い地盤ほど改善効果が数値で表れやすい傾向があります。加えて、低透水地盤では注入自体が難しく効果が出にくい場合もあります。

まとめ

薬液注入の確認は、目的に合わせて指標を選ぶことが大切です。強度・変形は室内強度試験、透水性は透水試験、浸透範囲は現位置の発色確認などを組み合わせます。特に今回のポイントは、透水試験を絶対視しないことと、「もともと低透水ほど効果大」ではないことです。

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