1級土木施工管理技士 過去問
令和2年度
問25 (選択問題 問25)

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問題

1級土木施工管理技術試験 令和2年度 問25(選択問題 問25) (訂正依頼・報告はこちら)

地すべり防止工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 排土工は、排土による応力除荷にともなう吸水膨潤による強度劣化の範囲を少なくするため、地すべり全域に渡らず頭部域において、ほとんど水平に大きな切土を行うことが原則である。
  • 地表水排除工は、浸透防止工と水路工に区分され、このうち水路工は掘込み水路を原則とし、合流点、屈曲部及び勾配変化点には集水ますを設置する。
  • 杭工は、原則として地すべり運動ブロックの中央部より上部を計画位置とし、杭の根入れ部となる基盤が強固で地盤反力が期待できる場所に設置する。
  • 地下水遮断工は、遮水壁の後方に地下水を貯留し地すべりを誘発する危険があるので、事前に地質調査などによって潜在性地すべりがないことを確認する必要がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

1→設問通りです。

排土工は、地すべり頭部に存在する不安定な土塊を、

水平方向に切土して、土塊の滑動力を減少させる工法です。

2→設問通りです。

地表水排除工は、浸透防止工と水路工に分類されます。

①浸透防止工は、防水シートを設け地すべり区域内への、

 浸入水を止める工法です。

②水路工は、掘込み水路を原則とし、

 合流点、屈曲部、勾配変化点には集水ますを設置する工法です。

3→誤りです。

杭工は、鋼管などの杭を地すべり土塊の下部にある不動土層に

打ち込み斜面の安定性を高める工法です。

原則として地すべり運動ブロックの中央部より下部を計画位置として、

杭の根入れ部となる基盤が強固で地盤反力が期待できる場所に設置します。

4→設問通りです。

地下水遮断工は、遮水壁を設けて地すべり区域内への流水をせき止める工法です。

地下水遮断工を採用する時は、事前に地質調査などによって

潜在性地すべりがないことを確認する必要があります。

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02

不適当なものは3です。


杭工は、原則として地滑り運動ブロックの中央部より下部のすべり面の勾配が緩やかで、地滑り土塊の圧縮部で、しかも層の厚さの比較的厚い、受動破壊の起こらない場所に採用されます。

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03

地すべり防止工は、排土工、地表水排除工、杭工、地下水遮断工など、それぞれの工法の役割や効果、注意点を理解することが重要です。

選択肢1. 排土工は、排土による応力除荷にともなう吸水膨潤による強度劣化の範囲を少なくするため、地すべり全域に渡らず頭部域において、ほとんど水平に大きな切土を行うことが原則である。

〇適当です。

 排土工は、頭部域において、水平に大きな切土を行うことで移動土塊の滑動力低減を図ります。

選択肢2. 地表水排除工は、浸透防止工と水路工に区分され、このうち水路工は掘込み水路を原則とし、合流点、屈曲部及び勾配変化点には集水ますを設置する。

〇適当です。

 水路工における掘り込み水路とは、既存の地盤を掘削して作られる水路のことで、概要は設問の通りです。

選択肢3. 杭工は、原則として地すべり運動ブロックの中央部より上部を計画位置とし、杭の根入れ部となる基盤が強固で地盤反力が期待できる場所に設置する。

×不適当です。

 原則として地すべり運動ブロックの中央部より下部を計画位置とします。

選択肢4. 地下水遮断工は、遮水壁の後方に地下水を貯留し地すべりを誘発する危険があるので、事前に地質調査などによって潜在性地すべりがないことを確認する必要がある。

〇適当です。

 地下水遮断工は、地下水の流れを変化させるため、周辺環境への影響を十分に検討する必要があります。

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