1級土木施工管理技士 過去問
令和2年度
問33 (選択問題 問33)

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問題

1級土木施工管理技術試験 令和2年度 問33(選択問題 問33) (訂正依頼・報告はこちら)

ダムの基礎処理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • ダムの基礎グラウチングとして施工されるステージ注入工法は、下位から上位のステージに向かって施工する方法で、ほとんどのダムで採用されている。
  • 重力式コンクリートダムのコンソリデーショングラウチングは、着岩部付近において、遮水性の改良、基礎地盤弱部の補強を目的として行う。
  • グラウチングは、ルジオン値に応じた初期配合及び地盤の透水性状などを考慮した配合切替え基準をあらかじめ定めておき、濃度の薄いものから濃いものへ順次切り替えつつ注入を行う。
  • カーテングラウチングの施工位置は、コンクリートダムの場合は上流フーチング又は堤内通廊から、ロックフィルダムの場合は監査廊から行うのが一般的である。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.不適当です。

ステージグラウチング工法は、ダムの基礎地盤を対象として、主に岩盤の亀裂をセメントミルクで充填する工法です。遮水性の改良と弱部を補強することを目的に行います。注入方式には、ステージ方式とパッカー方式があります。

ステージ方式は、注入孔の全長を5m程度の長さのステージに分割し、上部ステージからボーリングとグラウチングを交互に行い順次深部に施工する方式です。

パッカー方式は、注入孔の全長を一度に削孔し、その後パッカーを使用しながら区間長5m程度のステージに分割し、最深部のステージから順次上のステージに向かって注入する方式です。

通常は、より確実な施工が可能なステージ方式を標準としています。

2. 設問の通りです。

重力式コンクリートダムのコンソリデーショングラウチングは、着岩部付近において、遮水性の改良、基礎地盤弱部の補強を目的として行います。

3.設問の通りです。

グラウチングは、ルジオン値に応じた初期配合及び地盤の透水性状などを考慮した配合切替え基準をあらかじめ定めておき、濃度の薄いものから濃いものへ順次切り替えつつ注入を行います。

ルジオン値(Lu)とは、地盤が高い水圧の作用下にあるときの水の通しやすさを評価する指標です。通常、土木分野では水の通しやすさを透水係数で表しますが、ダムは高い水圧の下で使用されるので、ルジオン値という特殊な指標を使用します。

4.設問の通りです。

カーテングラウチングの施工位置は、コンクリートダムの場合は上流フーチング又は堤内通廊から、ロックフィルダムの場合は監査廊から行うのが一般的です。

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02

不適当なものは1です。


ステージ注入工法では、上位ステージからボーリングとグラウチングを交互に行い、下位のステージに向かって施工します。

下位から上位のステージに向かって施工する方法は、パッカー方式です。

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03

ダムの基礎処理は、ダムの安定性を確保する上で非常に重要です。

この問題では、グラウチング工法を中心に、基礎処理に関する問題ですのでしっかりおさえておきましょう。

選択肢1. ダムの基礎グラウチングとして施工されるステージ注入工法は、下位から上位のステージに向かって施工する方法で、ほとんどのダムで採用されている。

×不適当です。

 ステージ注入工法は、上位から下位のステージに向かって施工する方法が一般的です。

 下位から上位に向かって施工すると、注入材が上部に流出し、所定の効果が得られない可能性があります。

選択肢2. 重力式コンクリートダムのコンソリデーショングラウチングは、着岩部付近において、遮水性の改良、基礎地盤弱部の補強を目的として行う。

〇適当です。

 設問のとおりです。コンソリデーショングラウチングは、基礎岩盤の強度向上や透水性低下に寄与します。

選択肢3. グラウチングは、ルジオン値に応じた初期配合及び地盤の透水性状などを考慮した配合切替え基準をあらかじめ定めておき、濃度の薄いものから濃いものへ順次切り替えつつ注入を行う。

〇適当です。

 設問のとおりです。これにより、注入材が均等に行き渡り、グラウチング効果を高めることができます。

選択肢4. カーテングラウチングの施工位置は、コンクリートダムの場合は上流フーチング又は堤内通廊から、ロックフィルダムの場合は監査廊から行うのが一般的である。

〇適当です。

 カーテングラウチングは、ダム基礎地盤の遮水性を高めるために行われます。

 設問のとおりコンクリートダムとロックフィルダムでは、施工位置が異なりますのでご注意下さい。

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