第一種衛生管理者の過去問
平成26年10月公表
関係法令（有害業務に係るもの） 問5

　作業環境測定士が測定を実施する項目は以下になります。

①放射性物質取扱作業室　→　空気中の放射性物質の濃度を測定

②一定の鉛業務を扱う作業場　→　空気中の鉛濃度を測定

③特定化学物質、石綿等を製造または取り扱う屋内作業場 　→　空気中の特定化学物質の濃度を測定

④有機溶剤を製造または取り扱う業務を行う屋内作業場 →　空気中の有機溶剤の濃度を測定

⑤土石・岩石・鉱物・金属または炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場　→　空気中の粉じん濃度を測定


　では問題を見てみましょう。

1．騒音は作業環境測定を行う際に、作業環境測定士が測定しなくてもかまいません。

2．酸素欠乏箇所による測定は、作業環境測定士が測定しなくてもかまいません。

3．粉じんを発生する屋内作業場なので作業環境測定士が測定しなければなりません。

4．気温・温度等の測定は、作業環境測定士が測定しなくてもかまいません。

5．坑内の作業場における炭酸ガスの測定は、作業環境測定士が測定しなくてもかまいません。

問題は作業環境測定士が測定しなければならないものについての問題です。

（第一種）作業環境測定士は、「鉱物性粉じん」、「放射性物質」、「特定化学物質」、「金属類」、「有機溶剤」の５区分について、作業環境測定が行えます。

１の「騒音の測定」は５区分に入ってないので×です。

２の「酸素及び硫化水素の濃度の測定」も５区分に入っていないので×です。

３の「常時セメントを袋詰めする作業を行う屋内作業場における空気中の粉じん濃度」は５区分の「鉱物性粉じん」に該当するので○です。

４の「気温、湿度及びふく射熱の測定」も５区分に入っていないので×です。

５の「坑内の作業場における空気中の炭酸ガス濃度の測定」も５区分に入っていないので×です。

よって、正解は３です。

関係法令の有害業務、作業環境要素からの問題です。
　作業環境測定士による環境測定が義務付けられているのは、
１　土石、岩石、鉱物、金属または炭素の粉じんを著　しく発散する屋内作業場　粉じん則26条　空気中　の濃度および粉じん中の遊　離けい酸含有率
２　放射性物質取扱作業室　事故由来廃棄物等取扱施　設　電離則55条　空気中の放射性物質の濃度
３　特定化学物質（第1類物質または第2類物質）を　製造し、または取り扱う屋内作業場等　特化則36　条　第1類物質または第2類物質の空気中の濃度
４　特定有機溶剤混合物を製造し、または取り扱う屋　内作業場　特化則36条の5　空気中の特別有機溶剤　および有機溶剤の濃度
５　石綿等を取扱い、もしくは試験研究のため製造す　る屋内作業場　石綿則36条　石綿の空気中におけ　る濃度
６　一定の鉛業務を行う屋内作業場　鉛則52条　空　気中の鉛の濃度
７　有機溶剤（第1種有機溶剤または第2種有機溶　　剤）を製造し、または取り扱う一定の業務を行う屋　内作業場　有機則28条　当該有機溶剤の濃度
以上です。
　問題中で当てはまるのは、３の空気中の粉じん濃度の測定です。よって、正解は３です。

１：×
作業環境測定士が測定を実施する項目に騒音は含まれていません。
よって、著しい騒音を発する屋内作業場における等価騒音レベルの測定は、作業環境測定士による測定は義務付けられていませんので、誤った選択肢です。

２：×
作業環境測定士が測定を実施する項目に酸素及び硫化水素の濃度は含まれていません。
よって、パルプ液を入れたことのある槽の内部において作業を行う場合の当該作業場における空気中の酸素及び硫化水素の濃度の測定は、作業環境測定士による測定は義務付けられていませんので、誤った選択肢です。

３：○
常時セメントを袋詰めする作業を行う屋内作業場における空気中の粉じん濃度の測定は、鉱物性粉じんに該当します。
よって、作業環境測定士が測定を実施しなければならないものとなりますので、3が正解です。

４：×
作業環境測定士が測定を実施するに項目に温度の測定は含まれていません。
よって、溶融ガラスからガラス製品を成型する業務を行う屋内作業場における気温、湿度及びふく射熱の測定は、作業環境測定士による測定は義務付けられていませんので、誤った選択肢です。

５：×
作業環境測定士が測定を実施する項目に炭酸ガス濃度は含まれていません。
よって、炭酸ガス （ 二酸化炭素 ） が停滞するおそれのある坑内の作業場における空気中の炭酸ガス濃度の測定は、作業環境測定士による測定は義務付けられていませんので、誤った選択肢です。