第一種衛生管理者の過去問
平成27年10月公表
労働生理 問39
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問題
第一種 衛生管理者試験 平成27年10月公表 労働生理 問39 (訂正依頼・報告はこちら)
腎臓・泌尿器系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 腎臓の皮質にある腎小体では、糸球体から血液中の血球、糖及び蛋白質以外の成分がボウマン嚢に濾し出され、原尿が生成される。
- 腎臓の尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分及び身体に必要な成分が血液中に再吸収され、残りが尿として生成される。
- 尿は淡黄色の液体で、固有の臭気を有し、通常、弱酸性である。
- 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。
- 尿の約95%は水分で、残りの約5%が固形物であるが、その成分が全身の健康状態をよく反映するので、尿検査は健康診断などで広く行われている。
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この過去問の解説 (4件)
01
「腎小体を通る血液中の血球及びたんぱく質以外の成分は糸球体からボウマン嚢に濾過され原尿になる」と覚えましょう。頻出です。
選択肢2,3,4,5は記述の通りですが、ここで覚えておきたいのは、2の「尿細管では原尿に含まれる大部分の水分等が血液中に再吸収され、残りが尿として生成」されること。そして、尿は「弱酸性」でありアルカリ性ではないということです。
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02
1.× 「糖及び蛋白質以外の成分」ではなく、「蛋白質以外の成分」となります。
2.〇 「腎臓の尿細管」の正しい記述です。
3.〇 「尿」は淡黄色の液体で、固有の臭気を有し、弱酸性です。
4.〇 尿の生成・排出によって、体内の水分量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出します。
5.〇 尿の約95%は水分です。
残りの約5%が固形物です。
その成分が全身の健康状態をよく反映しますので、尿検査は健康診断などで広く行われています。
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03
(2)○
(3)○
(4)○
(5)○:尿異常には「タンパク尿」「血尿」「糖尿病」などがあります。(1)で解説したとおり、タンパク質と血球は尿として排泄されないためこれらが尿に含まれている場合は腎機能障害の疑いがあります(腎臓以外が原因の場合もあります)。糖尿病は腎機能障害ではなく、血糖値を調節するホルモンの異常(高血糖)によるものです。
よって、(1)が正解です。
(1)の誤り部分を除いて、(1)~(2)は尿が生成される流れとしてセットで覚えるのが良いでしょう。
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04
腎臓の機能は複雑ですので、絵を書くなどして整理すると覚えやすいです。
腎臓はネフロンとよばれる単位から構成されており、1つの腎臓におよそ100万ネフロン存在しています。ネフロンは腎小体(糸球体+ボウマン嚢)と尿細管からなりたっています。
血液中の老廃物は糸球体からボウマン嚢に濾しだされます(後述)。ボウマン嚢に濾し出されたものは原尿と呼ばれ、原尿はボウマン嚢→尿細管→集合管→尿管と流れていき尿となります。尿細管や集合管では、体で再利用できるものは血液中に再吸収されます(後述)。
腎機能が正常な場合、糸球体からボウマン嚢に濾しされるものは【水分、糖(グルコース)、電解質】です。一方、濾し出されないものは【蛋白質、血球】です。
腎機能が正常な場合、尿細管から血液中に再吸収されるのは【水分、糖、電解質】などです。
1.×
誤りです。糸球体からボウマン嚢に濾し出されるのは【水分、糖、電解質】です。
2.◯
記載の通りです。
3.◯
記載の通りです。尿は淡黄色の液体で、固有の臭気を有し、通常、弱酸性です。
4.◯
記載の通りです。
5.◯
記載の通りです。健康診断に尿検査が含まれていることからもわかるとおり、尿の成分から全身の健康状態を知ることができます。
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