第一種衛生管理者の過去問 平成29年4月公表 労働生理 問39

正解：

1.正

　赤血球(白血球、血小板も)は骨髄で作られ、その寿命は約120日です。

　また赤血球は、血液の細胞成分の約96％を占める血球成分です。

2.誤

　血液中に占める赤血球の容積の割合をヘマト

　クリット（Ht）といいますが、

　貧血は赤血球の数が減り、ヘマトクリット値が

　低くなった状態をいいますので誤りです。

3.正

　好中球は白血球の中の一種で強い貪食力を持ち、

　細菌感染から体を守る役割を果たします。

4.正

　血小板の大きさ、役割(止血)とも記述のとおり

　です。

5.正

　赤血球の表面には250種類以上の抗原があり、

　A/B型抗原の有無によってABO型に分類でき

　ます。

　また、血漿中には各抗原に反応する抗体があり

　例えば、A型の血漿中には抗B抗体があります。　

正解　2

1　正しい肢です。男性で約500万個。女性で約450万個含有されています。

2　ヘモグロビンが正常以下の状態になりますと、貧血を起こします。その判定指標がヘマトクリットです。本肢は逆になります。その値は低くなります。誤っています。

3　好中球の定義通りです。

4　血小板は、傷口での出血を凝固させる止血作用があります。正しい文言です。

5　ＡＢＯ式で説明しますと、Ａ型の血清は抗Ｂ抗体をもち、Ｂ型については抗Ａ抗体、Ｏ型については抗Ａと抗Ｂをもちます。最後に、ＡＢ型は両方とももちません。本肢は正しいことになります。

誤っているものは２です。
文末の「高くなる」の部分が誤りで正しくは「低くなる」です。

他の選択肢１，３，４，５については文のとおりで正しい記述です。

選択肢１についての補足ですが、血液は白血球、赤血球、血小板、血漿で構成されますが、このうち白血球、赤血球、血小板は血球（細胞）成分と呼ばれています。血液１μℓ中に赤血球は男性約500万個、女性約400万個あるといわれています。白血球は4000～9000個、血小板が15万～40万個です。また寿命についてですが、白血球の中で一番多い好中球は数日、血小板は約10日です。

正解2

1.◯
正しい記載です。赤血球は骨髄で産生されます。寿命は120日で血球の中で最も長いです。血小板の寿命は約7-10日、白血球の寿命は種類にもよりますが1-7日程度です。

2.×
血液中に占める【赤血球の容積の割合】を【ヘマトクリット（Ht）】といいます。貧血になるとヘマトクリット値は低くなります。一般的に、白血球は感染や炎症があると増加します。

3.◯
好中球はアメーバの様に偽足をだしながら移動し、いち早く感染した部位に駆けつけます。そして、体内に侵入してきた細菌などを貪食します。白血球のうち、好中球は約60％を占めます。

4.◯
正しい記載です。血小板には止血作用があります。

5.◯
正しい記載です。
A型血液の血清は抗B抗体をもちます。
B型血液の血清は抗A抗体をもちます。
O型血液の血清は抗A抗体と抗B抗体の両方を持ちます。
AB型血液の血清はどの抗体ももちません。