第一種衛生管理者の過去問
令和5年4月公表
労働生理 問5

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問題

第一種 衛生管理者試験 令和5年4月公表 労働生理 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

腎臓・泌尿器系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 糸球体では、血液中の蛋(たん)白質以外の血漿(しょう)成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。
  • 尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分、電解質、栄養分などが血液中に再吸収される。
  • 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。
  • 尿の約95%は水分で、約5%が固形物であるが、その成分は全身の健康状態をよく反映するので、尿検査は健康診断などで広く行われている。
  • 血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられる。

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この過去問の解説 (5件)

01

腎臓・泌尿器系および尿に関する問題です。

選択肢1. 糸球体では、血液中の蛋(たん)白質以外の血漿(しょう)成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。

正しい選択肢です。

腎小体では、糸球体から蛋白質以外の血漿成分がボウマン嚢に濾し出され原尿が生成されます。

毛細血管から血液中の不用な水分・塩分・糖などが糸球体嚢内に濾し出され、原尿が作られます。

選択肢2. 尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分、電解質、栄養分などが血液中に再吸収される。

正しい選択肢です。

尿細管では、濾し出された原尿のほとんどを再吸収し、残りを尿として排出します。

選択肢3. 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。

正しい選択肢です。

尿の生成・排出の役割は、電解質の濃度調節や不要な物質を排出することです。

選択肢4. 尿の約95%は水分で、約5%が固形物であるが、その成分は全身の健康状態をよく反映するので、尿検査は健康診断などで広く行われている。

正しい選択肢です。

尿のうち95%は水分で残り5%は固形物となり、この5%の固形物の成分から全身の健康状態を知ることができます。

選択肢5. 血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられる。

腎臓の機能が低下している場合、血液中の尿素窒素(BUN)の値が高くなります。

よって、誤った選択肢です。

まとめ

労働生理は全般的に出題パターンがある程度決まっています。

過去問をしっかりとやり込むことが一番の対策です。

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02

腎臓・泌尿器に関する労働生理です。

腎臓には、老廃物の排泄、ホルモン分泌と調整、水分や電解質調整という機能があります。

選択肢1. 糸球体では、血液中の蛋(たん)白質以外の血漿(しょう)成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。

設問の通りです。

体内の血液中の老廃物を尿として体外に排泄する際に、糸球体で体内に必要な成分(血球やタンパク質)はろ過されず、それ以外の水や一部の栄養素、電解質や塩基がろ過され原尿が生成されます。

選択肢2. 尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分、電解質、栄養分などが血液中に再吸収される。

設問の通りです。

原尿は、尿細管で色々な物質が血液中に再吸収され血液に戻り、原尿の約1%ほどが尿となって体外に排出されています。

選択肢3. 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。

設問の通りです。

選択肢4. 尿の約95%は水分で、約5%が固形物であるが、その成分は全身の健康状態をよく反映するので、尿検査は健康診断などで広く行われている。

設問の通りです。

尿の成分は約95%が水分で、残り5%が固形物です。

固形物は尿素、塩分、クレアチン、尿酸などが含まれており、尿に何が含まれているかを調べる尿検査は健康診断などで広く行われています。

選択肢5. 血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられる。

誤りです。

×低くなる→〇高くなる

尿素窒素は、腎臓から老廃物として排泄されます。

腎機能が低下すると腎臓から排泄されなくなり、体内にとどまり血液中の値が高くなります。

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03

腎臓・泌尿器系に関する問題です。

選択肢1. 糸球体では、血液中の蛋(たん)白質以外の血漿(しょう)成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。

これは正しい選択肢となります。

血球や蛋白質以外の成分がボウマン嚢に濾し出されます。

血球や蛋白質は再び血液中に戻ります。

選択肢2. 尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分、電解質、栄養分などが血液中に再吸収される。

これは正しい選択肢となります。

尿細管では濾し出された原尿のうち、体に必要な成分を再吸収します。

その成分の例として、水分、電解質、ナトリウム、塩素イオン、カルシウムなどが挙げられます。

選択肢3. 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。

これは正しい選択肢となります。

尿によって排出される不要な成分とは過剰な水分、尿素、尿酸、アンモニアなどのことを指します。

選択肢4. 尿の約95%は水分で、約5%が固形物であるが、その成分は全身の健康状態をよく反映するので、尿検査は健康診断などで広く行われている。

これは正しい選択肢となります。

5%の固形物とは窒素性老廃物、電解質、毒素のことです。

また、代謝物の排出に関与しているため、定期健康診断だけでなく、特殊健康診断にも使われています。

選択肢5. 血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられる。

これは誤りの選択肢になります。

正しくは、BUNが高くなります。

腎臓の機能が低下している場合、尿によって尿素窒素を排出することができなくなり、血液中に蓄積してしまいます。

このことから何かしらの検査でBUNが高くなっている場合は、

腎臓機能の低下が疑われます。

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04

腎臓・泌尿器系に関する設問です。

選択肢5. 血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられる。

血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、低栄養状態、肝炎、妊娠などが考えられます。

基準値は、8~20mg/dlです。

まとめ

尿の経路は、ボウマン嚢→尿細管→腎盂→尿管→膀胱→尿道→体外です。

問題文にはありませんでしたが、比較的でやすいので一緒に覚えてください。

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05

腎臓・泌尿器系に関する問題です。

解剖図とはたらきの両方を確認しながら、勉強していくことをお勧めします。

では、選択肢をみていきましょう。

選択肢1. 糸球体では、血液中の蛋(たん)白質以外の血漿(しょう)成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。

正しいです。

血中の老廃物は「糸球体」でろ過されます。蛋白質と血球はろ過されません。

ボウマン嚢は糸球体を包む内葉と外葉からなる二重の袋構造になっており、

糸球体によりろ過された尿を包み込んでいます。

なお、血漿成分と言った場合、血球が含まれないので、この選択肢の表現は正しいです。

選択肢2. 尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分、電解質、栄養分などが血液中に再吸収される。

正しいです。文のとおりです。

選択肢3. 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。

正しいです。文のとおりです。

選択肢4. 尿の約95%は水分で、約5%が固形物であるが、その成分は全身の健康状態をよく反映するので、尿検査は健康診断などで広く行われている。

正しいです。文のとおりです。

選択肢5. 血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられる。

誤りです。

文中の「BUN(尿素窒素)の値が低くなると」が誤りで、

正しくは「BUN(尿素窒素)の値が高くなると」です。

尿素は蛋白質の最終代謝産物で、肝臓で合成され、

腎臓から排出されますが、腎臓の機能が低下するとろ過がうまくいかず、

尿素窒素が血液中に残ることになるので、値は高くなります。

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