第一種衛生管理者 過去問
令和5年10月公表
問19 (労働衛生(有害業務に係るもの) 問9)

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問題

第一種 衛生管理者試験 令和5年10月公表 問19(労働衛生(有害業務に係るもの) 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

有害物質を発散する屋内作業場の作業環境改善に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 有害物質を取り扱う装置を構造上又は作業上の理由で完全に密閉できない場合は、装置内の圧力を外気圧より高くする。
  • 局所排気装置を設置する場合は、給気量が不足すると排気効果が低下するので、排気量に見合った給気経路を確保する。
  • 有害物質を発散する作業工程では、局所排気装置の設置を密閉化や自動化より優先して検討する。
  • 局所排気装置を設ける場合、ダクトが細すぎると搬送速度が不足し、太すぎると圧力損失が増大することを考慮して、ダクト径を決める。
  • 局所排気装置に設ける空気清浄装置は、一般に、ダクトに接続された排風機を通過した後の空気が通る位置に設置する。

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この過去問の解説 (3件)

01

有害物質を発散する屋内作業場の作業環境改善に関する問題です。
労働安全衛生規則第576条以降の
「有害な作業環境に対する具体的な方策」にまつわる問題です。

 

では、選択肢をみていきましょう。

選択肢1. 有害物質を取り扱う装置を構造上又は作業上の理由で完全に密閉できない場合は、装置内の圧力を外気圧より高くする。

誤りです。

 

文末の「外気圧より高くする。」の部分が誤りです。
「外気圧より低くする」が正しいです。


空気は圧力の高い所から低い所へ流れます。
外気圧より低くすることで、
空気が外に漏れることなく排気装置へ流れるようにします。

 

選択肢2. 局所排気装置を設置する場合は、給気量が不足すると排気効果が低下するので、排気量に見合った給気経路を確保する。

正しいです。

文のとおりです。

十分な排気効果のために必要です。

選択肢3. 有害物質を発散する作業工程では、局所排気装置の設置を密閉化や自動化より優先して検討する。

誤りです。

 

「密閉化・自動化」の方が優先されます。

労働安全衛生規則第577条にも
「発生源を密閉する設備」が最初に書かれています。

選択肢4. 局所排気装置を設ける場合、ダクトが細すぎると搬送速度が不足し、太すぎると圧力損失が増大することを考慮して、ダクト径を決める。

誤りです。

 

文中の「搬送速度」の説明と「圧力損失」の説明が逆です。

 

ダクトが細すぎると圧力損失が増大し、
太すぎると管内の搬送速度が不足します。

選択肢5. 局所排気装置に設ける空気清浄装置は、一般に、ダクトに接続された排風機を通過した後の空気が通る位置に設置する。

誤りです。空気清浄機は排風機の前に設置します。

 

厚生労働省が示している
職場のあんぜんサイト「換気、空気清浄」の図がわかりやすいです。

 

参考 厚生労働省 職場のあんぜんサイト「換気、空気清浄」

https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/kag/pdf/taisaku/common_Ventilating201903.pdf

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02

有害物質を発散する屋内作業場の作業環境改善に関する問題です。

機密性と排気効率の2つの視点から考えることが大切です。

選択肢1. 有害物質を取り扱う装置を構造上又は作業上の理由で完全に密閉できない場合は、装置内の圧力を外気圧より高くする。

有害物質を取り扱う装置を構造上又は作業上の理由で完全に密閉できない場合は、装置内の圧力を外気圧より「高くする」のではなく、「低くする」ことにより有害物質の流出を防ぐことができます。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢2. 局所排気装置を設置する場合は、給気量が不足すると排気効果が低下するので、排気量に見合った給気経路を確保する。

局所排気装置を設置したことによる効果を最大限に発揮するためには、給気量が不足しないように、排気量に見合った給気経路を確保することが大切です。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢3. 有害物質を発散する作業工程では、局所排気装置の設置を密閉化や自動化より優先して検討する。

まずは、密閉化や自動化を優先して、それが実現できないときに局所排気装置の設置を検討することになります。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢4. 局所排気装置を設ける場合、ダクトが細すぎると搬送速度が不足し、太すぎると圧力損失が増大することを考慮して、ダクト径を決める。

局所排気装置を設置する場合、ダクトが細すぎると圧力損失が増大し、太すぎると搬送速度が不足します。本選択肢の説明は逆になっています。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢5. 局所排気装置に設ける空気清浄装置は、一般に、ダクトに接続された排風機を通過した後の空気が通る位置に設置する。

局所排気装置に設ける空気清浄装置は、ダクトに接続された排風機が「通過する前の」空気が通る位置に設置することになります。ダクトに接続された排風機を「通過した後」ではありません。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

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03

有機溶剤を使う作業場の作業環境管理に関する事項を問う問題です。

選択肢1. 有害物質を取り扱う装置を構造上又は作業上の理由で完全に密閉できない場合は、装置内の圧力を外気圧より高くする。

誤りです。

 

空気は、圧力の高い場所から低い場所に流れます。

装置内の圧力を高くすると、装置内の有害物質を含んだ空気が外に出てきてしまいます。

「外気圧より低くする」が正しい記述となります。

選択肢2. 局所排気装置を設置する場合は、給気量が不足すると排気効果が低下するので、排気量に見合った給気経路を確保する。

正しいです。【正解】

 

局所排気装置では、排気する空気と同じ量の空気の給気が必要ですが、密閉性の高い作業場では、給気量が十分確保できない場合があり、その場合、十分な排気が出来ません。そのため、排気量に見合った給気経路を確保する必要があります。

選択肢3. 有害物質を発散する作業工程では、局所排気装置の設置を密閉化や自動化より優先して検討する。

誤りです。

 

密閉化や自動化を行う方が、局所排気装置を設置するより、労働者が有害物質を暴露する可能性が低いと言えます。

そのため、有害物質を発散する作業工程では、密閉化や自動化の方を優先して検討します。

選択肢4. 局所排気装置を設ける場合、ダクトが細すぎると搬送速度が不足し、太すぎると圧力損失が増大することを考慮して、ダクト径を決める。

誤りです。

 

・問題文前半

ダクトが太いと、同じ量の空気を送る場合、搬送速度が遅くなります。

その為、「細すぎると」ではなく、「太すぎると」が正しい記述です。

 

・問題文後半

ダクトが細いほど圧力損失が高くなります。

その為、「太すぎると」ではなく、「細すぎると」が正しい記述です。

選択肢5. 局所排気装置に設ける空気清浄装置は、一般に、ダクトに接続された排風機を通過した後の空気が通る位置に設置する。

誤りです。

 

空気清浄機より前段に排風機を設置すると、有機溶剤等で汚染された空気がそのまま排風機を通過する事となります。

それにより、排風機を汚染したり、腐食したりする可能性があります。

 

その為、排風機は空気清浄機より後に設置し、正常な空気を通過する様にします。

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