第一種衛生管理者の過去問
令和6年4月公表
労働衛生（有害業務に係るもの） 問3

化学物質と健康障害についての問題です。選択肢の化学物質についての説明は、以下の通りです。その他の化学物質（金属や有機溶剤）についての問題もよく出題されるので、自分なりにまとめておきましょう。

・硫化水素…脳神経細胞障害による意識喪失、呼吸麻痺。

・シアン化水素…細胞内での酸素利用の障害による呼吸困難、痙攣。

・二酸化硫黄…慢性気管支炎、歯牙酸蝕症。

・二酸化窒素…慢性気管支炎、呼吸器障害。

・弗化水素…低カルシウム血症、骨の硬化、斑状歯。

化学物質による健康障害に関して主なものは以下の通りです。

硫化水素：低濃度では、眼や気道の刺激を引き起こします。高濃度では、脳神経細胞障害として「意識喪失」、「呼吸麻痺（ひ）」を引き起こします。
ノルマルヘキサン：頭痛、めまい、多発性神経炎、「末梢（しょう）神経障害」などがみられます。また、長期間ばく露すると、再生不良性貧血や白血病を起こすおそれもあります。

弗化物：斑状歯（歯牙弗化物症）や骨硬化症がみられます。なお、フッ化水素に限りません。
N,N-ジメチルホルムアミド：「頭痛」、「肝機能障害」などがみられます。なお、呼吸だけでなく皮膚からも吸収されるという特性があります。

二酸化硫黄（亜硫酸ガス）：歯牙酸食症、慢性気管支炎、喘息製気管支炎、胃腸障害、結膜炎、鼻咽頭炎、味覚・嗅覚の異常、食欲不振などがみられます。
一酸化炭素：ヘモグロビンと結合してその酸素運搬能力を低下させ、「体内組織のに酸素欠乏状態」を引き起こします。その結果として、一酸化炭素中毒では、息切れ、頭痛、虚脱や意識混濁がみられます。

シアン化水素：呼吸困難、痙攣などがみられます。

塩素：呼吸器が冒されます。

ベンゼン：再生不良性貧血、溶血などがみられます。

化学物質による健康障害に関する問題です。

内容を整理しておきましょう。