第一種衛生管理者の過去問
令和6年4月公表
労働衛生(有害業務に係るもの) 問9

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問題

第一種 衛生管理者試験 令和6年4月公表 労働衛生(有害業務に係るもの) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • キャノピ型フードは、発生源からの熱による上昇気流を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類される。
  • スロット型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、囲い式フードに分類される。
  • 囲い式フードの排気効果を型別に比較すると、ドラフトチェンバ型は、カバー型より排気効果が大きい。
  • ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。
  • 空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般に、フードに接続した吸引ダクトと空気清浄装置の間に設ける。

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この過去問の解説 (3件)

01

局所排気装置の構成は、下記の通りです。

 

フード → 吸込ダクト → 空気清浄装置 → ファン → 排気ダクト → 排気口

 

・フード…排気効果は外付け式より囲い式の方が高いです。

・吸込ダクト…ダクトが長いほど、またベンド(曲がっている所)が多いほど圧力損失が大きく、効率が悪くなります。

・空気清浄装置…粉じん装置と排ガス処理装置があり、ファンの前に設置します。

・ファン…気流を発生させて吸引力を与える排風機です。空気清浄装置の後に設置します。

・排気ダクト…排気ダクトの開口部の高さは建物の屋根から1.5m以上窓および扉から7m以上離す必要があります。

  大 ← 排気効果 → 小
 囲い式 外付け式
カバー型グローブボックス型ドラフトチェンバー型建築ブース型

スロット型

ルーバー型

レシーバー式

キャノビー型

選択肢1. キャノピ型フードは、発生源からの熱による上昇気流を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類される。

正しいです。

選択肢2. スロット型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、囲い式フードに分類される。

誤りです。

外付け式フードに分類されます。

選択肢3. 囲い式フードの排気効果を型別に比較すると、ドラフトチェンバ型は、カバー型より排気効果が大きい。

誤りです。

ドラフトチェンバー型よりカバー型の方が排気効果は高いです。

選択肢4. ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。

誤りです。

ダクトは断面積を小さくするほど圧力損失が増大します。

選択肢5. 空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般に、フードに接続した吸引ダクトと空気清浄装置の間に設ける。

誤りです。

ファン(排風機)は空気清浄装置と排気ダクトの間に設置します。

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02

局所排気装置に関する問題です。

内容を整理しておきましょう。

選択肢1. キャノピ型フードは、発生源からの熱による上昇気流を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類される。

正しいです。
記述のとおりです。

選択肢2. スロット型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、囲い式フードに分類される。

誤りです。
スロット型フードは外付け式フードに分類されます。

選択肢3. 囲い式フードの排気効果を型別に比較すると、ドラフトチェンバ型は、カバー型より排気効果が大きい。

誤りです。
「ドラフトチェンバ型は、カバー型より排気効果が小さい」です。

選択肢4. ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。

誤りです。

ダクト断面積を大きくするほど、ダクトの「圧力損失は減少する」です。

選択肢5. 空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般に、フードに接続した吸引ダクトと空気清浄装置の間に設ける。

誤りです。 

局所式排気装置の基本構造は、以下のとおりです。

 ①フード→②吸込ダクト③空気清浄装置機④排風機⑤排気ダクト⑥排気口です。 

そのため、基本的には空気清浄装置の後に設置します。

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03

局所排気装置は、有機溶剤蒸気や粉じんなどを排気フードから吸い込み、ダクト等を経由して作業場外へ排気する換気装置です。
局所排気装置には、作業場所や取扱う薬品、用途に応じて、いくつかの種類があります。そのため、利用目的に応じて、最適なものを選定しなければなりません。
①囲い式:前面又は一部のみに、作業者が作業を実施できるための開口があるのが特徴。その他の部分は囲まれている為、有効的に排気風量をコントロールできます。
例:ドラフトチャンバー型、グローブボックス型
②外付け式:囲い式に比べると、作業者が作業を実施しやすいです。一方、発生物質の吸引力となる気流はフードに流れ込む気流の一部となる為、多くの排気風量が必要となります。また、周囲に吸引を妨げる気流があれば効果が薄れます。
例:スロット型、ルーバー型、グリッド型(下方吸引フード)、天蓋フード等
③レシーバー式:発生源に一定方向の気流があるため、レシーバー式排気装置にはその気流の方向に囲いや開口部があり、そこで有害物質を捕捉します。ただし、吸引力は比較的弱いです。
例:キャノビー型、カバー型

選択肢1. キャノピ型フードは、発生源からの熱による上昇気流を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類される。

上記③と合致します。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢2. スロット型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、囲い式フードに分類される。

上記②より、囲い式フードではありません。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢3. 囲い式フードの排気効果を型別に比較すると、ドラフトチェンバ型は、カバー型より排気効果が大きい。

ドラフトチェンバ型は、カバー型より排気効果が小さいです。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢4. ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。

ダクト断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失は減少します。説明が反対です。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢5. 空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般に、フードに接続した吸引ダクトと空気清浄装置の間に設ける。

排風機は、一般には、空気清浄装置よりも後に設置します。排風機の故障を防ぐことにもなります。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

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