第一種衛生管理者 過去問
令和6年10月公表
問17 (労働衛生(有害業務に係るもの) 問7)

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問題

第一種 衛生管理者試験 令和6年10月公表 問17(労働衛生(有害業務に係るもの) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

作業環境における騒音及びそれによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 音圧レベルは、通常、その音圧と人間が聴くことができる最も小さな音圧(20μPa)との比の常用対数を20倍して求められ、その単位はデシベル(dB)で表される。
  • 等価騒音レベルは、単位時間(1分間)における音圧レベルを10秒間ごとに平均化した幾何平均値で、変動する騒音レベルの平均値として表した値である。
  • 人が聴くことができる音の周波数は、およそ20〜20,000Hzである。
  • 騒音性難聴の初期に認められる4,000Hz付近の音を中心とする聴力低下の型をc5dipという。
  • 騒音は、自律神経系や内分泌系へも影響を与えるため、騒音ばく露により、交感神経の活動の亢(こう)進や副腎皮質ホルモンの分泌の増加が認められることがある。

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この過去問の解説 (3件)

01

騒音及びそれによる健康障害に関する問題です。「音」に関する知識と難聴やストレス反応について覚えましょう。

選択肢1. 音圧レベルは、通常、その音圧と人間が聴くことができる最も小さな音圧(20μPa)との比の常用対数を20倍して求められ、その単位はデシベル(dB)で表される。

音圧レベルとは音の圧力のことをいいます。音圧レベルは、その音圧と基準値(人間が聴くことができる最も小さな音圧、すなわち20μPa)との比の常用対数を20倍することにより算出されます。その単位はデシベル(dB)で表示されます。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢2. 等価騒音レベルは、単位時間(1分間)における音圧レベルを10秒間ごとに平均化した幾何平均値で、変動する騒音レベルの平均値として表した値である。

等価騒音レベルは、不規則変化する騒音を評価するための指数のことをいいます。「測定時間内における変動騒音の平均2乗音圧に等しい平均2乗音圧を与える連続定常音の騒音レベル」と定義されています。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢3. 人が聴くことができる音の周波数は、およそ20〜20,000Hzである。

人間が一般的に聴くことが可能な音の周波数は、20Hz 程度から 20,000Hz 程度といわれます。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢4. 騒音性難聴の初期に認められる4,000Hz付近の音を中心とする聴力低下の型をc5dipという。

難聴の種類としては、高音障害型や低音障害型、水平型、dip型などが該当します。初期症状としては、4,000 Hz 付近のdip型の難聴が進行します。この症状は、特定の周波数領域の音が聞こえにくくなり、それより高いもしくは低い音の聴力はそれほど低下しないという特徴があります。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢5. 騒音は、自律神経系や内分泌系へも影響を与えるため、騒音ばく露により、交感神経の活動の亢(こう)進や副腎皮質ホルモンの分泌の増加が認められることがある。

騒音は心的なストレスの原因となり、精神的疲労や自律神経系や内分泌系に影響を及ぼす可能性があります。さらに、交感神経の活動の亢進や副腎皮質ホルモンの分泌の増加につながる可能性もあります。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

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02

騒音の定義、測定、健康被害に関する基礎的な知識を問う問題です。

選択肢1. 音圧レベルは、通常、その音圧と人間が聴くことができる最も小さな音圧(20μPa)との比の常用対数を20倍して求められ、その単位はデシベル(dB)で表される。

正しいです。

 

・音の大きさ(絶対値)は音圧と言い、音が空気を振動させる圧力の単位Pa(パスカル)を用いて表します。

音圧レベルとは、基準となる音圧との比を用いて計算し、単位dB(デシベル)を用いて表します。

  

・人間が聞くことができる音の高さの範囲(周波数の範囲)は、20~20,000 Hzです。この範囲中で1kHz~5kHz での感度が最も良いとされています。 

 

・人間が1kHzの音で聞き分けられる最も小さな音圧は、20μPa (= 20 x 10-6 Pa)程度です。

・音圧レベルは、この20μPaを基準として以下の式で求めることができます。

 

音圧レベル = 20 x log10 (求める音の音圧 ÷ 20μPa)

 

因みに、音圧が20μPa の場合、音圧レベルは0dBとなります。

選択肢2. 等価騒音レベルは、単位時間(1分間)における音圧レベルを10秒間ごとに平均化した幾何平均値で、変動する騒音レベルの平均値として表した値である。

誤りです【正解】

 

等価騒音レベルとは、ある場所で発生している色々な音源からの雑音の総和のレベルの事で、例えば交通量の多い道路や工事現場などでの騒音の評価に用いられます。

 

等価騒音レベルは、不規則に変化する騒音レベルのエネルギーを時間平均して計算します。エネルギーを考えるため、音の大きさの2乗を平均する事となります。計算式は複雑であるので、実際には、その値が直接表示される騒音測定器を用います。

選択肢3. 人が聴くことができる音の周波数は、およそ20〜20,000Hzである。

正しいです。

 

・人間が聞くことができる音の高さの範囲(周波数の範囲)は、20~20,000 Hzです。この範囲中で1kHz~5kHz での感度が最も良いとされています。 

選択肢4. 騒音性難聴の初期に認められる4,000Hz付近の音を中心とする聴力低下の型をc5dipという。

正しいです。

 

難聴の分離方法は、原因別、程度別、聞き分けられる音の高さ別などがあります。

ここで、聞き分けられる音の高さ別では、以下の様に分類できます。

 

・高音障害型:高音の聞き分けが困難。加齢、薬害などが原因

・低温障害型:低音の聞き分けが困難。メニエール病などが原因

・水平型  :低~高音全体の聞き分けが困難。伝音・感音機能の障害などが原因

・ディップ型:一部の周波数の音の機器訳が困難。騒音などが原因。

 

上記の通りディップ型で、騒音性難聴の初期に現れる4000Hz近辺の音が聞こえずらくなるものをC5dipといいます。

C5は4000Hzの周波数を意味します。またディップには"溝”や"くぼみ"などの意味があります。

選択肢5. 騒音は、自律神経系や内分泌系へも影響を与えるため、騒音ばく露により、交感神経の活動の亢(こう)進や副腎皮質ホルモンの分泌の増加が認められることがある。

正しいです

 

雑音による健康障害として以下に挙げられます。

・雑音により、交感神経系や内分泌系が活性化し、ストレスホルモンの分泌が促進されます。ストレスホルモンの代表的なものとして、副腎皮質から分泌されるコルチゾールが挙げられます。

・ストレスホルモン分泌によって血圧心拍数、血流量、血糖値などに変化が生じます。
・これが繰り返されることによって心臓血管系疾患などの慢性的な疾患が生じる事があります。

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03

騒音の定義、測定方法、健康被害のことを問う基本的な問題です。

〇音圧レベル

 音の大きさを表す指標で、単位はデシベル(dB)

 ・音圧の物理的な大きさを基準となる音圧との比の対数として表したもの

 ・音圧の 2 乗が音の強さに比例するため、騒音計で測定した音圧レベルは dB で表される

〇等価騒音レベル

 時間とともに変化する騒音の平均的な大きさを示す指標

 ・測定時間内の騒音レベルのエネルギーを時間平均して定める

 ・LAeq(Leq)と表記される

選択肢1. 音圧レベルは、通常、その音圧と人間が聴くことができる最も小さな音圧(20μPa)との比の常用対数を20倍して求められ、その単位はデシベル(dB)で表される。

正しいです。

選択肢2. 等価騒音レベルは、単位時間(1分間)における音圧レベルを10秒間ごとに平均化した幾何平均値で、変動する騒音レベルの平均値として表した値である。

間違いです。

等価騒音レベルは単位時間における騒音レベルを平均化したものであり、

音圧レベルを平均化したものではありません。

 

音圧レベル:音波の強弱(音圧)を測定した値で

騒音レベル:音圧レベルに人の聴覚を考慮して補正した値

選択肢3. 人が聴くことができる音の周波数は、およそ20〜20,000Hzである。

正しいです。

選択肢4. 騒音性難聴の初期に認められる4,000Hz付近の音を中心とする聴力低下の型をc5dipという。

正しいです。

選択肢5. 騒音は、自律神経系や内分泌系へも影響を与えるため、騒音ばく露により、交感神経の活動の亢(こう)進や副腎皮質ホルモンの分泌の増加が認められることがある。

正しいです。

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