第一種衛生管理者 過去問
令和6年10月公表
問30 (労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問3)

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問題

第一種 衛生管理者試験 令和6年10月公表 問30(労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

厚生労働省の「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
  • 経営トップ自らが、高齢者労働災害防止対策に取り組む姿勢を示し、企業全体の安全意識を高めるため、高齢者労働災害防止対策に関する事項を盛り込んだ安全衛生方針を表明する。
  • 高齢者労働災害防止対策には、事業場全体で取り組むことが重要であることから、対策を推進するための特定の部署や担当者を指定することは避けるようにする。
  • 身体機能が低下した高年齢労働者であっても安全に働き続けることができるよう、事業場の施設、設備、装置等の改善を行うが、危険を知らせるための警報音等は、年齢によらず聞き取りやすい高音域の音を採用するとよい。
  • 高年齢労働者が自らの身体機能の維持向上に取り組めるよう、高年齢労働者を対象とした体力チェックを継続的に行うことが望ましいが、個々の労働者に対する不利益につながるおそれがあることから、体力チェックの評価基準は設けないようにする。
  • 高年齢労働者は、十分な経験を有しているため、改めて安全衛生教育を行うことは高年齢労働者の自尊心を損なうおそれがあるばかりでなく、長時間にわたり教育を行うことは身体面の負担が大きいことから、最小限の時間と内容で行うことが望ましい。

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この過去問の解説 (3件)

01

「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」の概略は下記の通りです。

 

〇事業者に求められる取組

 

1安全衛生管理体制の確立等

経営トップ自らが安全衛生方針を表明し、担当する組織や担当者を指定

・高年齢労働者の身体機能の低下等による労働災害についてリスクアセスメントを実施

 

2職場環境の改善

・照度の確保、段差の解消、補助機器の導入等、身体機能の低下を補う設備・装置の導入

・勤務形態等の工夫、ゆとりのある作業スピード等、高年齢労働者の特性を考慮した作業管理

 

3高年齢労働者の健康や体力の状況の把握

健康診断や体力チェックにより、事業者、高年齢労働者双方が健康や体力の状況を客観的に把握

 

4高年齢労働者の健康や体力の状況に応じた対応

・個々の高年齢労働者の健康や体力の状況に応じて、安全と健康の点で適合する業務をマッチング

・集団及び個々の高年齢労働者を対象に身体機能の維持向上に取り組む

 

5安全衛生教育

・十分な時間をかけ、写真や図、映像等、文字以外の情報を活用した教育を実施

・再雇用や再就職等で経験のない業種や業務に従事する場合には、特に丁寧な教育訓練

 

〇労働者に求められる取り組み

・自らの身体機能や健康状況を客観的に把握し、健康や体力の維持管理に努める

・日頃から運動を取り入れ、食習慣の改善等により体力の維持と生活習慣の改善に取り組む

選択肢1. 経営トップ自らが、高齢者労働災害防止対策に取り組む姿勢を示し、企業全体の安全意識を高めるため、高齢者労働災害防止対策に関する事項を盛り込んだ安全衛生方針を表明する。

正しいです。【正解】

 

本指針では、経営トップ自らが安全衛生方針を表明することが言及されています。

選択肢2. 高齢者労働災害防止対策には、事業場全体で取り組むことが重要であることから、対策を推進するための特定の部署や担当者を指定することは避けるようにする。

誤っています。

 

本指針では、(安全衛生管理体制を)担当する組織や担当者を指定するとされています。

選択肢3. 身体機能が低下した高年齢労働者であっても安全に働き続けることができるよう、事業場の施設、設備、装置等の改善を行うが、危険を知らせるための警報音等は、年齢によらず聞き取りやすい高音域の音を採用するとよい。

誤っています。

 

本指針では、高年齢労働者の特性を考慮した作業管理とすることが求められてます。高齢者は高音域の音が聞こえづらくなっている場合があるので、配慮が必要です。

選択肢4. 高年齢労働者が自らの身体機能の維持向上に取り組めるよう、高年齢労働者を対象とした体力チェックを継続的に行うことが望ましいが、個々の労働者に対する不利益につながるおそれがあることから、体力チェックの評価基準は設けないようにする。

誤っています。

 

本指針では、健康診断や体力チェックにより、事業者、高年齢労働者双方が健康や体力の状況を客観的に把握することが求められており、同年代の平均値などの評価基準と比較する事が必要です。

選択肢5. 高年齢労働者は、十分な経験を有しているため、改めて安全衛生教育を行うことは高年齢労働者の自尊心を損なうおそれがあるばかりでなく、長時間にわたり教育を行うことは身体面の負担が大きいことから、最小限の時間と内容で行うことが望ましい。

誤っています。

 

本指針では、再雇用や再就職等で経験のない業種や業務に従事する場合には、特に丁寧な教育訓練することが求められています。

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02

高年齢者の労働災害防止や健康推進については、厚生労働省の「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」に記載があります。その内容を問う問題です。

選択肢1. 経営トップ自らが、高齢者労働災害防止対策に取り組む姿勢を示し、企業全体の安全意識を高めるため、高齢者労働災害防止対策に関する事項を盛り込んだ安全衛生方針を表明する。

経営トップ自らが高齢者労働災害防止対策に取り組む姿勢を示す旨と企業全体の安全意識を高めるため、高齢者労働災害防止対策に関する事項を盛り込んだ安全衛生方針を表明する旨について、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」には記載があります。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢2. 高齢者労働災害防止対策には、事業場全体で取り組むことが重要であることから、対策を推進するための特定の部署や担当者を指定することは避けるようにする。

高齢者労働災害防止対策に取り組む組織や担当者を指定するなど実施し、高齢者労働災害防止対策の実施体制を明確化する旨について、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」には記載があります。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢3. 身体機能が低下した高年齢労働者であっても安全に働き続けることができるよう、事業場の施設、設備、装置等の改善を行うが、危険を知らせるための警報音等は、年齢によらず聞き取りやすい高音域の音を採用するとよい。

警報音等は、年齢にかかわらず、聞き取りやすい中低音域の音を採用する旨について、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」には記載があります。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢4. 高年齢労働者が自らの身体機能の維持向上に取り組めるよう、高年齢労働者を対象とした体力チェックを継続的に行うことが望ましいが、個々の労働者に対する不利益につながるおそれがあることから、体力チェックの評価基準は設けないようにする。

事業場の働き方や作業ルールにあわせた体力チェックを実施する旨について、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」には記載があります。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢5. 高年齢労働者は、十分な経験を有しているため、改めて安全衛生教育を行うことは高年齢労働者の自尊心を損なうおそれがあるばかりでなく、長時間にわたり教育を行うことは身体面の負担が大きいことから、最小限の時間と内容で行うことが望ましい。

高年齢労働者を対象とした教育においては、作業内容とそのリスクについて理解しやくするために、十分な時間をかけて、写真や図、映像などの文字以外の情報も活用する旨について、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」には記載があります。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

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03

「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」は高齢層の労働者が安全に働くことができるために

厚生労働省が定めたガイドラインであり、具体的に以下のことが記されています。

(1)安全衛生管理体制の確立等
 経営トップ自らが安全衛生方針を表明し、担当する組織や担当者を指定するとともに、

 高年齢労働者の身体機能の低下等による労働災害についてリスクアセスメントを実施
(2)職場環境の改善
 照度の確保、段差の解消、補助機器の導入等、身体機能の低下を補う設備・装置の導入などの

 ハード面の対策とともに、勤務形態等の工夫、ゆとりのある作業スピード等、高年齢労働者の

 特性を考慮した作業管理などのソフト面の対策も実施
(3)高年齢労働者の健康や体力の状況の把握
 健康診断や体力チェックにより、事業者、高年齢労働者双方が当該高年齢労働者の健康や体力の状況を客観的に把握
(4)高年齢労働者の健康や体力の状況に応じた対応
 健康診断や体力チェックにより把握した個々の高年齢労働者の健康や体力の状況に応じて、

 安全と健康の点で適合する業務をマッチングするとともに、集団及び個々の高年齢労働者を対象に身体機能の維持向上に取り組む
(5)安全衛生教育
 十分な時間をかけ、写真や図、映像等文字以外の情報も活用した教育を実施するとともに、

 再雇用や再就職等で経験のない業種や業務に従事する高年齢労働者には、特に丁寧な教育訓練を実施

選択肢1. 経営トップ自らが、高齢者労働災害防止対策に取り組む姿勢を示し、企業全体の安全意識を高めるため、高齢者労働災害防止対策に関する事項を盛り込んだ安全衛生方針を表明する。

正しいです。

選択肢2. 高齢者労働災害防止対策には、事業場全体で取り組むことが重要であることから、対策を推進するための特定の部署や担当者を指定することは避けるようにする。

間違いです。

選択肢3. 身体機能が低下した高年齢労働者であっても安全に働き続けることができるよう、事業場の施設、設備、装置等の改善を行うが、危険を知らせるための警報音等は、年齢によらず聞き取りやすい高音域の音を採用するとよい。

間違いです。

 

選択肢4. 高年齢労働者が自らの身体機能の維持向上に取り組めるよう、高年齢労働者を対象とした体力チェックを継続的に行うことが望ましいが、個々の労働者に対する不利益につながるおそれがあることから、体力チェックの評価基準は設けないようにする。

間違いです。

選択肢5. 高年齢労働者は、十分な経験を有しているため、改めて安全衛生教育を行うことは高年齢労働者の自尊心を損なうおそれがあるばかりでなく、長時間にわたり教育を行うことは身体面の負担が大きいことから、最小限の時間と内容で行うことが望ましい。

間違いです。

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