第一種衛生管理者 過去問
令和6年10月公表
問33 (労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問6)

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問題

第一種 衛生管理者試験 令和6年10月公表 問33(労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 腸炎ビブリオ菌は、熱に強い。
  • サルモネラ菌による食中毒は、鶏卵が原因となることがある。
  • 黄色ブドウ球菌による食中毒は、食品に付着した菌が食品中で増殖した際に生じる毒素により発症する。
  • ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。
  • ノロウイルスによる食中毒は、冬季に集団食中毒として発生することが多く、潜伏期間は、1〜2日間である。

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この過去問の解説 (3件)

01

各種食中毒の概略をは以下の通りです。

 

〇サルモネラ菌
・十分に加熱していない卵・肉・魚などが原因となります。

・乾燥に強く、熱に弱い特徴があります。
・食後、6時間~48時間で、はきけ、腹痛、げり、発熱、頭痛などの症状が出ます。

 

〇黄色ブドウ球菌
ヒトの皮膚、鼻や口の中にいる菌です。傷やニキビを触った手で食べ物を触ると菌が付きやすくなります。

・この菌の毒素は熱に強く、一度毒素ができてしまうと、加熱しても食中毒を防ぐことはできません。
・食後30分~6時間で、はきけ、腹痛などの症状が出ます。

 

〇腸炎ビブリオ菌
生の魚や貝などの魚介類(ぎょかいるい)が原因となります。

・塩分のあるところで増える菌で、真水や熱に弱い特徴があります。
・食後4時間~96時間で、激しいげりや腹痛などの症状が出ます。

 

〇カンピロバクター
・十分に加熱されていない肉(特にとり肉)や、飲料水、生野菜などが原因となります。

 また、ペットから感染することもあります。

・乾燥に弱く、加熱すれば菌は死滅します。
・食後2~7日で、げり、発熱、はきけ、腹痛、筋肉痛などの症状が出ます。

 

〇腸管出血性大腸菌(O157、O111など)
・十分に加熱されていない肉や生野菜などが原因となります。

・菌には、O157やO111などの種類がありますが、十分に加熱すればふせげます。
・食後12~60時間で、はげしい腹痛、げり、血が多くまざったげりなどの症状が出ます。
 

〇ノロウイルス
カキなどの二枚貝を生や十分加熱しないで食べた場合

 ウイルスに汚染された水道水や井戸水などを飲んで感染することもあります。

 冬季に発症することが多い

熱に弱いので、85度以上で1分間以上加熱。食中毒にかかった人の便や、はいたものから感染することもある
・食後1~2日ではきけ、ひどいげり、腹痛などの症状がでます。

選択肢1. 腸炎ビブリオ菌は、熱に強い。

誤っています。【正解】

 

真水や熱に弱い特徴があります。

選択肢2. サルモネラ菌による食中毒は、鶏卵が原因となることがある。

正しいです。

 

十分に加熱していない卵・肉・魚などが原因となります。

選択肢3. 黄色ブドウ球菌による食中毒は、食品に付着した菌が食品中で増殖した際に生じる毒素により発症する。

正しいです。

 

ヒトの皮膚、鼻や口の中にいる菌です。傷やニキビを触った手で食べ物を触ると菌が付きやすくなります。

選択肢4. ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。

正しいです。

 

厚生労働省のホームページ内「細菌による食中毒」にて各種説明されていますのでご参照ください。

選択肢5. ノロウイルスによる食中毒は、冬季に集団食中毒として発生することが多く、潜伏期間は、1〜2日間である。

正しいです。

 

冬季に発症することが多いです。

食後1~2日ではきけ、ひどいげり、腹痛などの症状がでます。

まとめ

農林水産省や厚生労働所のホームページで各種情報が紹介されています。

過去問を解きながら適宜参照ください。

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02

各食中毒の特性に関する問題です。

選択肢1. 腸炎ビブリオ菌は、熱に強い。

腸炎ビブリオ菌は、熱に弱いです。そのため、煮沸すれば瞬時に死滅します。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢2. サルモネラ菌による食中毒は、鶏卵が原因となることがある。

サルモネラ菌による食中毒は、卵、食肉製品、乳製品などの食品に付着した菌が原因となって発症します。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢3. 黄色ブドウ球菌による食中毒は、食品に付着した菌が食品中で増殖した際に生じる毒素により発症する。

黄色ブドウ球菌による食中毒は、食物に付着した細菌により産生された毒素が原因となって発症します。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢4. ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。

ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロバクターは、細菌が原因となって引き起こされる食中毒のことです。細菌性食中毒といいます。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢5. ノロウイルスによる食中毒は、冬季に集団食中毒として発生することが多く、潜伏期間は、1〜2日間である。

ノロウィルスによる食中毒は、11月くらいから発生件数が増加し、12月から翌年1月にかけてピークになります。潜伏期間は、1日間から2日間と考えられています。

よって、本選択肢の内容は正しいです

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03

食中毒関連の問題です。各菌について以下の特徴がありますのでポイントおさえましょう。

 主な原因食品発症までの期間主な症状
腸炎ビブリオ菌

・魚介類(刺身、寿司、魚介加工品)

・その二次汚染された食品など

12 時間前後腹痛、激しい下痢、吐き気、おう吐、発熱
サルモネラ菌卵、またはその加工品、食肉調理品(特に鶏肉)など

8~48 時間

(菌種により異なる)

悪心、腹痛、下痢、おう吐、発熱
黄色ブドウ球菌

素手で不適切に取り扱った食品

(手指(化膿創など)から汚染)など

平均3 時間吐き気、おう吐、腹痛(下痢)
ウェルシュ菌

多種多様の煮込み料理

(カレー、煮魚、麺のつけ汁、野菜煮付け)など

通常6~ 18 時間

(平均10 時間)

下痢、腹痛(通常は軽症で1 日で回復)
セレウス菌

チャーハン、ピラフなどの焼飯類

焼きそばやスパゲッティなどの麺類

おう吐型:30 分~5時間
下痢型:6 ~ 15 時間

おう吐型は黄色ブドウ球菌食中毒に類似、

下痢型はウエルシュ菌食中毒に類似

カンピロバクター

鶏肉(加熱不足の焼き鳥、鳥刺し、レバ刺し等)

井戸水、生野菜など

平均2 ~ 5 日腹痛、激しい下痢、発熱、おう吐、筋肉痛
ノロウイルス食貝類(二枚貝)、調理により二次汚染された食品など1~2日吐き気、おう吐、激しい下痢、腹痛、頭痛

選択肢1. 腸炎ビブリオ菌は、熱に強い。

間違いです。

腸炎ビブリオは通常の加熱調理で死滅します。中心部まで十分に加熱しましょう。

選択肢2. サルモネラ菌による食中毒は、鶏卵が原因となることがある。

正しいです。

選択肢3. 黄色ブドウ球菌による食中毒は、食品に付着した菌が食品中で増殖した際に生じる毒素により発症する。

正しいです。

選択肢4. ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。

正しいです。

選択肢5. ノロウイルスによる食中毒は、冬季に集団食中毒として発生することが多く、潜伏期間は、1〜2日間である。

正しいです。

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