一級建築士の過去問
平成27年(2015年)
学科1(計画) 問9

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問題

一級建築士試験 平成27年(2015年) 学科1(計画) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

高齢者、障がい者等の利用に配慮した建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 病院の階段において、色彩の調和を図るため、段鼻に設けた滑止めと踏面は類似の色のものとした。
  • 駅のエレベーターにおいて、エレベーターの乗降口から見える位置に、聴覚障がい者が文字により定員超過の確認をすることができる過負荷表示灯を設けた。
  • 百貨店の授乳室において、出入口の扉はスライド式とし、前室である共用スペースには哺乳瓶による授乳のための椅子を設置し、母乳による授乳のためのスペースにはカーテンによる仕切りを設けた。
  • 公民館の便所において、腰掛け便座の便房における便器洗浄ボタンは、視覚障がい者が見つけやすいように、ペーパーホルダーの直上に設けた。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 誤。病院の階段の段鼻に設けた滑止めは踏面との区別がつくように、明度差を大きくするように計画します。
類似の色の場合、視覚障がい者や高齢者が階段を踏み外す危険性が高まります。

2 正。聴覚障がい者はブザー音が聞こえないため、公共性の高いエレベーターには乗降口から見える位置に文字により定員超過の確認をすることが出来る過負荷表示灯を設けます。

3 正。母乳による授乳のためのスペースにはプライバシーに配慮して仕切りを設けるようにします。

4 正。便器洗浄ボタンは視覚障がい者が見つけやすいように、ペーパーホルダーの真上に設けます。

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02

正解は1です

1:誤りです
類似の色のものを使用すると区別がつきにくくなり踏み間違いなど事故を起こす可能性が大きくなります。段鼻に設けた滑止めと踏面は目で見て区別がつくように輝度比(輝度:視力、見やすさ、グレアの評価に用いられる。輝度比:視対象の輝度と背景の輝度との比。)が1.5~2.0とします。

2:設問通りです
聴覚障害者が視覚で状況を判断できるために配慮したものです。

3:設問通りです
授乳室における利用者に配慮した設計となっております。

4:設問通りです
便器洗浄ボタン等の便房設備は手の届く範囲で、かつ分かりやすいところになるべくまとめて配置します。

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03

1. 病院の階段の段鼻に設けた滑止めと踏面を類似の色とした場合、
視覚障がい者や高齢者が段差を認識しづらく踏み外す危険性があります。
踏面の色と段鼻の色の輝度比または明度差を大きくすることにより、
段差の存在を分かりやすくします。

2.ブザー音が聞こえない聴覚障がい者に配慮して公共性の高いエレベーターには、定員超過であることを文字で知らせる過負荷表示を、乗降口から見えるように、かごの正面の壁または戸枠上部に設けることが望ましいです。

3.記述のとおりです。母乳による授乳のためのスペースには、仕切を設けてプライバシーに配慮する必要があります。

4.便器洗浄ボタンは視覚障がい者が見つけやすいようにペーパーホルダーの直上とし、便器に座った姿勢、車いすに座った姿勢、立った姿勢のいずれの場合にも押しやすい位置に設けます。

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