一級建築士の過去問
平成28年(2016年)
学科4(構造) 問86
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問題
一級建築士試験 平成28年(2016年) 学科4(構造) 問86 (訂正依頼・報告はこちら)
鉄骨構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 高力ボルト接合となる梁の継手部分に、F10Tの代わりにF14T級の超高力ボルト( 遅れ破壊の主原因となる水素に対する抵抗力を高めた高力ボルト )を用いることで、ボルト本数を減らし、スプライスプレートを小さくした。
- 高力ボルト摩擦接合の二面せん断の短期許容せん断応力度を、高力ボルトの基準張力T。( 単位N/mm2 )とした。
- 露出形式柱脚において、ベースプレートの変形を抑えるために、ベースプレートの厚さをアンカーボルトの径の1.3倍とした。
- 埋込形式柱脚において、鉄骨柱の応力は、コンクリートに埋め込まれた部分の上部と下部の支圧により、基礎に伝達する設計とした。
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この過去問の解説 (3件)
01
超高力ボルトは一般の高力ボルトに比べ、引張強さが約1.4倍(1400N/㎟)に高強度化されたボルトです。超高力ボルトの使用により、ボルト本数の低減、接合部の小型化を図ることができます。
2. 誤り
高力ボルト摩擦接合の二面せん断の短期許容せん断応力度は、0.9To(N/㎟)とします。
*合わせて覚えましょう
■長期許容せん断応力度 (N/㎟)
一面せん断…0.3To
二面せん断…0.6To
■短期は長期の1.5倍
一面せん断…0.3x1.5=0.45To
二面せん断…0.6x1.5=0.9To
(施工令92条の2)
3. 設問の通り
露出形式柱脚において、ベースプレートの厚さはアンカーボルトの径の1.3倍以上とするよう定められています。
(建設省告示第1456号)
4.設問の通り
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02
1:設問通りです
ボルトにF10Tより高強度のF14Tを用いることでボルトの本数並びにスプライスプレートを小型化させることができます。
2:誤りです
高力ボルト摩擦接合を一面せん断で用いる場合のボルトの長期許容せん断応力度は高力ボルトの基準張力をT。とすると0.3T。とし、二面せん断ではこの値を2倍、短期許容せん断応力度の場合はさらに1.5倍とします。
したがって、二面せん断時の短期許容せん断応力度は
0.3T。×2×1.5=0.9T。
となります。
3:設問通りです
露出形式柱脚の規定で、ベースプレートの厚さは変形を抑えるために、アンカーボルトの径の1.3倍とします。
4:設問通りです
埋込み柱脚において鉄骨柱から受ける曲げモーメントやせん断力はコンクリートに埋め込まれた部分の上部と下部の支圧により、基礎に伝達されます。
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03
F10Tの代わりに強度の大きなF14Tを使用する事で
ボルトの本数を少なく、スプライスプレートも小さくする事ができます。
2.不適当です。
高力ボルト1本当たりの軸断面に対する許容せん断応力度は
ボルトの基準張力によって決まります。
2面せん断の短期許容せん断応力度は
長期許容せん断応力度の1.5倍です。
3.適当です。
露出形式柱脚において
ベースプレートの厚さは変形を抑える為に
アンカーボルトの経の1.3倍とします。
4.適当です。
鉄骨の曲げモーメントとせん断力は
埋込み部の上部と下部の支圧力によって伝えられます。
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