二級建築士 過去問
令和2年(2020年)
問83 (学科4(建築施工) 問8)

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問題

二級建築士試験 令和2年(2020年) 問83(学科4(建築施工) 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • コンクリートの締固めにおいて、コンクリート棒形振動機は、打込み各層ごとに用い、その下層に振動機の先端が入るようにほぼ鉛直に挿入し、引き抜くときはコンクリートに穴を残さないように加振しながら徐々に行った。
  • 片持ちスラブなどのはね出し部は、これを支持する構造体部分と一体となるようにコンクリートを打ち込んだ。
  • コンクリートの打継ぎにおいては、打継ぎ面にあるレイタンスなどを取り除き、十分に乾燥させた状態で、コンクリートを打ち込んだ。
  • 寒冷期におけるコンクリートの養生については、コンクリートを寒気から保護し、打込み後5日間にわたって、コンクリート温度を2℃以上に保った。
  • 構造体コンクリート強度の判定用の供試体の養生は、標準養生とした。

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この過去問の解説 (3件)

01

最も不適当なものは「コンクリートの打継ぎにおいては、打継ぎ面にあるレイタンスなどを取り除き、十分に乾燥させた状態で、コンクリートを打ち込んだ」です。

選択肢1. コンクリートの締固めにおいて、コンクリート棒形振動機は、打込み各層ごとに用い、その下層に振動機の先端が入るようにほぼ鉛直に挿入し、引き抜くときはコンクリートに穴を残さないように加振しながら徐々に行った。

設問の内容は正しいです。

棒形振動機は打ち込み層ごとに行い、その下層に先端が入るまで(約10㎝)ほぼ鉛直に挿入し、挿入間隔は60㎝以下とします。

選択肢2. 片持ちスラブなどのはね出し部は、これを支持する構造体部分と一体となるようにコンクリートを打ち込んだ。

設問の内容は正しいです。

片持ちスラブなどの跳ねだし部分はこれを支持する構造体部分と一緒に打ち込み、打ち継ぎを設けないようにします。

選択肢3. コンクリートの打継ぎにおいては、打継ぎ面にあるレイタンスなどを取り除き、十分に乾燥させた状態で、コンクリートを打ち込んだ。

レイタンスとは、コンクリート打込み後、コンクリートの表面に微粒物が薄い層となって沈積したもので、打ち継ぎの障害となるため除去します。

打ち継ぎ面のコンクリート表面は乾燥させるのではなく、湿潤養生を行う必要があるため、設問の内容は誤りです。

選択肢4. 寒冷期におけるコンクリートの養生については、コンクリートを寒気から保護し、打込み後5日間にわたって、コンクリート温度を2℃以上に保った。

設問の内容は正しいです。

外気温の低い寒冷期では、コンクリートを寒気から保護するため、打込み後5日間以上、コンクリートの温度を2℃以上に保つ必要があります。

選択肢5. 構造体コンクリート強度の判定用の供試体の養生は、標準養生とした。

設問の内容は正しいです。

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02

最も不適当なものは「コンクリートの打継ぎにおいては、打継ぎ面にあるレイタンスなどを取り除き、十分に乾燥させた状態で、コンクリートを打ち込んだ。」です。

選択肢1. コンクリートの締固めにおいて、コンクリート棒形振動機は、打込み各層ごとに用い、その下層に振動機の先端が入るようにほぼ鉛直に挿入し、引き抜くときはコンクリートに穴を残さないように加振しながら徐々に行った。

記述は正しいです。

コンクリートの締固めにおいて、コンクリート棒形振動機は、打込み各層ごとに用い、その下層に振動機の先端が入るようにほぼ鉛直に挿入し、引き抜くときはコンクリートに穴を残さないように加振しながら徐々に行います。

選択肢2. 片持ちスラブなどのはね出し部は、これを支持する構造体部分と一体となるようにコンクリートを打ち込んだ。

記述は正しいです。

片持ちスラブなどのはね出し部は、これを支持する構造体部分と一体となるようにコンクリートを打ち込みます。

 

選択肢3. コンクリートの打継ぎにおいては、打継ぎ面にあるレイタンスなどを取り除き、十分に乾燥させた状態で、コンクリートを打ち込んだ。

記述は誤りです。

「レイタンス」とは、コンクリートの打込み後、ブリーディングに伴い、内部の微細な粒子が浮上し、コンクリート表面に形成するぜい弱な物質の層を指します(「JIS A コンクリート用語 0203:2019 レイタンス」より)。この層は新しいコンクリートとの付着を妨げるため、打継ぎ前に除去する必要があります。
また、コンクリート打継ぎ面は、乾燥させるのではなく、適度に湿潤状態を保つことが望ましいとされています。ただし、表面に水が浮かないよう調整することが重要です。

選択肢4. 寒冷期におけるコンクリートの養生については、コンクリートを寒気から保護し、打込み後5日間にわたって、コンクリート温度を2℃以上に保った。

記述は正しいです。

寒冷期におけるコンクリートの養生については、コンクリートを寒気から保護し、打込み後5日間にわたって、コンクリート温度を2℃以上に保ちます。

選択肢5. 構造体コンクリート強度の判定用の供試体の養生は、標準養生とした。

記述は正しいです。

構造体コンクリート強度の判定用の供試体の養生は、標準養生とします。

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03

コンクリート工事に関する記述のうち、誤っているものを選びます。

コンクリート工事に関しては、建築工事標準仕様書(JASS5)や、公共工事標準仕様書に詳細が記載されています。

上記二つは記述に若干の違いがありますが、実務では設計図に記載がありますので、指定された仕様書を採用することになります。

選択肢1. コンクリートの締固めにおいて、コンクリート棒形振動機は、打込み各層ごとに用い、その下層に振動機の先端が入るようにほぼ鉛直に挿入し、引き抜くときはコンクリートに穴を残さないように加振しながら徐々に行った。

コンクリートの締固めは、コンクリート棒形振動機で各層ごとに行い、振動機の先端そのものが下層に届くまで垂直に挿入し、挿入間隔は約60cmごと、上面にペーストが浮いてくるまで振動させると、JASS5にも定められています。

よって、設問の記述は正しいです。

選択肢2. 片持ちスラブなどのはね出し部は、これを支持する構造体部分と一体となるようにコンクリートを打ち込んだ。

打継部分はひび割れや欠損が起きやすく、漏水などの不具合も起きやすい部分です。

また、スラブのような水平部材で打継が必要な場合は、せん断応力度の小さい、スパンの中央付近が望ましいです。

よって、片持ちスラブを持する構造体部分と一体となるようにコンクリートを打ち込んだので、設問の記述は正しいです。

選択肢3. コンクリートの打継ぎにおいては、打継ぎ面にあるレイタンスなどを取り除き、十分に乾燥させた状態で、コンクリートを打ち込んだ。

レイタンスとは、コンクリートを打設した際に、表面に浮いてくる水(ブリージング水)に混じった粒子で、乾燥すると粉状になります。

そのまま、打継をすると、強度や止水性に不具合が生じますので、取り除く必要がありますが、打継部は湿潤状態にする必要があります。

JASS5にも「打継部は、レイタンスを取り除き清掃して、コンクリート打ち込み前に水湿しを行う」とあります。

よって、十分に乾燥させた状態という設問の記述が誤りです。

 

選択肢4. 寒冷期におけるコンクリートの養生については、コンクリートを寒気から保護し、打込み後5日間にわたって、コンクリート温度を2℃以上に保った。

JASS5にも、コンクリートの養生について、打込み後5日間以上、コンクリート温度を2℃以上で、散水などで湿潤状態を保つようにとあります。

よって、設問の記述は正しいです。

選択肢5. 構造体コンクリート強度の判定用の供試体の養生は、標準養生とした。

強度試験を行うための供試体の養生には、いくつかの種類があります。

標準養生は、20℃前後の水中で養生を行います。

JASS5では「指定した材令まで標準養生」とあるので、設問の記述は正しいです。

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