二級建築士 過去問
令和2年(2020年)
問88 (学科4(建築施工) 問13)

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問題

二級建築士試験 令和2年(2020年) 問88(学科4(建築施工) 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨工事における溶接に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 溶接部の清掃作業において、溶接作業に支障のない溶接面に固着したミルスケールは、除去せずにそのまま残した。
  • 隅肉溶接の溶接長さは、有効溶接長さに隅肉サイズの1/2倍を加えたものとした。
  • 板厚が22mmの鋼材相互を突合せ継手とする完全溶込み溶接において、溶接部の余盛りの高さは、特記がなかったので、2mmとした。
  • 不合格溶接部の手溶接による補修作業は、径が4mmの溶接棒を用いて行った。
  • 溶接作業は、治具を使用して、できるだけ下向きの姿勢で行った。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

最も不適当なものを選びます。

1. 記述は正しいです。

 溶接部の清掃作業において、溶接作業に支障のない溶接面に固着したミルスケールは、除去せずにそのまま残します。
「ミルスケール」とは「黒皮」のことで鉄板を覆う酸化した皮膜のことをさします。

2. 記述は誤りです。

 隅肉溶接の溶接長さは、有効溶接長さに隅肉サイズの2倍を加えたものとします。

3. 記述は正しいです。

 板厚が22mmの鋼材相互を突合せ継手とする完全溶込み溶接において、溶接部の余盛りの高さは、特記がない場合、2mmとします。

4. 記述は正しいです。

 不合格溶接部の手溶接による補修作業は、径が4mmの溶接棒を用いて行います。

5. 記述は正しいです。

 溶接作業は、治具を使用して、できるだけ下向きの姿勢で行います。

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02

正解は2です。各選択肢の解説は以下のとおりです。

1→設問の内容は正しいです。

溶接部分は溶接に先立ち、溶接の支障となるものを除去する必要があります。

2→溶接長さは有効長さに隅肉サイズの2倍を加えたものなので、設問の「1/2倍」という記述が誤りです。

3→設問の内容は正しいです。

完全溶け込み溶接突合せ継手および角継手の余盛高さの最小値は0㎜とします。

4→設問の内容は正しいです。

溶接部の不合格箇所の補修用溶接棒の径は、4㎜以下とします。

5→設問の内容は正しいです。

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03

鉄骨工事に関する記述のうち、誤っているものを選びます。

鉄骨工事に関しては、建築工事標準仕様書(JASS6)や、公共工事標準仕様書に詳細が記載されています。

上記二つは記述に若干の違いがありますが、実務では設計図に記載がありますので、指定された仕様書を採用することになります。

選択肢1. 溶接部の清掃作業において、溶接作業に支障のない溶接面に固着したミルスケールは、除去せずにそのまま残した。

ミルスケールは製鉄所で鋼材を作る際に付着する、黒い被覆のことです。

溶接面の場合は、不具合を起こすので除却する必要がありますが、溶接作業に支障のない溶接面なので除去する必要はありません。

よって、設問の記述は正しいです。

また、ミルスケールはツルツルしていて摩擦力もありません。

高力ボルトの摩擦接合の際には、必ず除去する必要があります。

選択肢2. 隅肉溶接の溶接長さは、有効溶接長さに隅肉サイズの1/2倍を加えたものとした。

隅肉溶接の溶接長さは、JASS6にも、公共工事標準仕様書にも、

「有効長さに隅肉溶接のサイズの2倍を加えたもの」

とあります。よって設問の記述は1/2倍なので、誤りです。

選択肢3. 板厚が22mmの鋼材相互を突合せ継手とする完全溶込み溶接において、溶接部の余盛りの高さは、特記がなかったので、2mmとした。

余盛り高さとは、溶接ヶ所の鋼材から盛り上がった部分のことで、沈下していると溶接部が脆弱になりますが、盛り上がりすぎても、その部分に応力が集中するため、なるべく平らに作ります。

溶接部の余盛りの高さについては、JASS6に検査基準が定められています。

完全溶込み溶接突合せ継手の場合で、2mmでしたら、合格になります。

よって、設問の記述は正しいです。

選択肢4. 不合格溶接部の手溶接による補修作業は、径が4mmの溶接棒を用いて行った。

公共工事標準仕様書に、「補修用溶接棒の径は、手溶接の場合は、4mm以下とする」と記述があります。

よって、設問の記述は正しいです。

選択肢5. 溶接作業は、治具を使用して、できるだけ下向きの姿勢で行った。

JASS6にも、公共工事標準仕様書にも、溶接時の姿勢について「できるだけ、下向きで行う」と記述があります。

よって、設問の記述は正しいです。

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