二級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科1(建築計画) 問23
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問題
二級建築士試験 令和3年(2021年) 学科1(建築計画) 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 低圧屋内配線におけるケーブルラックには、一般に、絶縁電線を直接敷設してはならない。
- 無効電力を削減するためには、誘導電動機に進相コンデンサを並列に接続することによる力率改善が有効である。
- 電気配線の許容電流値は、周囲温度や電線離隔距離に影響されない。
- 光束法によって全般照明の照明計画を行う場合、設置直後の照度は、設計照度以上となる。
- 貸事務所などの場合、分電盤類が設置されているEPS(電気シャフト)の位置は、共用部に面することが望ましい。
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この過去問の解説 (2件)
01
1 〇
絶縁電線とは、導体を絶縁物で巻いたものです。ケーブルとは絶縁電線にさらに保護膜(シース)を巻いたもので、高圧配線にも使用することができます。ケーブルラックとは文字通りケーブル用のラックなので、絶縁電線は使用することはできません。
2 〇
日常的に使用している電気である交流電力は、無効電力、有効電力、皮相電力の三つに分かれています。実際に使う電気は有効電力、実際に使用はしないが電圧を安定させる為に必要な電気が無効電力、無効電力と有効電力を分け隔てなく見た時の元電力(発電所から来る電気)を皮相電力と言います。(皮相電力は、無効電力と有効電力を単純に合算したものではなく、有効と無効の各電力を二乗したものが、皮相電力の二乗と等しくなります)ただ無効電力が大きくなりすぎると、電圧が誤変動したり皮相電力が増加することで電気の利用効率(力率)が悪くなるなどの悪影響が発生するため、なるべく減らしてあげたい、そんなときに進相コンデンサといわれる機械を設置する事により、無効電力を減らして効率よく電気を利用することが出来ます。
進相コンデンサについては興味がある方だけもう少し詳しく調べて頂いて、建築士試験に関してはこの程度分かっていればいいと思います。
3 ×
電気配線に電気を通す場合、抵抗が全くなければいくら電気を通しても問題ありません。ただ少しでも抵抗があると、電流が上がれば上がるほど抵抗値も上昇し、異常発熱や火災の原因となる為、電流値の上限を決めています。それが許容電流値となります。周辺温度が高くなると許容値(実際に流せる電流量)が減少します。熱くなると電気が通りづらくなるのはイメージできるかと思います。
電線離隔距離は、高圧配線とその他の配線の離隔距離は15cm以上離すという規定がありますので、どちらも影響を受ける為間違いです。
4 〇
光束法とは、床面に降り注ぐ光束の量を計算し、その平均を数値として出す方法です。算出時に効率低下の保守率を考慮するので、器具設置後の照度は設計照度以上になります。
5 〇
EPS(電気配線のパイプスペース)は貸事務所や賃貸住宅などの場合、業者などの点検等のしやすさから共用部に設置する事が多くなっています。
よって問の答えは 3 となります。
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02
1.正しいです。
ケーブルは絶縁電線(裸電線+絶縁物)をさらに保護被膜(シース)で保護した電線であり、絶縁電線を直接使用することはできません。
ちなみに低圧用屋内配線に利用させる代表的なものは600Vビニル絶縁ビニルシースケーブルというものです。
2.正しいです。
無効電力とは、実際に仕事をしない電力のことであり、無効電力=電圧×電流×無効率で表されます。
無効電力を小さくするために進相コンデンサが利用されます。
3.間違いです。
電線に電流が流れるとき、条件によっては電線の抵抗により高い熱が発生して絶縁体が損傷することも起こり得ます。
火災の原因ともなりうるため、電線は太さ・絶縁体の種類・周囲温度・施設方法などで許容される限度を見定める必要があります。
4.正しいです。
光束法とは作業面に入射する全光束を作業面面積で割って作業面の照度を求める方法であり、算定式内で保守率(照明器具の経年使用により光束・効率の低下を見込む定数)を使用します。
よって、設置直後の照度は設計照度よりも大きくなります。
5.正しいです。
EPS(電気シャフト)はメンテナンスの観点から
共用部に設置することが好ましいです。
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