二級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科2(建築法規) 問17
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問題
二級建築士試験 令和3年(2021年) 学科2(建築法規) 問17 (訂正依頼・報告はこちら)
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、第一種低層住居専用地域の都市計画において定められた建築物の高さの最高限度は10mであり、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
- 6.25m
- 10.00m
- 11.25m
- 18.75m
- 21.25m
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この過去問の解説 (2件)
01
最高限度高さを求める場合は3つの制限を検討する必要があります。
1.道路高さ制限
2.隣地高さ制限
3.北側高さ制限
このうち2の隣地高さ制限では、住居系で20m、商業、工業系では31mの加算が最後に入ります。
つまり住宅系で隣地高さ制限に関しては、20m以下の高さ制限が入ることはないので、選択肢から、2が制限に掛かることはあり得ないということが分かります。
住宅の高さを求める問題が多い二級建築士試験では、このような問題が多く、基本的には1と3の検討で良いかと思います。
(隣地高さ制限の計算の仕方は確認しておくこと)
1.道路高さ制限について
道路は南側の1本のみなので、2つ以上の道路の場合の検討は省略します。
(令第132条)
A点からの水平距離 = 11m
道路幅 = 4m
建物の最小後退距離 = 2m
11 + 4 + 2 = 17m(適応距離といいます)
住居系なのでこの値に1.25を掛けたものが制限高さとなります
17×1.25 = 21.25m・・・①
3.北側高さ制限について
北側は隣地のため、隣地境界のラインからA点までの距離=1m に
中高層住居専用地域の計算式 1.25L + 10m に代入
(用途地域が2つ以上にまたがる場合は、それぞれの場所で高さ制限が適応されます。面積の大きい方ではないので注意)
1.25×1m + 10m = 11.25m・・・②
①と③を比べて ③の方が小さいため
正解は11.25mの 3 となります。
※北側高さ制限の計算の際に、低層住居専用地域の計算式 1.25L + 5mを採用してしまったり
問題文の高さの最高限度の10mに惑わされたりしないようにしてください。
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02
下記の各高さ制限について検討していきます。
■絶対高さ制限■
今回問題文より、第一種低層住居専用地域の最高限度が10mであることが明記されていますが、A地点においては第一種中高層住居専用地域の条件が適応されるため、絶対高さは検討しません。
■道路斜線制限■
前面道路の反対側の境界線から引いた、一定の勾配(第一種中高層住居専用地域、第一種低層住居専用地域ともに1.25)の斜線が高さの限度となります。
また上記に加えて、境界線から建物がセットバックしている場合、その後退距離を道路の反対側の境界線から向こう側にとり、その境界線を斜線の起点とすることができます。(令130条の12における緩和)
これより、斜線の起点~A点までの距離:
(A点~敷地境界線)+(道路幅員)+(建物のセットバック距離)
=(2+5+2+2)m+4m+2m=17m
A点での道路斜線のの高さの限度:
17m×1.25=21.25m
■隣地斜線制限■
A点にかかる一番厳しい隣地斜線制限は北側となります。
計算式は「20m+勾配1.25斜線」となりますが、北側斜線の計算式のほうが不利側となるため今回は計算しなくてもいいかと思います。
■北側斜線制限■
第一種中高層住居専用地域は北側斜線の適用の用途地域となります。
境界線からのセットバックの緩和が北側斜線では適用されませんので注意しましょう。
計算式は「10m+勾配1.25斜線」(北側の境界線~建物の距離に1.25を乗じてその数値に10mを足す)です。
(A点~敷地境界線)×1.25+10m
=1m×1.25+10m=11.25m
これらの各高さ制限の限度高さを比較すると、北側斜線制限の11.25mが一番低い高さとなり、正解は3となります。
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