二級建築士 過去問
令和5年(2023年)
問3 (学科1(建築計画) 問3)

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問題

二級建築士試験 令和5年(2023年) 問3(学科1(建築計画) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

建築環境工学に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 人工光源の演色性を表す演色評価数は、その数値が小さくなるほど、色の見え方に関する光源の特性が自然光に近くなる。
  • 熱放射によって、ある物体から他の物体へ伝達される熱の移動現象は、真空中においても生じる。
  • 照度の均斉度は、室内の照度分布の均一さを評価する指標であり、その数値が1に近いほど均一であることを示している。
  • 昼光率は、全天空照度に対する、室内におけるある点の昼光による照度の比率である。
  • 音における聴感上の三つの要素は、音の大きさ、音の高さ、音色である。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、建築環境工学に関連する基本的な概念や用語の理解を問う問題です。

特に、照明、熱、音に関する基本的な原理がテーマになっています。

照明工学における演色性や均斉度の理解、熱伝達に関する放射の特性、昼光率や音の物理的・聴覚的要素についての基礎知識が必要です。

選択肢1. 人工光源の演色性を表す演色評価数は、その数値が小さくなるほど、色の見え方に関する光源の特性が自然光に近くなる。

この選択肢は不適当です。
演色評価数(Ra)は、色の見え方がどれだけ自然光に近いかを表す指標であり、数値が大きいほど自然光に近い光源を示します。

数値が小さいほど、光源が色の忠実な再現に劣ることを意味します。

したがって、数値が小さくなるほど自然光に近くなるという記述は誤りです。

 

選択肢2. 熱放射によって、ある物体から他の物体へ伝達される熱の移動現象は、真空中においても生じる。

この選択肢は適当です。

熱放射は、物体が赤外線などの電磁波を放射して熱を移動させる現象です。

伝導や対流とは異なり、真空中でも媒質が不要で発生します。

選択肢3. 照度の均斉度は、室内の照度分布の均一さを評価する指標であり、その数値が1に近いほど均一であることを示している。

この選択肢は適当です。

照度の均斉度は、照度がどれだけ均一に分布しているかを示す指標です。

数値が1に近いほど、光が均等に行き渡っていることを意味します。

この均斉度の評価は、照明設計で非常に重要な指標です。

選択肢4. 昼光率は、全天空照度に対する、室内におけるある点の昼光による照度の比率である。

この選択肢は適当です。

昼光率は、外部の全天空照度に対して、室内の特定の位置での照度の割合を示す指標です。

昼光を利用した照明設計の評価に使用され、自然光の利用効率を測るための重要な指標です。

選択肢5. 音における聴感上の三つの要素は、音の大きさ、音の高さ、音色である。

この選択肢は適当です。

音の聴感における要素は、音の大きさ(強さ)、音の高さ(周波数)、音色(波形)です。

これらの要素は、人間が音を区別するための基本的な感覚要素であり、音響設計においても重要な知識です。

まとめ

この問題では、演色評価数に関する選択肢が不適当でした。

建築環境工学では、照明、熱、音に関する基本的な知識を持つことが求められます。

特に、数値の意味や指標の正確な理解が重要となります。

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02

最も不適当な選択肢は、「人工光源の演色性を表す演色評価数は、その数値が小さくなるほど、色の見え方に関する光源の特性が自然光に近くなる。」です。

各選択肢の解説は以下の通りです。

選択肢1. 人工光源の演色性を表す演色評価数は、その数値が小さくなるほど、色の見え方に関する光源の特性が自然光に近くなる。

誤った選択肢です。

演色評価数は、人工光源による色の見え方の良し悪しを表す指標であり、100が最良の値です。

そのため、数値が大きいほど、自然光に近いということになります。

選択肢2. 熱放射によって、ある物体から他の物体へ伝達される熱の移動現象は、真空中においても生じる。

正しい選択肢です。

熱放射は、高温物体から低温物体へ熱が電磁波で空間を飛び熱が移動するため、真空中においても熱が伝わります

選択肢3. 照度の均斉度は、室内の照度分布の均一さを評価する指標であり、その数値が1に近いほど均一であることを示している。

正しい選択肢です。

均斉度とは、室内の照度分布の均一さを示すもので、室内の最高照度と最低照度の比で表されます。

均斉度室内の最低照度/室内の最高照度

また、均斉度の値が1に近いほど、最高照度と最低照度の差が小さく照度分布が均一になります。

選択肢4. 昼光率は、全天空照度に対する、室内におけるある点の昼光による照度の比率である。

正しい選択肢です。

昼光率は、全天空照度に対する、室内のある点の昼光による照度の比率であるため、天候や時間に影響されず一定となります。

選択肢5. 音における聴感上の三つの要素は、音の大きさ、音の高さ、音色である。

正しい選択肢です。

音の中でも「大きさ」「高さ」「音色」は聴覚の基本的な性質で、「音の三要素」と呼ばれています。

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