第二種電気工事士の過去問 令和3年度下期 午後 一般問題 問22
この過去問の解説 (3件)
1:○
2:○
3:×
4:○
誤っている選択肢は3です。
水気のある場所に機器を設置した場合、D種接地工事を施す必要があり、省略することはできません。
その他は全て適切な工事方法です。
この問題は出題科目「電気工事の施工方法」からの出題です。
この問題では下記の知識を求められています。
<必要知識>
◯D種設置工事の施工条件を暗記している。
漏電や火災などが発生した場合、電流が人体でなく大地に流れるように電気設備と大地を接地します。
接地方法は4種類あり、取り扱う電圧の大きさごとにA種、B種、C種、D種と種類が分けられます。
それぞれの種類ごとにその接地方法が法律で決められています。
主に一般住宅などで取り扱われる電圧300V以下の電気機器はD種接地を行います。
D種接地の条件は下記になります。
・使用電圧は300V以下である。
・接地抵抗は100Ω以下にする。
・0.5秒以内に自動で電路を遮断できる装置があるなら接地抵抗は500Ω以下で良い。
・接地に使用する接地線の太さは直径1.6mm以上の軟銅線を使用する。
・多心コードや多心ケーブル1心の場合、断面積は0.75mm2以上にする。
・水気のある場所では接地工事を省略することはできない。
それでは上記の必要知識を使って問題を解いていきます。
多心キャブタイヤケーブルの断面積0.75mm2の1心を使用しているため適切です。
0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を設しているため接地抵抗は500Ω以下になり適切です。
水気のある場所で接地工事は省略できないため不適切です。
直径1.6mmの軟銅線の接地線を使用しているため適切です。
本問題は、D種接地に関しての問題です。
使用電圧が300 V以下の電路の接地は、D種接地と規定されています。
接地抵抗値は、「電技解釈」第17条の4項目で、次のように規定されています。
➀ 接地抵抗値は、100Ω以下とします。
② 電路が0.5秒以内に自動的に遮断できれば、接地抵抗値は、500Ω以下とします。
③ 接地線は、軟鋼線であれば、1.6 mm以上とします。
④ 移動式の電気機械の接地線では、次の2つのケースとします。
④-1 多芯キャブタイやケーブルの、断面積が0.75 mm2以上の、1芯を使用する場合。
④-2 可とう性のある軟鋼より線のうち、1.25 mm2以上を使用する場合。
D種接地工事の省略はいろいろなケースで規定されています。数が多いため、選択肢での解説とします。
○
適切です。解説の④どおりです。
○
適切です。
解説の②では、500 Ω以下ですので、300 Ωは規定値どおりです。
×
不適切です。規定では、定格感度電流15mA、動作時間0.1秒の電流動作型漏電遮断器を設置すれば、D種接地は省略できますが、定格感度電流30mAですので、省略できません。さらには、漏電遮断器の設置条件には、水気のある場所以外に設置した場合と規定されていますが、水気のある場所に設置しているため、接地の省略はできません。
○
適切です。
接地線としての直径1.6mm軟銅線は、解説③の規定値1.6mm以上になり、規定通りです。
選択肢3の法規定は、「電技解釈」第29条に規定されている接地工事の省略の項目の1つです。
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