本問は、D種接地工事を省略できないケースの選定の問題です。
D種接地工事の省略については、多くのケースがあり、規定されています。ここでは、金属管工事と、施設場所に関してのD種接地工事について解説します。
金属管工事では、D種接地工事の省略について、次の規定があります。
➀ 使用電圧が300V以下の管には、D種接地工事が必要です。
② 長さ4m以下の管を乾燥した場所で施設する場合は、省略できます。
③ 使用電圧が交流対地電圧150V以下の場合、管の長さが8m以下のものに簡易接触防護措置（金属製で管と電気的に接続しない）を施すか、又は、乾燥した場所に施設する場合は、省略できます。
施設場所に関しては、D種接地工事の省略について、次の規定があります。
④ 交流の対地電圧が150V以下の機械器具を、乾燥した場所に施設する場合は、省略できます。
⑤ 低圧用機械器具を、乾燥した木製の床その他でこれに類する絶縁性のものの上で取り扱うように施設する場合は、省略できます。
⑥ 水気のない場所に施設する低圧用機械器具の電路に漏電遮断器（定格感度電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下の電流動作型のもの）を施設する場合は、省略できます。
⑦ 2重絶縁の構造の機械器具を施設する場合は、省略できます。
⑧ 金属製外箱等の周囲に適当な絶縁台を設ける場合は、省略できます。
選択肢1. 乾燥した場所に施設する三相200V（対地電圧200V）動力配線の電線を収めた長さ3mの金属管。
○
②から管の長さ4m以下の乾燥した場所での工事のため、省略できます。
選択肢2. 乾燥した場所に施設する単相3線式100／200V（対地電圧100V）配線の電線を収めた長さ6mの金属管。
○
③から対地電圧が150V以下で、菅の長さが6mと8m以下の乾燥した場所での工事のため、省略できます。
選択肢3. 乾燥した木製の床の上で取り扱うように施設する三相200V（対地電圧200V）空気圧縮機の金属製外箱部分。
○
⑤から乾燥した木製の床の上で取り扱う低圧機器であることから、省略できます。
選択肢4. 乾燥した場所のコンクリートの床に施設する三相200V（対地電圧200V）誘導電動機の鉄台。
×
⑤からコンクリートは水の吸湿性があり、乾燥した木材その他に該当しないため、省略できません。
まとめ
D種接地工事の省略は、「電気技術解釈」第159条で管工事について、第29条では電気機器の設置場所について規定があります。
解説した8項目よりさらに数項目のD種接地工事省略が規定されています。
なお、第159条では屋内の管工事について規定されていますが、166条で屋内屋外の金属管工事が159条の項目に準拠することが規定されているため、問題の管工事が屋内でも屋外でもD種接地工事省略が可能です。
