クレーン・デリック運転士 過去問
令和7年（2025年）4月
問30 (原動機及び電気に関する知識 問10)

感電による危険を電流と時間の積によって評価する場合、一般に、500ミリアンペアではなく、50ミリアンペア秒が安全限界とされています。

電気火傷は皮膚深部に及ぶ事も十分あり得ます。

正しい記述です。

接地とは、電気装置の導電性のフレームやケースなどを導線で大地につなぐことを指します。

天井クレーンは、鋼製の走行車輪を経て走行レールに接触しているため、走行レールが接地されている場合であっても、身体が接触すると感電の可能性があります。

接地線には、できるだけ電気抵抗の大きな電線ではなく、小さな電線を使った方が安全となります。

不適切です。
感電危険度を電流と時間の積で評価する考え方はありますが、安全限界として一般に用いられる値はこれより小さく、500ミリアンペア秒を安全とみなすのは不適当です。

不適切です。
人体は皮膚の方が内部より電気抵抗が大きいのが一般的で、電流が流れると深部組織にも熱傷や障害が及び得ます。「内部の方が抵抗が大きい」「深部に影響しない」という記述はいずれも誤りです。

適切です。
接地はいわゆるアースのことで電気装置の導電性外箱やフレームなどを導線で大地に接続し、漏電時に電位を大地に逃がして感電や火災の危険を低減することをいいます。

不適切です。
天井クレーンがレールを介して接地されていても、走行トロリ線の充電部に身体が接触すれば人体と大地間に電流が流れ、感電の危険があります。接地は安全を高めますが、活線接触を無害化するものではありません。

不適切です。
接地線はできるだけ電気抵抗の小さい太い導体を用いて低インピーダンスを確保するのが原則です。抵抗の大きな電線は保護機能を損ない危険です。