クレーン・デリック運転士 過去問
令和7年(2025年)4月
問38 (クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 問8)

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問題

クレーン・デリック運転士試験 令和7年(2025年)4月 問38(クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

下記に掲げるAからDまでの図のとおり、同一形状で質量が異なる四つの荷を、それぞれ同じ長さの2本の玉掛け用ワイヤロープ(以下、本問において「ワイヤロープ」という。)を用いて、それぞれ異なるつり角度でつり上げるとき、これらの荷を、1本のワイヤロープにかかる張力の値が小さい順に並べたものは次のうちどれか。
ただし、いずれも荷の左右のつり合いは取れており、左右のワイヤロープの張力は同じとし、ワイヤロープの質量は考えないものとする。

張力
小  →  大
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  • A  B  C  D
  • A  D  B  C
  • B  A  D  C
  • C  B  A  D
  • D  A  B  C

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この過去問の解説 (2件)

01

張力に関する問題です。張力の公式を覚える意外に、それぞれの張力係数も暗記しておく必要があるので、それぞれしっかり頭に入れておきましょう。

選択肢4. C  B  A  D

張力の公式は質量÷本数×加速度×張力係数で求めます。

それぞれの張力は30°が1.04、60°が1.16、90°が1.41、120°が2となります。

順番に代入すると

A=0.9÷2×9.8×1.04=約4.6kN

B=0.75÷2×9.8×1.16=約4.3kN

C=0.6÷2×9.8×1.41=約4.1kN

D=0.5÷2×9.8×2=4.9kN

このようになり、小さい順で並べるとこの選択肢の組み合わせが適切となります。

まとめ

張力係数の暗記は大変ですが、しっかり覚えておくと貴重な得点源になるので、忘れないようにしましょう。

参考になった数1

02

「張力係数k」で比較します。同じ長さの2本つりで左右対称なら、1本当たりの張力は
張力=つり荷の質量÷つり本数×9.8×k
です。比べたいのは張力の大小だけなので、実質は「質量×k」の大小比で決まります。2本つりの代表的な張力係数は次のとおりです。
 30°→k=1.04
 60°→k=1.15
 90°→k=1.41
120°→k=2.00

 

選択肢1. A  B  C  D

A→B→C→Dの順は不適切です。
質量×kを出すと、Aは900×1.04=936、Bは750×1.15=863、Cは600×1.41=846、Dは500×2.00=1000となり、小さい順はC→B→A→Dです。

選択肢2. A  D  B  C

A→D→B→Cの順は不適切です。
正しい小さい順はC→B→A→Dです。

 

選択肢3. B  A  D  C

B→A→D→Cの順は不適切です。
正しい小さい順はC→B→A→Dです。

 

選択肢4. C  B  A  D

適切です。
小さい順がC→B→A→Dで一致します。角度が開くほどkが大きくなり、同じ荷でも張力が増える点に注意します。

選択肢5. D  A  B  C

D→A→B→Cの順は不適切です。
正しい小さい順はC→B→A→Dです。

 

まとめ

小さい順はC→B→A→Dです。
2本つりでは「質量×k(張力係数)」で比較できます。
目安のkは 30°=1.04倍、60°=1.15倍、90°=1.41倍、120°=2.00倍。
120°は張力が倍になるため、角度管理が最重要です。
補足として、張力の式は張力=つり荷の質量÷つり本数×9.8×k(2本つりなら÷2)を使います。
張力係数を暗記するのは大変ですが試験でも実務でも使える実践的な知識になりますので、しっかりと覚えましょう。

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