建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第50回(令和2年度(2020年))
問152 (清掃 問152)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第50回(令和2年度(2020年)) 問152(清掃 問152) (訂正依頼・報告はこちら)

床材の特徴と維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 木質系床材は、水分に弱い。
  • 塩化ビニル系床材は、耐薬品性や耐水性に富む。
  • 床維持剤を塗布することで、ほこり除去の作業頻度を減らすことができる。
  • セラミックタイルは、耐酸性、耐アルカリ性がある。
  • コンクリートは、耐酸性に乏しい。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当な記述は、床維持剤を塗布することで、ほこり除去の作業頻度を減らすことができる。 です。

床材ごとの特性と、日常清掃・保守の考え方を照らし合わせると、ほとんどの選択肢は教科書的な説明と一致します。しかし床維持剤(ワックスやポリマー仕上げ剤)の役割を正しく理解すると、「ほこり除去を減らせる」という表現は適切ではありません。塗膜を守るためにはかえってこまめなドライメンテナンスが必要になるため、この記述が不適当です。

選択肢1. 木質系床材は、水分に弱い。

木は湿気を吸うと膨張し、乾燥すると収縮します。濡れたまま放置すると変形や腐朽を招くので、こまめな乾拭きや湿度管理が欠かせません。

選択肢2. 塩化ビニル系床材は、耐薬品性や耐水性に富む。

塩ビは水・アルコール・弱酸などに比較的強く、病院や厨房でも使われます。シーム(継ぎ目)を適切に処理すれば、洗剤洗浄にも耐えます。

選択肢3. 床維持剤を塗布することで、ほこり除去の作業頻度を減らすことができる。

不適当。仕上げ剤は床材を保護し光沢を与えますが、表面の静電気や微細な傷により ほこりを引き寄せやすくなります。傷付きを防ぐためにも、ドライモップやダストクロスによる日常清掃はむしろ増やす必要があります。

選択肢4. セラミックタイルは、耐酸性、耐アルカリ性がある。

焼成温度が高く緻密なため、家庭用酸洗浄剤や弱アルカリではほとんど劣化しません。強酸(フッ化水素など)を除けば耐薬品性に優れます。

選択肢5. コンクリートは、耐酸性に乏しい。

コンクリートはアルカリ性で、酸に触れると表面のカルシウム化合物が溶け出し中性化が進みます。酸洗浄や酸性雨で劣化しやすいので、表面被覆や防食処理が行われます。

まとめ

床維持剤は見映え向上と保護が主目的で、塗布後は傷防止のために 日常のほこり取りを強化 するのが基本です。

木質は水、コンクリートは酸に注意。塩ビとタイルは水・薬品に比較的強いが、表面の汚れ残りや目地劣化を避けるため適切な洗剤選定が必要です。

床材の性質を把握し、素材に合わせた清掃頻度と方法を計画すると、長く美観と安全性を保てます。

参考になった数5