建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問115 (給水及び排水の管理 問116)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問115(給水及び排水の管理 問116) (訂正依頼・報告はこちら)

給水設備の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 防錆剤を使用している場合は、3カ月以内ごとに1回、防錆剤の濃度の検査を行う。
  • 受水槽と高置水槽の清掃は、原則として同じ日に行い、受水槽清掃後に高置水槽の清掃を行う。
  • 飲料用貯水槽の清掃業務に従事する者は、6カ月に1回程度、健康診断を受ける。
  • 飲料用貯水槽の点検は、定期に実施し、必要に応じて補修などを行う。
  • 受水槽の水位制御の作動点検は、槽内のボールタップを手動で操作して行う。

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この過去問の解説 (1件)

01

不適当なのは「防錆剤を使用している場合は、3カ月以内ごとに1回、防錆剤の濃度の検査を行う。」です。
給水設備(飲料用)の維持管理では、受水槽・高置水槽に薬剤を添加して防錆管理を行うこと自体が想定外です。薬剤添加は水道事業者の浄水工程の管理事項であり、建物側の貯水槽で防錆剤を常用する前提が不適切です。したがって、検査頻度の話以前に成り立ちません。

選択肢1. 防錆剤を使用している場合は、3カ月以内ごとに1回、防錆剤の濃度の検査を行う。

不適当です。飲料水の貯水槽での防錆剤添加は基本的に行いません。給水設備の防錆は、材質選定・内面ライニング・防食継手など設備側の対策で行います。よって「使用を前提にした濃度検査」という管理項目は不適切です。

選択肢2. 受水槽と高置水槽の清掃は、原則として同じ日に行い、受水槽清掃後に高置水槽の清掃を行う。

適切です。受水槽→高置水槽の順で同日に行うと、きれいになった受水槽の水で高置水槽を復水・試運転でき、再汚染のリスクを下げられます

選択肢3. 飲料用貯水槽の清掃業務に従事する者は、6カ月に1回程度、健康診断を受ける。

適切です。飲料水に関わる作業者の衛生管理として、おおむね半年ごとの健診・検便等の実施が求められます。

選択肢4. 飲料用貯水槽の点検は、定期に実施し、必要に応じて補修などを行う。

適切です。定期点検で異常の早期発見適切な補修を行い、水質の確保事故の未然防止につなげます。

選択肢5. 受水槽の水位制御の作動点検は、槽内のボールタップを手動で操作して行う。

適切です。フロート(ボールタップ)を手で上下させて補給停止・補給開始の作動点を確認します。電極式・フロートスイッチ式でも手動操作で動作確認を行います。

まとめ

給水設備の維持管理では、薬剤添加に頼らず設備仕様で衛生・防食を確保し、定期点検・清掃の手順と順番(受水槽→高置水槽)、作業者の衛生管理水位制御の確実な作動確認が基本です。今回のポイントは、飲料用貯水槽での防錆剤使用という前提が不適切であることでした。

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