建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問121 (給水及び排水の管理 問122)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問121(給水及び排水の管理 問122) (訂正依頼・報告はこちら)

給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 貫流ボイラは、煙道を備えている。
  • 貯蔵式湯沸器は、減圧弁を備えている。
  • 真空式温水発生機は、減圧蒸気室を備えている。
  • 太陽熱利用温水器には、集熱器と貯湯槽が一体で構成されているものがある。
  • 潜熱回収型給湯器は、排気ガスの潜熱を回収し、給水の予熱として利用する。

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この過去問の解説 (1件)

01

不適当なのは「貯蔵式湯沸器は、減圧弁を備えている。」です。
貯蔵式には減圧式と加圧式(密閉式)があり、すべてが減圧弁を備えるわけではありません。減圧弁が必須なのは減圧式で、加圧式では安全弁や逆止弁などの構成が中心で、減圧弁を必ずしも備えません。

選択肢1. 貫流ボイラは、煙道を備えている。

適切です。
貫流ボイラは燃焼して排ガスを出すため、**排ガスを屋外に導く煙道(排気筒)**が必要です。なお、ドラム(汽水胴)を持たないのが貫流ボイラの特徴です。

選択肢2. 貯蔵式湯沸器は、減圧弁を備えている。

不適切です。
貯蔵式には減圧式加圧式があります。減圧式では減圧弁が必須ですが、加圧式では減圧弁が前提ではありません。したがって、「貯蔵式なら必ず減圧弁を備える」という表現は言い過ぎです。
正しい言い方の例減圧式の貯蔵式湯沸器は減圧弁を備える。

選択肢3. 真空式温水発生機は、減圧蒸気室を備えている。

適切です。
真空式は内部が減圧(真空に近い状態)になっており、低い温度で水が沸騰して蒸気が発生・凝縮する仕組みです。名称の細部は機種で異なりますが、減圧下で蒸気がやり取りされる室(空間)を備えるという理解で問題ありません。

選択肢4. 太陽熱利用温水器には、集熱器と貯湯槽が一体で構成されているものがある。

適切です。
太陽熱温水器には、集熱器とタンクが一体の一体型と、分離して配管でつなぐ分離型の両方があります。一体型は屋根上に載せる家庭用で広く使われます。

選択肢5. 潜熱回収型給湯器は、排気ガスの潜熱を回収し、給水の予熱として利用する。

適切です。
いわゆるコンデンシング方式で、排気中の水蒸気を凝縮させて潜熱を回収し、給水を予熱して効率を高めます。

まとめ

この問題のポイントは、装置の方式ごとの必須部品の違いです。
貯蔵式=必ず減圧弁ではなく、減圧式は減圧弁が必要、加圧式は必須ではないと整理してください。
あわせて、貫流ボイラは煙道が必要真空式は減圧下で蒸発・凝縮太陽熱温水器は一体型もある潜熱回収型は排気の潜熱を予熱に利用という基本を押さえると、似た問題にも対応しやすくなります。

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