建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問165 (ねずみ、昆虫等の防除 問166)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問165(ねずみ、昆虫等の防除 問166) (訂正依頼・報告はこちら)

蚊の防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 昆虫成長制御剤(IGR)は、幼虫、蛹(さなぎ)、成虫の全てのステージにおいて効果が認められる。
  • ULV処理は、短期間の効果しか期待できない。
  • 浄化槽内の防除効果は、柄杓(ひしゃく)によりすくい取られた幼虫数によって判定する。
  • 浄化槽内の防除効果は、粘着トラップによる成虫の捕獲数によって判定する。
  • 樹脂蒸散剤は、密閉性が保たれている浄化槽などで効果を発揮する。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なのは「昆虫成長制御剤(IGR)は、幼虫、蛹、成虫の全てのステージにおいて効果が認められる。」です。
IGRは成長や脱皮を妨げる薬剤で、主に幼虫(場合により蛹)に作用します。成虫を直接すばやく殺す薬ではありません

選択肢1. 昆虫成長制御剤(IGR)は、幼虫、蛹(さなぎ)、成虫の全てのステージにおいて効果が認められる。

不適切です。 IGRは幼虫期の発育阻害が中心の薬剤です。種類によっては蛹化・羽化の失敗を起こさせますが、成虫の即効的な駆除効果は期待できません

選択肢2. ULV処理は、短期間の効果しか期待できない。

適切です。 ULV(極低容量)処理は成虫を空間で叩く方法で、その場の成虫密度を一時的に下げるのが目的です。残効性は乏しく、幼虫対策とは役割が異なります。

選択肢3. 浄化槽内の防除効果は、柄杓(ひしゃく)によりすくい取られた幼虫数によって判定する。

適切です。 ディッピング(すくい取り)で幼虫密度の変化を見れば、浄化槽内での幼虫対策の効果を直接確認できます。

選択肢4. 浄化槽内の防除効果は、粘着トラップによる成虫の捕獲数によって判定する。

適切です。 成虫トラップの捕獲数は、飛来成虫の動向や発生源対策の波及効果を把握する指標になります。幼虫調査の補助指標として活用できます。

選択肢5. 樹脂蒸散剤は、密閉性が保たれている浄化槽などで効果を発揮する。

適切です. 樹脂にしみ込ませた蒸散性の薬剤は、密閉性の高い空間薬剤濃度を維持しやすく成虫や発生抑制に有効です。

まとめ

蚊の防除は目的に合った手段の使い分けが大切です。

幼虫対策=IGRや水域管理(発生源対策)

成虫対策=ULVなど空間処理(効果は短期)

効果判定=幼虫はディッピング、成虫はトラップ両面から確認します。
この整理から、IGRが全ステージに同等に効くとする記述が最も不適当だと分かります。

参考になった数1