建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問168 (ねずみ、昆虫等の防除 問169)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問168(ねずみ、昆虫等の防除 問169) (訂正依頼・報告はこちら)

ゴキブリの防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 薬剤は、生息場所を中心に、ある程度広範囲に処理することが望ましい。
  • 防除作業後には、効果判定調査を行うことが重要である。
  • 毒餌処理に用いられる薬剤には、ディートやイカリジンを有効成分とした製剤がある。
  • よく徘徊する通路などに、残効性の高い有機リン剤やピレスロイド剤を処理する。
  • ペルメトリンを有効成分とする水性乳剤をULV機で散布すると、追い出し効果が期待できる。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なのは「毒餌処理に用いられる薬剤には、ディートやイカリジンを有効成分とした製剤がある。」です。
ディートやイカリジンは蚊などに効く忌避剤で、ゴキブリ用の毒餌の有効成分ではありません。毒餌にはフィプロニル、インドキサカルブ、クロチアニジンなどの殺虫成分を使います。

選択肢1. 薬剤は、生息場所を中心に、ある程度広範囲に処理することが望ましい。

適切です。 基本は潜伏場所(すき間・機器裏)と徘徊路への処理です。無差別な全面散布は避けますが、周辺の徘徊路まで面で押さえる考え方は有効です。

選択肢2. 防除作業後には、効果判定調査を行うことが重要である。

適切です。 トラップ設置、目視、ローチスポットの変化などで密度低下を確認→次の是正につなげます。

選択肢3. 毒餌処理に用いられる薬剤には、ディートやイカリジンを有効成分とした製剤がある。

不適切です。 ディート、イカリジン=忌避剤で、毒餌の有効成分ではありません。毒餌は摂食して効く殺虫成分(例:フィプロニル、インドキサカルブ、クロチアニジン、ヒドラメチルノン)を用います。

選択肢4. よく徘徊する通路などに、残効性の高い有機リン剤やピレスロイド剤を処理する。

概ね適切です。 現場では主に残効性ピレスロイドを用いて徘徊路をバリア化します(有機リンは適用・使用可否に注意)。標的と動線を押さえるのがポイントです。

選択肢5. ペルメトリンを有効成分とする水性乳剤をULV機で散布すると、追い出し効果が期待できる。

適切です。 ULV(極低容量)で微粒子を空間に散布すると、フラッシング(追い出し)や即効的なノックダウンが得られます。残効は短いため他の手法と組み合わせます。

まとめ

毒餌=殺虫成分、忌避剤=寄せつけない成分という役割の違いが重要です。

毒餌はフィプロニル等の摂食型殺虫成分を使用します。

忌避剤(ディート・イカリジン)は毒餌成分ではないので混同しないこと。

現場では潜伏場所・徘徊路の特定→残効処理やULV→効果判定→是正の流れで精度を高めます。

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