二級ボイラー技士の過去問 平成27年10月公表 ボイラーの取扱いに関する知識 問20

1.正解です。
軟化装置は給水を強酸性陽イオン交換樹脂を充てんしてNa塔に通過させて、給水中の硬度成分を取り除くものです。硬度成分には、カルシウムイオンとマグネシウムイオンがあります。

2.正解です。
1.の解説で記載しましたが、軟化装置は給水中の硬度成分である、カルシウム及びマグネシウムを除去することができます。

3.正解です。
記載の通り、軟化装置による処理水の残留硬度は、貫流点を超えると著しく増加します。

4.誤っています。
軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂の交換能力が低下した場合は、一般に食塩水で再生を行います。
食塩水は化学式ではNaClと表します。見ての通り、Naが含まれております。逆に塩酸はHClで表され、Naが含まれておりません。したがって、塩酸は間違っています。

5.正解です。
軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂は年1回程度鉄分による汚染などを調査し、樹脂の洗浄及び補充を行います。

正答は「４」です。

設問は、単純軟化法によるボイラ補給水の軟化装置について問われています。

以下に、選択肢ごとに説明します。

　１． 軟化装置は、給水を強酸性陽イオン交換樹脂を充てんした塔に通過させて、給水中の硬度成分のうちカルシウムイオン及びマグネシウムイオンをナトリウムイオンと交換し、除去するものです。

　２．１．の説明のとおり、軟化装置は、給水中の硬度成分のうち、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンを除去することができます。

　３．軟化装置による処理水中の残留硬度は、貫流点を超えると著しく増加してきます。
　　　これを「破過」と言います。

　４．軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂の交換能力が低下した場合、一般に食塩水で再生を行います。
　　　強酸性陽イオン交換樹脂中に含まれていたナトリウムイオンが不足するとイオン交換能力が低下するため、食塩水でナトリウムイオンを補充します。　（塩酸ではありません）

　５．軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂は、1年に1回程度鉄分による汚染などを調査し、樹脂の洗浄及び補充を行います。
　　　配管中に含まれる鉄分などが樹脂中で析出したり、交換能を低下させることになります。
　　　また、樹脂も摩擦で小さくなると塔の外へ運ばれるため、目減りします。
　　　そういうことが起こっているかどうかを確認するため、点検します。

　以上の説明により、選択肢４が誤っていることがわかります。

正答は「４」です。
　　　

正解は　4　です。

軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂の交換能力が低下した場合は、一般に食塩水で再生を行います。

1　給水を強酸性陽イオン交換樹脂を充てんしたNa塔に通過させると硬度成分が樹脂に吸着し、Naを供給します。

2　カルシウムやマグネシウムはスケールの原因になるため、軟化装置で除去する必要があります。

3　軟化装置による処理水の残留硬度は、貫流点を超えると著しく増加してくるため、強酸性陽イオン交換樹脂の交換能力が低下したら再生を行う必要があります。

5　強酸性陽イオン交換樹脂は再生によって永久に使用できるわけではないため必要があれば交換する必要があります。