二級ボイラー技士の過去問
平成30年10月公表
燃料及び燃焼に関する知識 問26

正答は「５」です。

設問は、重油燃焼によるボイラ及び附属設備の低温腐食の抑制措置について問われています。

低温腐食とは、燃焼ガス温度が露点（気体中の水蒸気が水滴に変化する温度）以下になることにより、燃焼ガス中に含まれる硫黄酸化物が水滴と反応して、亜硫酸または硫酸などの酸となって、ボイラ本体を腐食させる現象をいいます。

以下に、選択肢ごとに説明します。

　１．硫黄分の少ない重油を選択すると、硫黄酸化物の生成量を少なくできるため、低温腐食を抑制できます。

　２．燃焼室及び煙道への空気漏入を防止し、煙道ガスの温度の低下を防ぐことによって、燃焼ガス温度の低下を防ぐことになり、低温腐食を抑制できます。

　３．給水温度を上昇させて、エコノマイザの伝熱面の温度を高く保つことによって、燃焼ガス温度の低下を防ぐことになり、低温腐食を抑制できます。

　４．蒸気式空気予熱器を用いて、ガス式空気予熱器の伝熱面の温度が低くなり過ぎないようにすることによって、燃焼ガス温度の低下を防ぐことになり、低温腐食を抑制できます。

　５．重油に添加剤を加え、燃焼ガスの露点を下げげることによって、酸の生成を防ぐことになり、低温腐食を抑制できます。
　　　露点を上げると、燃焼ガス温度が下がったときに水滴ができやすくなるため、「露点を下げる」が正しい文言になります。

以上の説明により、選択肢５が正しいことがわかります。

正答は「５」です。

1.正解です。
記載の通り、硫黄分の少ない重油を選択します。

2.正解です。
燃焼室及び煙道への空気漏入を防止し、煙道ガスの温度の低下を防ぎます。

3.正解です。
給水温度を上昇させて、エコノマイザの伝熱面の温度を高く保つようにします。

4.正解です。
記載の通りです。

5.誤っています。
重油に添加剤を加え、燃焼ガスの露点を下げます。

「重油に添加剤を使用し、燃焼ガスの露点を下げる」が正解です。

そのほかの選択肢は正しいので覚えておきましょう。