二級ボイラー技士の過去問
令和元年10月公表
ボイラーの取扱いに関する知識 問19
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問題
二級ボイラー技士試験 令和元年10月公表 ボイラーの取扱いに関する知識 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
単純軟化法によるボイラー補給水の軟化装置について、誤っているものは次のうちどれか。
- 軟化装置は、強酸性陽イオン交換樹脂を充塡した Na塔に水を通過させるものである。
- 軟化装置は、水中のカルシウムやマグネシウムを除去することができる。
- 軟化装置による処理水の残留硬度は、貫流点を超えると著しく減少する。
- 軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂の交換能力が低下した場合は、一般に食塩水で再生を行う。
- 軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂は、1年に1回程度、鉄分による汚染などを調査し、樹脂の洗浄及び補充を行う。
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この過去問の解説 (3件)
01
Na+で硬度成分であるカルシウムイオン、マグネシウムイオンを吸着させます。
2.正しいです。
カルシウムイオン、マグネシウムイオンは硬度成分になります。
3.誤っています。
貫流点を超えると残留硬度は著しく増加します。
4.正しいです。
記載の通り、食塩水を使い、食塩水に含まれるNa+を補填します。
5.正しいです。
また、交換能力が低下した場合は必ず再生を行いましょう。
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02
設問は、単純軟化法によるボイラ補給水の軟化装置の特徴について問われています。
以前、ボイラ補給水にはイオン交換水が使用されていましたが、現在では強酸性陽イオン交換樹脂を用いた軟化装置が主流です。
強酸性陽イオン交換樹脂にはナトリウムイオンが含まれており、給水中に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンとイオン交換することによって、ボイラ水への硬度成分流入を防止します。
イオン交換樹脂のイオン交換容量は決まっており、実質イオン交換容量を超えると、途端にボイラ給水への硬度成分流入が増加します。
この実質イオン交換容量のことを貫流点といいます。
イオン交換容量が低下してきた場合には、軟化装置に食塩水を通水することによって硬度成分とナトリウムイオンが交換されることによって、強酸性陽イオン交換樹脂の交換容量が再生します。
また、強酸性イオン交換樹脂の劣化を考慮し、1年に1度は樹脂の洗浄及び補充を行うようにします。
以上の説明により、選択肢3が誤っていることがわかります。
正答は「3」です。
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03
正解は「3」です。
ボイラー水の軟化装置に関する問題です。
軟化装置とは,伝熱配管や過熱器配管のスケール堆積の原因となる硬度(カルシウムやマグネシウム)を除去する装置です。一般的にNa+型陽イオン樹脂交換法で除去します。
1.正しいです。
上記に記載の通り,Na+型陽イオン樹脂交換法にて除去します。樹脂は塔(タンク)内に装填されており,そこに通水させることでイオン交換を行います。
2.正しいです。
上記に記載の通り,硬度(カルシウムやマグネシウム)を除去します。
3.誤りです。(誤:著しく減少➡正:著しく増加)
貫流点とは,現在装填されている樹脂でイオン交換ができる最大値の事をいいます。貫流点を超過するとイオン交換ができないので,残留硬度は著しく増加することになります。
4.正しいです。
樹脂のイオン交換効率が低下した場合は,一般的に食塩水(NaCl)を使用して再生を行います。
5.正しいです。
経年使用による給水配管内の鉄さびや食塩水を使用することにより発生する塔内の鉄さびを除去するため,年に1回程度,洗浄や汚損樹脂の除去および補充を行います。
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