二級ボイラー技士の過去問
令和元年10月公表
ボイラーの取扱いに関する知識 問18

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問題

二級ボイラー技士試験 令和元年10月公表 ボイラーの取扱いに関する知識 問18 (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーのスートブローについて、誤っているものは次のうちどれか。
  • スートブローは、一箇所に長く吹き付けないようにして行う。
  • スートブローは、最大負荷よりやや低いところで行う。
  • スートブローの蒸気には、清浄効果を上げるため、ドレンの混入した密度の高い湿り蒸気を用いる。
  • スートブローの回数は、燃料の種類、負荷の程度、蒸気温度などに応じて決める。
  • スートブローを行ったときは、煙道ガスの温度や通風損失を測定して、その効果を確かめる。

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この過去問の解説 (3件)

01

ボイラは燃料を燃焼させるために必ず「すす」が発生します。
 すすはボイラの燃焼室内に付着して伝熱効率を悪くしてしまうため、スートブローによってすすを吹き飛ばすことによって、伝熱効率を回復させる効果が期待できます。

 ボイラの伝熱効率の回復を図るスートブローですが、いくつかの注意点があります。
 ・スートブローは最大負荷よりもやや低いところで行います。
 効率回復によって負荷変動する可能性があるためです。
 ・スートブローは、一箇所に長く吹き付けないようにして行います。
 熱ひずみが起きて、ボイラの部品等を損傷させる恐れがあるからです。
 ・スートブローの蒸気には、清浄効果を上げるため、ドレンの混入しない乾き蒸気を用います。
 ドレンが含まれていると、ドレンが燃焼室内の熱を奪うことで熱効率が悪くなり、最悪水蒸気爆発を起こしてボイラを焼損させてしまいます。
 ・スートブローの回数は、燃料の種類、負荷の程度、蒸気温度など、ボイラの特性に応じて決めます。
 ・スートブローを行ったときは、煙道ガスの温度や通風損失を測定して、スートブローの実施効果を確かめます。
 効果が確認できなければ、もう一度スートブローするか、他に原因がないかを検討します。

以上の説明により、選択肢3が誤っていることがわかります。

正答は「3」です。

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02

1.正しいです。
一箇所に長く吹き付けると、破損の恐れが生じます。

2.正しいです。
設問の通りです。覚えておきましょう。

3.誤っています。
ドレンを混入してはなりません。ドレンは抜かなければなりません。

4.正しいです。
記載の通りになります。

5.正しいです。
ボイラー効率を測定し、測定結果を比較しましょう。

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03

正解は「3」です。

スートブロワ(煤吹き)に関する問題です。

スートブロワは,ボイラー運転中に,伝熱面および過熱器に付着した煤および灰(溶解したクリンカを含む)を当該ボイラーより発生した蒸気を用いて洗浄し,熱交換効率を回復させる目的で行います。

1.正しいです。

一か所に長く吹き付けると,不同膨張により,伝熱面および過熱器が噴破する恐れがあるため,一か所に長く吹き付けないよう,適切なタイミングでスートブローを停止する必要があります。

2.正しいです。

スートブローを行うと,熱交換効率が回復するため,一時的に負荷が上昇する傾向にあります。最大負荷でスートブローを行うと蒸気圧力および蒸気温度が,最大負荷を超過して上昇し,伝熱面および過熱器を焼損および墳破させる恐れがあります。

3.誤りです。(誤:ドレンの混入した➡正:ドレンを切って

ドレンが混入していると,ドレンアタック(水滴が蒸気圧力で勢いよく噴出される現象)により,伝熱面および過熱器を減肉させ,墳破させる恐れがありますので,スートブローに使用する蒸気は,ドレンをしっかり切っておきます。

ドレンを切る=水滴を除去する方法としては,スートブローを行う前に当該蒸気配管の暖管を行います。

4.正しいです。

灰分を多く含む石炭燃料等では,一日1〜3回程度スートブローを行う場合があります。

5.正しいです。

煙道に再生式空気予熱器が設置されている場合,排ガス中に含まれる灰が当該空気予熱器のガス側のエレメントに付着することで通風抵抗が上昇し,通風損失の増加に繋がります。そのため,適切なタイミングでスートブローを行い,通風損失の回復を図ります。

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