二級ボイラー技士の過去問
令和2年4月公表
ボイラーの取扱いに関する知識 問20

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問題

二級ボイラー技士試験 令和2年4月公表 ボイラーの取扱いに関する知識 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーにキャリオーバが発生した場合の処置として、適切でないものは次のうちどれか。
  • 燃焼量を下げる。
  • 主蒸気弁を急開して蒸気圧力を下げる。
  • ボイラー水位が高いときは、一部を吹出しする。
  • ボイラー水の水質試験を行う。
  • ボイラー水が過度に濃縮されたときは、吹出し量を増し、その分を給水する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は「2」です。

設問は、ボイラにキャリオーバが発生した場合の処置について問われています。

キャリオーバとは、ボイラ内の水が、蒸気と分離されずに混入し送りだされる現象を指します。

以下に、選択肢ごとに説明します。

 1.燃焼量を下げると、異常沸騰を抑制することになり、結果的にキャリオーバを防ぐことができます。

 2.主蒸気弁を急開して蒸気圧力を下げても、異常沸騰やボイラ水の濃縮を防ぐわけではないので、キャリオーバの抑制には繋がりません。

 3.ボイラ水位が高いときは、一部を吹出しすることによってボイラ水表面と主蒸気弁との距離を離すことにより、キャリオーバを防ぎます。
 
 4.ボイラ水の水質試験を行うことにより、ボイラ水の濃縮度合が判明し、キャリオーバ対策をすることができます。

 5.ボイラ水が過度に濃縮されたときは、その分不純物の量が増えていると予想されるため、吹出し量を増し、その分を給水することによって、ボイラ水を希釈して不純物量を減らし、キャリオーバを抑制することができます。

以上の説明により、選択肢2が誤っていることがわかります。

正答は「2」です。

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02

キャリーオーバー(気水共発)とは、ボイラー水に混じっている固形物や水が、蒸気に混じってボイラーの外に出る事をいいます。
①プライミング(水気立ち)
②ホーミング(泡立ち)
③シリカの選択的キャリーオーバー
に大別されます。

1.適切です。
燃焼量を下げれば、蒸発が抑えられ、キャリーオーバーはしにくくなります。

2.適切でないです。
主蒸気弁を急開した場合、ドラム内の蒸気と水分が一気にボイラーの外に出ていきます。
状況は、もっとひどくなります。

3.適切です。
ボイラー水を吹出しすれば、ドラム水位が下がり、ボイラーの外に出ていきにくくなります。

4.適切です。
ボイラー水の水質試験を行い、適正な水質に管理されているか確認を行います。
適正な水質管理を行なえば、キャリーオーバーを防ぐ事が出来ます。

5.適切です。
ボイラー水が過度に濃縮されたときは、濃度を薄める処置をします。
そうすることによって、キャリーオーバーを防ぐ事が出来ます。

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03

正解は「2」です。

キャリオーバーとは、ボイラー水中の不純物や水滴が多量に蒸気とともに主蒸気管に運び出されることです。

キャリオーバには「プライミング(水気立ち)」と「フォーミング(泡立ち)」があります。

1.正しいです。

キャリオーバは、蒸気負荷が過大(激しく運転しすぎ)である場合に起こりますから、燃焼量を下げる処置は正しいです。

2.誤りです。

キャリオーバは、主蒸気管を急開した場合におこりますから、よけいに酷くなる可能性があります。

主蒸気管を急に全開すれば、一気に多量の蒸気が流れますから、その勢いで水や不純物も外に持ち出されることになります。

3.正しいです。

キャリオーバは、高水位である場合に起こりますから、吹出しをして水位を下げる処置は正しいです。

4.正しいです。

キャリオーバは、ボイラー水に浮遊物、油脂などの不純物が多い場合に起こりますから、水質試験を行うことは処置として正しいです。

この場合のキャリオーバとは、とくにフォーミングのことです。

5.正しいです。

キャリオーバは、ボイラー水が濃縮し不純物の濃度が高まる場合に起こりますから、水を入れ替える処置は正しいです。

これもフォーミングのことです。

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