二級ボイラー技士の過去問
令和3年4月公表
ボイラーの構造に関する知識 問7

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問題

二級ボイラー技士試験 令和3年4月公表 ボイラーの構造に関する知識 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーの自動制御について、誤っているものは次のうちどれか。
  • オンオフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。
  • ハイ・ロー・オフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、高燃焼、低燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。
  • 比例動作による制御は、オフセットが現れた場合にオフセットがなくなるように動作する制御である。
  • 積分動作による制御は、偏差の時間積分値に比例して操作量を増減するように動作する制御である。
  • 微分動作による制御は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように動作する制御である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1. 正しい。オンオフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとります。

オンオフ動作の例として挙げるならば、一般的なこたつの温度調整です。

2. 正しい。ハイ・ロー・オフ動作は、1のオンオフ動作に加えて、燃焼出力を調整できる制御です。

3. 誤り。比例動作による制御は、偏差(設定値と実際値との差)が現れた場合に偏差がなくなるように動作する制御です。

オフセットとは、制御後の定常状態となった時に発生する偏差のことで、比例動作のみの制御の場合に必ず出現します。

4. 正しい。積分動作による制御は、偏差の時間積分値に比例して操作量を増減するように動作する制御です。

5. 正しい。微分動作による制御は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように動作する制御です。

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02

正解は、3 です。

1.正しい記述です。

オンオフ動作による蒸気圧力制御は、出力0か100しかない2点での制御です。

よって蒸気圧力によって『燃焼する』か『燃焼しない』か、という制御になります。

2.正しい記述です。

ハイ・ロー・オフ動作による蒸気圧力制御は、オンオフ制御に加え、低燃焼の出力をさせることができる制御です。

オンオフ 制御は2点制御ですが、この制御は3点制御になります。

3.誤った記述です。

比例(P)動作による制御には、必ずオフセットが現れます。

オフセットとは、設定値と安定した実際値との差の事です。

比例動作だけでは、いつまでたっても設定値になりません。

オフセットをなくすには、積分(I)動作が必要です。

因みに、

比例(P)動作は、偏差の大きさに比例して操作量を増減するような動作です。偏差とは設定値と実際値の差の事です。

比例動作は、偏差が大きければ大きい出力をし、偏差が小さければ小さい出力をします。

4.正しい記述です。

積分(I)動作は、制御偏差量の時間積分値に比例した大きさで操作量を増減するように動作するものです。 オフセットを無くす時間に関係してきます。

5.正しい記述です。

微分(D)動作は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように働く動作です。

PI動作で追いつかない外乱などに対して有効に働きます。

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03

正解は「3」です。

ボイラーの自動制御に関する問題です。

1.正しいです。

オンオフ動作は2位置動作と呼ばれ,オン=燃焼オフ=停止を行います。

この制御は燃焼の安定性がやや悪く,圧力の維持には不向きでです。

2.正しいです。

ハイ・ロー・オフ動作は3位置動作と呼ばれ,オンオフ動作に中間部を設けたものです。ハイ=高燃焼ロー=低燃焼オフ=停止を行います。

オンオフ制御に比べ,中間部があることから,燃焼の安定性が増します。

3.誤りです。(誤:オフセットがなくなる➡正:オフセットは必ず発生する

比例(Proportional)動作はP動作と呼ばれ,偏差の大きさに対して操作量を増減するように動作を行うものです。この動作では操作量が変化したときに,オフセット(設定値と異なった値で平衡)が必ず発生します。

設定値の上限幅を比例帯といい,この帯域を大きくとることで操作の安定性が増しますが、オフセットが大きくなるというデメリットがあります。

オフセットを無くすには,I動作およびD動作を組み合わせる必要があります。

4.正しいです。

積分(Integral)動作はI動作と呼ばれ,制御偏差(オフセット)の時間積分値に比例して操作量を増減する動作を行うものです。

P動作と組合せることで,操作量を大きく変化させることができ,制御の訂正をより高精度で実施できます。

5.正しいです。

微分(Differential)動作はD動作と呼ばれ,制御偏差(オフセット)の微分値に比例して操作量を調節する動作を行うものです。

オフセットの変化速度を判断し操作量を増減させますので,P動作より早く操作量を動かせ,P動作単体と比較し安定性が良くなります。

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