二級ボイラー技士の過去問
令和3年4月公表
燃料及び燃焼に関する知識 問23
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問題
二級ボイラー技士試験 令和3年4月公表 燃料及び燃焼に関する知識 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
ボイラーにおける燃料の燃焼について、誤っているものは次のうちどれか。
- 燃焼には、燃料、空気及び温度の三つの要素が必要である。
- 燃料を完全燃焼させるときに、理論上必要な最小の空気量を理論空気量という。
- 理論空気量をA0、実際空気量をA、空気比をmとすると、A=mA0という関係が成り立つ。
- 一定量の燃料を完全燃焼させるときに、燃焼速度が遅いと狭い燃焼室でも良い。
- 排ガス熱による熱損失を少なくするためには、空気比を小さくし、かつ、完全燃焼させる。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、4です。
1. 正しいです。
第一に、燃焼には、燃料のような「燃えるもの(可燃物)」が必要です。
第二に、燃焼とは酸素と結びつくことですから、「空気(酸素)」も必要です。
第三に、可燃物が燃え始めるための「温度(点火源)」も必要です。
2. 正しいです。
理論空気量とは、燃料を完全燃焼させるために、その燃料の成分から理論的に計算した空気量です。
実際には、計算するより多くの空気が供給されます。その量を実際空気量といいます。多い分は余分な空気ですが、理論上でのように効率良くいかないものです。
3. 正しいです。
「空気比」とは、理論空気量に対する実際空気量の比をいいます。例えば、m = 1.2 のように1より大きな値になります。
4. 誤りです。
燃焼速度が遅いということは、燃焼が終わらないうちに、次の燃料が供給され、それが終わらないうちに次の・・・というように、燃焼の占めるスペースが大きくなるということです。炎も長大になります。燃焼室も広い必要があります。
逆に、燃焼速度が速い場合には、燃焼がすぐに終わるので、その場所で次の燃焼を始めることができるわけです。炎も短くコンパクトになります。燃焼室は狭くてもよくなります。
5. 正しいです。
ボイラーの外へ排出されるガスの熱は、それが本来はボイラー水を温め得たかもしれないのですから、損失です。
そのガスの中に、燃焼に使われてさえいない余分な空気が混じっていたらどうでしょう。そのような空気を温めるために使われた熱は無駄の最たるものです。空気比を小さく(余分な空気は少なく)し、完全燃焼させる必要があります。
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02
【正解】4番です。
【各枝の正誤とポイント】
1 .燃焼には、燃料、空気及び温度の三つの要素が必要である。
☛正しいです。
燃焼は鉄にできるサビと同じ酸化反応です、一般的に燃焼の三要素というと、「可燃物」「酸素供給減」「点火源」と言われ、問題文では可燃物を「燃料」、酸素供給源を「空気」、点火源が「温度」にあたります。
2 .燃料を完全燃焼させるときに、理論上必要な最小の空気量を理論空気量という。
☛正しいです。
理論空気量の定義です。対で覚えておくのが「実際空気量」で両者の大小は、(実際空気量)>(理論空気量)となります。
3 .理論空気量をA0、実際空気量をA、空気比をmとすると、A=mA0という関係が成り立つ。
☛正しいです。
実際空気量・理論空気量・空気比の関係を示す重要な公式です。通常、(実際空気量)>(理論空気量)なるため空気比は1より大きい数値となります。既出で同じ意味となる次の文章が出題されています。
「実際空気量は、一般の燃焼では、理論空気量より多い。」
4 .一定量の燃料を完全燃焼させるときに、燃焼速度が遅いと狭い燃焼室でも良い。
☛誤りです。
既出の正解文は、「一定量の燃料を完全燃焼させるときに、着火性が良く燃焼速度が速いと狭い燃焼室で足りる。(h27.4公表 問26)」です。どちらが出題されても正誤が判断できるよう、憶えておきましょう
5 .排ガス熱による熱損失を少なくするためには、空気比を小さくし、かつ、完全燃焼させる。
☛正しいです。
空気比がなぜ重要となるかの説明文です。この文章で覚えておきましょう。
【同じテーマでこれまでに出た正しい文章】
・「燃焼温度は、燃料の種類、燃焼用空気の温度、燃焼効率、空気比などの条件によって変わる。」
・「燃焼ガスの成分割合は、燃料の成分、空気比及び燃焼の方法によって変わる。」
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03
正解は、 4 です。
1.正しい記述です。
燃焼の三要素は、燃える物(可燃物)、酸素供給源(支燃物)、 点火源(熱源) です。
どれか一つ欠けても、燃焼しません。
2.正しい記述です。
理論空気量とは、燃焼の化学式から導き出される、計算上必要な空気量です。標準状態(0℃、1気圧)での空気量です。実際は、温度が0℃より高いため温度補正が入ります。
実際の燃焼空気量は、理論空気量より多くなります。
3.正しい記述です。
記述のとおり、A = mA0 です。
4.誤った記述です。
正しくは、『一定量の燃料を完全燃焼させるときに、燃焼速度が速いと狭い燃焼室でも良い』です。
燃焼速度とは、燃料が着火してから燃えきるまでの速さの事です。
5.正しい記述です。
ボイラーの熱損失には、燃えがら中の未燃分による損失、不完燃焼ガスによる損失、排ガス熱による損失、ボイラー壁からの周囲への熱損失、があります。一番大きい熱損失は、排ガス熱によるものです。
排ガス熱による損失を少なくするには、余分な燃焼用空気を入れず、完全燃焼に近づける必要があります。
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