二級ボイラー技士の過去問
令和3年4月公表
燃料及び燃焼に関する知識 問22

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問題

二級ボイラー技士試験 令和3年4月公表 燃料及び燃焼に関する知識 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーの油バーナについて、適切でないものは次のうちどれか。
  • 圧力噴霧式バーナは、油に高圧力を加え、これをノズルチップから炉内に噴出させて微粒化するものである。
  • 戻り油式圧力噴霧バーナは、単純な圧力噴霧式バーナに比べ、ターンダウン比が広い。
  • 高圧蒸気噴霧式バーナは、比較的高圧の蒸気を霧化媒体として油を微粒化するもので、ターンダウン比が広い。
  • 回転式バーナは、回転軸に取り付けられたカップの内面で油膜を形成し、遠心力により油を微粒化するものである。
  • ガンタイプバーナは、ファンと空気噴霧式バーナを組み合わせたもので、燃焼量の調節範囲が広い。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、5です。

一般に、油バーナは、燃料油を微粒化(霧化)して、その表面積と空気に触れる面を大きくして、燃焼促進する目的があります。

1. 正しいです。

圧力噴霧式バーナは、油圧バーナともいいます。ポンプで油に圧力を加え、ノズルチップ(小さな穴)から炉内に噴出させます。

2. 正しいです。

油バーナでは、ガスバーナに比べ燃料の調節範囲が広くありません。

液体では、流量をしぼると、霧化が急激に悪くなり(浴室のシャワーのイメージ)、燃焼を制御できなくなるからです。

このとき、油バーナはガスバーナより、ターンダウン比(調節範囲)が小さいという言い方をします。

戻り油式圧力噴霧バーナでは、一部の燃料油を戻り管からもどすことで流量の調節を行い、この欠点を補っています。

したがって、戻り油式圧力噴霧バーナは、単純な圧力噴霧式バーナに比べ、ターンダウン比が広い(大きい)ことになります。

3. 正しいです。

高圧蒸気噴霧式バーナは、ポンプで燃料油を流すという点では、圧力噴霧式バーナと変わらないのですが、そこにさらに高圧蒸気で圧力をかけるものです。

イメージとして、浴室のシャワーを思い浮かべてみてください。

流量をしぼれば、水がポタポタ垂れるばかりで霧化しなくなります。もしそこに圧力をかけることが可能なら、霧化できるはずです。

燃焼を制御できる範囲も大きくなり、ターンダウン比も広く(大きく)なります。

4. 正しいです。

回転式バーナは、高速回転する霧化用カップの内面に油を噴出し、遠心力により、微粒化するものです。

5. 間違いです。

ガンタイプバーナは、燃焼用空気を供給するファン(送風機)と圧力噴霧式バーナを組み合わせて一体化したものです。空気噴霧式バーナではありません。

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02

【各肢の正誤】※正しい肢を「〇」、誤っている肢を「✕」で示しています。

〇1 .圧力噴霧式バーナは、油に高圧力を加え、これをノズルチップから炉内に噴出させて微粒化するものである。

〇2 .戻り油式圧力噴霧バーナは、単純な圧力噴霧式バーナに比べ、ターンダウン比が広い。

〇3 .高圧蒸気噴霧式バーナは、比較的高圧の蒸気を霧化媒体として油を微粒化するもので、ターンダウン比が広い。

〇4 .回転式バーナは、回転軸に取り付けられたカップの内面で油膜を形成し、遠心力により油を微粒化するものである。

✕5 .ガンタイプバーナは、ファンと空気噴霧式バーナを組み合わせたもので、燃焼量の調節範囲が広い。

【適切でない肢の正解文】

〇ガンタイプバーナは、ファンと圧力噴霧式バーナを組み合わせたもので、燃焼量の調節範囲が狭い。( 令和元年10月公表 問25)

【ついでにチェック】

〇高圧蒸気噴霧式バーナは、比較的高圧の蒸気を霧化媒体として油を微粒化するもので、バーナ負荷調整範囲が広い

【関連知識】

▶油バーナの油の霧化方式による分類

・圧力噴霧式バーナ☛油に圧力をかけ霧化するバーナです。

・戻り油式圧力噴霧バーナ☛圧力噴霧式バーナのもどり油の多少で油量を調整します。

・蒸気噴霧式バーナ☛圧力をかけた蒸気で油を霧状にします。

・回転式バーナ(ロータリーバーナ)☛口広のカップ状管内面に油をたらし霧状にします。

・ガンタイプバーナ☛圧力噴霧式でできた霧状の油をファンで吹き込むバーナです。

燃焼量の調整範囲が圧力噴霧式を使用していることから「狭い」のが特徴です。

▶ターンダウン比

ターンダウン比☛ボイラーではバーナの燃料調節割合をいい、値が大きいほど調節範囲が広いことを示します。

各バーナのターンダウン比を高い方から並べると、

(蒸気噴霧式バーナ)>(戻り油式圧力噴霧バーナ)>(圧力噴霧式バーナ)

となります。

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03

正解は、 5 です。

1. 正しい記述です。

圧力噴霧式バーナは、燃料油に圧力をかけ、燃料をノズルチップから微粒化させる仕組みのバーナです。

2.正しい記述です。

圧力噴霧式バーナは、噴霧圧力に左右され、圧力が低下すると燃料を微粒化させにくくなるのに対し、戻り油式圧力噴霧バーナは、先端チップで油が戻る仕組みで、戻り油の圧力で噴霧油量を調整します。

ターンダウン比(油量調整範囲)も、圧力噴霧式バーナに比べて広いです。

3.正しい記述です。

高圧蒸気噴霧式バーナは、高圧の蒸気を霧化媒体として燃料油を微粒化するものです。

ターンダウン比(油量調整範囲)は、戻り油式圧力噴霧バーナより更に広いです。

4.正しい記述です。

回転式バーナ(ロータリーバーナ)は、高速で回転するアトマイジングカップの内面に燃料を流し込み、遠心力で外に飛び出させて、燃料を飛散させる仕組みです。

5.誤った記述です。

ガンタイプバーナは、ファンと圧力噴霧式バーナとを組み合わせたものです。ファンと空気噴霧式バーナを組み合わせたものではありません。

比較的小容量のボイラー(蒸発量3t/h 程度以下)に用いられます。

参考になった数19