二級ボイラー技士の過去問
令和3年10月公表
ボイラーの取扱いに関する知識 問15
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問題
二級ボイラー技士試験 令和3年10月公表 ボイラーの取扱いに関する知識 問15 (訂正依頼・報告はこちら)
ボイラーに給水するディフューザポンプの取扱いについて、適切でないものは次のうちどれか。
- メカニカルシール式の軸については、水漏れがないことを確認する。
- 運転前に、ポンプ内及びポンプ前後の配管内の空気を十分に抜く。
- 起動は、吐出し弁を全閉、吸込み弁を全開にした状態で行い、ポンプの回転と水圧が正常になったら吐出し弁を徐々に開き、全開にする。
- 運転中は、振動、異音、偏心などの異常の有無及び軸受の過熱、油漏れなどの有無を点検する。
- 運転を停止するときは、ポンプ駆動用電動機を止めた後、吐出し弁を徐々に閉め、全閉にする。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、5です。
ディフューザポンプは、羽根車の外周に案内羽根をもつものです。タービンポンプとも言われ、高圧のボイラーで使うことができます。
1.適切な記述です。
羽根車を回す軸がケーシングを貫通する部分では、内部の圧力がかかった液体が漏れ出す可能性があります。
それを防ぐ為のシールの方式として、グランドパッキンシール式とメカニカルシール式があります。グランドパッキンシール式ではある程度の漏れがありますが、メカニカルシール式でほぼ漏れがないはずなので、その点を確認します。
2.適切な記述です。
ポンプは、始動前にポンプ内を水で満たし、空気を抜く必要があります。ポンプ内が水で満たされていない状態でポンプを作動させると、空運転になり、部品が焼損する可能性があります。また前後の配管に空気があると、気泡やエア溜まりが発生し、ポンプの能力が低下します。
3. 適切な記述です。
【始動時】吸込み弁を全開(吐出し弁全閉)⇒ ポンプ起動 ⇒ 吐出し弁を徐々に全開
空運転は絶対避けたいですから、まずは水がきちんと供給される状態でポンプを起動し、異常の有無を見て徐々に吐出していきます。
4. 適切な記述です。
5.適切な記述ではありません。
【停止時】吐出し弁を徐々に閉止 ⇒ ポンプ停止 ⇒ 吸込み弁を閉止
起動時と逆の手順が正しい停止方法です。
ポンプを先に停止すると水が逆流してしまいます。
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02
正解は、 5 です。
1.正しい記述です。
ポンプのメカニカルシールの軸封部からは、水が漏れてはいけません。漏れていない状態が正常です。
グランドパッキンによる軸封の場合は、空気の侵入を防止する為に軸封部から水が少量滴下しているのが正常です。
2.正しい記述です。
ポンプのケーシング内及びサクション(吸込み側)配管等にエアーが存在しますとポンプ起動時に揚水しない為、ポンプに一番近い吐出側のバルブより上流側の部分をポンプ起動前に水で満たす必要があります。
3.正しい記述です。
正しい記述ですが、ポンプの揚水が正常の場合、ポンプの吐出側バルブを締めきりにされますとポンプが閉塞状態となり壊れる原因になります。閉塞状態は、一時的な状態とすべきです。
4.正しい記述です。
ポンプの運転は、記述内容のような異常が無いかどうか運転状態を常に点検する必要があります。
5.誤った記述です。
正しくは、停止時には、吐出側のバルブを徐々に閉めた後、ポンプ電動機を止めるようにします。
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03
正解は,5です。
ボイラー給水ポンプ(BFP)に関する問題です。
ボイラー給水ポンプは蒸気圧力以上の圧力で給水を行う必要がありますので,多段羽根を使用しているディフューザポンプが多く採用されています。
1.正しいです。
ポンプケーシングとシャフトの貫通部より水が漏れないようにシールを設けています。
2.正しいです。
ポンプ内に空気溜まりがある状態で起動すると,ハンマリングを起こし配管を振動させ,最悪の場合,配管の破損につながる恐れがあります。
3.正しいです。
吐出弁を全開の状態でポンプを起動すると,配管の空気溜まりでハンマリングを起こし配管を振動させ,最悪の場合,配管の破損につながる恐れがあります。ハンマリングを防止するために,吐出弁を全閉で起動し,徐々に開けていく必要があります。また,吸込弁が全閉で運転すると水の供給が無くなり,ポンプ内が空の状態で運転する事となり,軸等の摺動部に摩擦熱が生じ,破損につながる恐れがあります。
4.正しいです。
異常のあるポンプを運転し続けると,不意に停止する場合があります。また,最悪の場合,ポンプが破損し,高温高圧の水や部品が飛散する事故につながる恐れがあります。
5.誤りです。
起動時と同様にハンマリングを防止するために,吐出弁を閉めてポンプを停止させます。
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