【同一テーマでの出題回数】★★★★★★（H27/4～R2/10）
【正解】２番です。
１．正しいです。
☛蒸気ボイラーで発生する復水（ドレイン）は、温度が高くしかも不純物のない純水であるといったメリットがあり、再利用は燃料や補給水の削減につながります。そのため、本文のように循環使用が原則として行われています。
２．誤りです。
☛比較的圧力の低い鋳鉄製ボイラーでは、直接取り付けた場合返り管へ水が逆流してしまい、異常低水位となってしまう可能性があります。ボイラー構造規格では、
「給水が水道その他圧力を有する水源から供給される場合には、当該水源に係る管を返り管に取り付けなければならない。」（第100条）という規定もされています。
３．正しいです。
☛ハートフォード式連結法は、返り管の本体への取り付け位置を安全低水面付近に設けることで水圧の低い鋳鉄製ボイラーでも最悪でも異常低水位とならないよう考案された配管連結法です。
４．正しいです。
☛ 鋳鉄製ボイラーには、セクション底部に水を張るウェットボトム式と張らないドライボトム式があります。ウェットボトム式は、伝熱面の増加となることから、ドライ式に比べ多く採用されています。
５．正しいです。
☛鋳鉄製ボイラーの特徴：
・型を使った製作のため、複雑な形状が製作可能（多段構成による規模調節可能）。
・鋼鉄製ボイラーに比べ、腐食に強い。
・鋼鉄製ボイラーに比べ、強度が低い。（高圧や大規模ボイラーには不向き）
・靭性（粘り強さ）が劣るため、急激な温度変化に弱い。
鋳鉄製ボイラーに関する問題です。
正しいです。
復水（ドレイン）は生成された飽和蒸気が還元されることで発生します。
温度が高く、純度の高い純水です。
この復水を利用することでボイラー効率の向上が期待できます。
そして原則として暖房用蒸気ボイラーにはこの復水が循環使用されています。
誤りです。
圧力の低い鋳鉄製ボイラーは、給水管をボイラー本体の安全低水面の位置に直接取り付ける場合返り管へ水が逆流し、異常低水位を招く場合があります。
その様な事態を防止する為にボイラー構造規格では、
「給水が水道その他圧力を有する水源から供給される場合には、当該水源に係る管を返り管に取り付けなければならない。」（第100条）というように定められています。
正しいです。
ハートフォード式連結法は鋳鉄製ボイラーでも異常低水位を防止する為の配管連結法で、返り管の本体への取り付け位置を安全低水面付近に設けることでそれを防止する方法です。
正しいです。
ウェットボトム式は、伝熱面積の増加の為にボイラー底部にも水を循環させる構造です。
正しいです。
鋳鉄製ボイラーは、強度は低く、腐食に強い特徴をもっています。
また、急激な温度変化にも弱いため、熱による不同膨張により割れにも弱いというデメリットがあります。
鋳鉄製ボイラーの特徴を抑え、また用途や構造についても把握しておきましょう。
この問題では、鋳鉄製ボイラーに関する知識が問われており、特に暖房用蒸気ボイラーの給水管の取り付け位置に関する理解が重要です。それでは、各選択肢を詳しく見ていきましょう。
この文章は正しいです。暖房用蒸気ボイラーでは、一般に復水を再利用することで効率を高め、水質管理を容易にします。
この文章は誤りです。暖房用蒸気ボイラー、特に重力循環式の場合、給水管はボイラー本体ではなく返り管に直接取り付けられます。
この文章は正しいです。ハートフォード式連結法は、復水の循環を効果的に行うための一般的な方法です。
この文章は正しいです。ウェットボトム式では、ボイラー底部に水を循環させ、腐食やスケールの形成を防ぎます。
この文章は正しいです。鋳鉄製ボイラーは鋼製ボイラーに比べて強度は低いものの、腐食に対する耐性が高い特徴があります。
この問題のキーとなるポイントは、暖房用蒸気ボイラーの給水管の取り付け位置に関する正しい理解です。重力循環式の場合、給水管は返り管に直接取り付けられることを正確に理解することが、正答を導くために必要です。他の選択肢は、鋳鉄製ボイラーに関する一般的な事実を正しく表しています。
