二級ボイラー技士の過去問
令和4年4月公表
燃料及び燃焼に関する知識 問22

【同一テーマでの出題回数】★★★★（H27/4～R3/10公表分まで）

【正解】３番です。

選択肢１：圧力噴霧式バーナは、浴室のシャワーのように油に高圧力を加えてノズルチップ（微細な穴）から炉内に噴出させて微粒化するもので、油の流量が少ないと霧化が難しくなることから、下限流量が決まってしまい基本的にターンダウン比は狭いタイプです。☛正しいです。

選択肢２：戻り油式圧力噴霧式バーナは、圧力噴霧式バーナの流量を噴霧前に戻り油として調整できることから、圧力噴霧式に比べターンダウン比は広いタイプです。☛正しいです。

選択肢３：高圧蒸気式噴霧バーナは、霧吹きのように油を高圧蒸気（霧化媒体と呼びます）の調整により微粒化する油の量を可変することが可能です。燃料の調整が比較的幅広く可能となることから、一般的にターンダウン比は最も「広い」とされています。☛誤りです。

選択肢４：回転式バーナは、回転軸に取付けられたカップ（開口部が広がっています）の内面で油膜を形成し、カップの回転による遠心力により油を微粒化しています。☛正しいです。

選択肢５：ガンタイプバーナは、ファンで圧力をかけノズルチップで霧化させるファンと圧力噴霧式を組み合わせたもので、点火電極で点火するものです。名称の由来は、形状がガンに似ていることから付けられたと言われ、燃料の調整範囲は極めて狭いものです。☛正しいです。

【ポイント&キーワード】

☛ターンダウン比とは、「バーナの最大燃焼可能量と最小燃焼量との比（JIS　B0113）」を言い、ボイラーでは燃焼の調整範囲の広さを指します。

☛液体燃料は気体燃料と異なり、燃焼三要素の一つ「酸素（空気）」との接触がそのままでは液体表面に限られるため、油バーナーで霧状にして使用されるのが一般的です。

この問題では、ボイラー用の油バーナの種類とそれぞれの特徴に焦点を当てています。油バーナは燃料油の微粒化と燃焼効率に重要な役割を果たすため、各バーナの種類が持つ特性の理解が求められます。特にターンダウン比の広さや霧化の仕組みに関する知識が重要です。問題文の各選択肢を検討し、正確な情報と照らし合わせて判断することが必要です。

油バーナーに関する問題です。