二級ボイラー技士の過去問
令和4年10月公表
ボイラーの構造に関する知識 問7

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問題

二級ボイラー技士試験 令和4年10月公表 ボイラーの構造に関する知識 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーに用いられるステーについて、適切でないものは次のうちどれか。
  • 平鏡板は、圧力に対して強度が弱く変形しやすいので、大径のものや高い圧力を受けるものはステーによって補強する。
  • 棒ステーは、棒状のステーで、胴の長手方向(両鏡板の間)に設けたものを長手ステー、斜め方向(鏡板と胴板の間)に設けたものを斜めステーという。
  • 管ステーを火炎に触れる部分にねじ込みによって取り付ける場合には、焼損を防ぐため、管ステーの端部を板の外側へ10mm程度突き出す。
  • 管ステーは、煙管よりも肉厚の鋼管を管板に溶接又はねじ込みによって取り付ける。
  • ガセットステーは、平板によって鏡板を胴で支えるもので、溶接によって取り付ける。

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この過去問の解説 (3件)

01

ボイラードラムは胴と両端を覆う鏡板で、水が入る主要な部分ができています。しかし、鏡板は圧力に対する強度小さく、変形しやすいという欠点があります。その弱い部分を補強する部材がステーです。

ステーには、管ステー、ガセットステー、棒ステーがあり、鏡板の強度を保ちます。

今回の問題は、各種ステーの構造や取付け方についての出題です。

選択肢1. 平鏡板は、圧力に対して強度が弱く変形しやすいので、大径のものや高い圧力を受けるものはステーによって補強する。

適切です。

大径のものや高い圧力を受けるもの、とありますが、ボイラーの場合は、胴やドラムのふたの役目の平鏡板が該当します。法律では、これらの板厚がボイラーの内径の大きさに応じた板厚があればステーは付けなくてもよく、板厚がなければステーの取り付けが規定されます。

選択肢2. 棒ステーは、棒状のステーで、胴の長手方向(両鏡板の間)に設けたものを長手ステー、斜め方向(鏡板と胴板の間)に設けたものを斜めステーという。

適切です。

長手ステーは両鏡板にねじ込みで取付けるか、溶接で取付けるかします。斜めステーは、胴と鏡板の間に溶接で取付けます。

選択肢3. 管ステーを火炎に触れる部分にねじ込みによって取り付ける場合には、焼損を防ぐため、管ステーの端部を板の外側へ10mm程度突き出す。

不適切です。

焼損を防ぐためには、端部を板の外側へ10mm程度突き出すのではなく、端部を縁曲げする必要があります。

炉筒煙管ボイラーに管ステーを取付けると、管板より突き出た部分が燃焼ガスに触れると、温度が上がって焼損するかもしれないため、端部は縁曲げによって管ステーの端部の温度上昇を抑えます。

選択肢4. 管ステーは、煙管よりも肉厚の鋼管を管板に溶接又はねじ込みによって取り付ける。

適切です。

管ステーは管板を支えられるように溶接で取付ける場合は、管板と管ステーに用いる厚肉鋼管の間に隙間が生じないように、ころ広げを行った後に、溶接します。ころ広げとは、ステーの鋼管の内部から広げて管板と密着させ、管板との接触部のすき間をなくす工法です。

選択肢5. ガセットステーは、平板によって鏡板を胴で支えるもので、溶接によって取り付ける。

適切です、

胴とガセットステー、鏡板とガセットステーの溶接では、強度が十分にある溶接を行います。ガセットステーを鏡板に取り付ける際には、ブリージングスペースを設けて溶接します。ブリージングスペースとは、鏡板に何も取付けていない部分で、鏡板が外部側に少し押さたときに、炉筒の伸びを吸収するためのスペースです。

まとめ

ステーからの出題は、ここ数年は毎年出されていますが、それ以前も1年ごとに出されるように、頻出問題です。ステーも管ステー、ガセットステー、棒ステーから必ず1選択肢は出されるようです。ステーも、取付け方と注意点が中心の出題と思われますので、ポイントを押さえておけば対応できる問題です。

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02

【同一テーマでの出題回数】★(H27/4~R4/4公表分)

ステー(stay)とは、いろいろな分野で使用される部材の呼び名ですが,ボイラーでは平板部の補強材として使われています。その種類は、形状により「棒ステー」「管ステー」「ガゼットステー」などが知られています。

選択肢1. 平鏡板は、圧力に対して強度が弱く変形しやすいので、大径のものや高い圧力を受けるものはステーによって補強する。

適切な文章です。

補強材となるステーの使用目的を言い表した文章です。

選択肢2. 棒ステーは、棒状のステーで、胴の長手方向(両鏡板の間)に設けたものを長手ステー、斜め方向(鏡板と胴板の間)に設けたものを斜めステーという。

適切な文章です。

棒状のステーには、「長手ステー」と「斜めステー」があり形状の利点を活かして両端にネジを切りナットで固定したり、あるいは溶接したりして取付けます。

選択肢3. 管ステーを火炎に触れる部分にねじ込みによって取り付ける場合には、焼損を防ぐため、管ステーの端部を板の外側へ10mm程度突き出す。

適切ではありません。

棒状ステーと同様、管ステーも両端にネジを切って固定したり、溶接で固定が行われています。ただし、火炎によって加熱される場所に使用するときは、焼損を極力防止するため端部を縁曲げ処理するという注意が必要です。正しくは、「~板の外側へ10mm程度突き出す。」ではなく、一例として「端部を縁曲げする。」などです。

選択肢4. 管ステーは、煙管よりも肉厚の鋼管を管板に溶接又はねじ込みによって取り付ける。

適切な文章です。

過去に同趣旨の文章が穴埋め問題で使われたことがありました。問題文は、「炉筒煙管ボイラーの管ステーは、[ A ]よりも肉厚の鋼管を[ B ]に溶接によって取り付けるか、又はその鋼管の両脇にねじを切り、これを[ B ]に設けたねじ穴にねじ込んで取り付ける。」(平成27年4月公表)。正解は、Aが煙管、Bは管板でした。

選択肢5. ガセットステーは、平板によって鏡板を胴で支えるもので、溶接によって取り付ける。

適切な文章です。

ガゼット板(平板)としたステーは、炉筒煙管ボイラーなどによく使用されています。取付は溶接が主ですが、使用に際してはブリージングスペースと呼ばれる隙間を設けておくことが大切です。この隙間を設けることで、炉筒の伸縮力を助ける効果が期待できます。

参考になった数15

03

この問題では、ボイラー内のステー(補強部材)に関する理解が問われています。ステーはボイラーの圧力に耐えるために必要な補強部品で、鏡板の変形や破損を防ぐ役割を担っています。ステーには管ステー、棒ステー、ガセットステーなどがあり、それぞれに特徴と適用方法があります。

選択肢1. 平鏡板は、圧力に対して強度が弱く変形しやすいので、大径のものや高い圧力を受けるものはステーによって補強する。

この文章は正しいです。平鏡板は圧力に弱いため、ステーで補強する必要があります。

選択肢2. 棒ステーは、棒状のステーで、胴の長手方向(両鏡板の間)に設けたものを長手ステー、斜め方向(鏡板と胴板の間)に設けたものを斜めステーという。

この文章は正しいです。棒ステーは、胴の長手方向や斜め方向に設けられることがあります。

選択肢3. 管ステーを火炎に触れる部分にねじ込みによって取り付ける場合には、焼損を防ぐため、管ステーの端部を板の外側へ10mm程度突き出す。

この文章は誤りです。管ステーを火炎に触れる部分に取り付ける際には、端部を板の外側へ突き出すのではなく、縁曲げする必要があります。これにより、焼損のリスクを低減します。

選択肢4. 管ステーは、煙管よりも肉厚の鋼管を管板に溶接又はねじ込みによって取り付ける。

この文章は正しいです。管ステーは、煙管よりも肉厚の鋼管を使用し、管板に溶接またはねじ込みによって取り付けます。

選択肢5. ガセットステーは、平板によって鏡板を胴で支えるもので、溶接によって取り付ける。

この文章は正しいです。ガセットステーは、平板を使用して鏡板を胴で支えるもので、通常は溶接によって取り付けられます。

まとめ

ボイラーの構造強度を保つためには、ステーの種類とそれぞれの特徴を理解し、適切に使用することが重要です。ステーの選択と配置は、ボイラーの安全性と効率に直接影響を与えます。

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