二級ボイラー技士の過去問
令和4年10月公表
ボイラーの構造に関する知識 問10

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問題

二級ボイラー技士試験 令和4年10月公表 ボイラーの構造に関する知識 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーの水位検出器について、誤っているものは次のうちどれか。
  • 水位検出器は、原則として、2個以上取り付け、それぞれの水位検出方式は異なるものが良い。
  • 水位検出器の水側連絡管及び蒸気側連絡管には、原則として、バルブ又はコックを直列に2個以上設ける。
  • 水位検出器の水側連絡管に設けるバルブ又はコックは、直流形の構造のものが良い。
  • 水位検出器の水側連絡管は、呼び径20A以上の管を使用する。
  • 水位検出器の水側連絡管、蒸気側連絡管並びに排水管に設けるバルブ及びコックは、開閉状態が外部から明確に識別できるものとする。

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この過去問の解説 (3件)

01

ボイラーの水位は、平均的に真ん中になるように制御されます。ボイラー水が低レベルになると、ボイラーの空焚きが起こりますし、高レベルになると蒸気系に水が入り込むという事故に直結します。そのためには、水位計は正しく水位を示すように整備され、また、正しく取り付けが必要です。

今回の問題は、水位計(液面計とも言います)を取付けるとき、やらなければならないことからの出題です。

選択肢1. 水位検出器は、原則として、2個以上取り付け、それぞれの水位検出方式は異なるものが良い。

正しいです。

水面計が1台では、故障や管の詰まりなどで正しく指示できなくなります。そのために、もう1台の水面計を設けて、お互いを監視するような形態にします。

なお、液面計を2台以上とするとき、1台を遠隔指示用として、制御室で液面の監視や制御ができるようにする方式もあります。

また、ボイラー構造規格でも、2台以上の液面計を取付けることが規定されています。

選択肢2. 水位検出器の水側連絡管及び蒸気側連絡管には、原則として、バルブ又はコックを直列に2個以上設ける。

誤りです。

「ボイラーの低水位による事故の防止に関する技術上の指針(昭51.8.6 技術上の指針公示第7号)によれば、次のように規定されています。

「 (5) 水位検出器(差圧式のものを除く。)の水側連絡管及び蒸気側連絡管には、それぞれ弁又はコックを直列に2個以上設けないこと。」

したがって、選択肢の「直列に2個以上設ける」は誤りです。

選択肢3. 水位検出器の水側連絡管に設けるバルブ又はコックは、直流形の構造のものが良い。

正しいです。

これも選択肢2で述べた指針にある規定で、次のように規定されています。

「 (7) 水位検出器の水側連絡管に設ける弁又はコックは、直流型のものとすること。」

なお、直流型とは、ボール弁のように流れが弁の入口から出口まで直線状に流れる形式でしょう。メーカーカタログなどに記載がないので確かとは言いにくいのですが。

選択肢4. 水位検出器の水側連絡管は、呼び径20A以上の管を使用する。

正しいです。

これはJISの陸用ボイラーの液面計の項目に、「水位検出器の水側連絡管は、呼び径20A以上」と規格化されています。また、選択肢2,3で述べた指針にも規定されています。

「 (2) 水位検出器の水側連絡管は、呼び径20A以上で、かつ、内部の掃除が容易にできる構造のものとすること。」

選択肢5. 水位検出器の水側連絡管、蒸気側連絡管並びに排水管に設けるバルブ及びコックは、開閉状態が外部から明確に識別できるものとする。

正しいです。

これもいままで述べた指針に、次のように規定されています。

「 (6) 水位検出器の水側連絡管、蒸気側連絡管及び排水管に設ける弁又はコックは、その開閉の状態が外部から明確に識別できるものとすること。」

これは規定だからという問題ではなく、普通に水位計を扱っていれば、水位計が正しいかどうかのチェックとしてバルブの開閉状態は、すぐ分かるようにするものです。

まとめ

今回の水位計の条文は、「ボイラーの低水位による事故の防止に関する技術上の指針」の規定からの出題です。ボイラー則は見ても、このような指針は目にすることはないのですが、書かれていることは、水位計が正しく指示を出しているかという点から考えれば、常識的に分かる問題と言えます。

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02

【同一テーマでの出題回数】★★★(H27/4~R4/4公表分)

ボイラーの水位検出器については、「ボイラーの低水位による事故の防止に関する技術上の指針」(以下、単に「指針」と記載します)がベースになり、本問もこの指針に基づいた内容について問うものと考えられます。

選択肢1. 水位検出器は、原則として、2個以上取り付け、それぞれの水位検出方式は異なるものが良い。

正しい文章です。

指針の2-3(水位検出器)の(1)柱書きで「~水位検出器は、2個以上とすること。」、また(2)では「水位検出器を2個以上備える場合は、」として、イで、「水位検出方式は、それぞれ異なるものであることが望ましいこと。」と規定されています。ここで、現在使われている水位検出器の方式には、「フロート式」「電極式」「熱膨張管式」の3種類が知られています。

選択肢2. 水位検出器の水側連絡管及び蒸気側連絡管には、原則として、バルブ又はコックを直列に2個以上設ける。

誤った文章です。

指針の2-4(水位検出器の連絡管等)の(5)において、「水位検出器(差圧式のものを除く。)の水側連絡管及び蒸気側連絡管には、それぞれ弁又はコックを直列に2個以上設けないこと。」と規定され、「設ける」が誤りです。

選択肢3. 水位検出器の水側連絡管に設けるバルブ又はコックは、直流形の構造のものが良い。

正しい文章です。

指針の2-4(水位検出器の連絡管等)の(7)には、「水位検出器の水側連絡管に設ける弁又はコックは、直流型のものとすること。」との規定があります。

選択肢4. 水位検出器の水側連絡管は、呼び径20A以上の管を使用する。

正しい文章です。

指針の2-4(水位検出器の連絡管等)の(2)には「水位検出器の水側連絡管は、呼び径20A以上で、かつ、内部の掃除が容易にできる構造のものとすること。」と規定されています。

選択肢5. 水位検出器の水側連絡管、蒸気側連絡管並びに排水管に設けるバルブ及びコックは、開閉状態が外部から明確に識別できるものとする。

正しい文章です。

指針 2-4(水位検出器の連絡管等)の(6)には「水位検出器の水側連絡管、蒸気側連絡管及び排水管に設ける弁又はコックは、その開閉の状態が外部から明確に識別できるものとすること。」と規定されています。

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03

この問題では、ボイラーの水位検出器に関する正しい取り扱いと設置基準が重要となります。ボイラーの水位管理は、安全運転に不可欠で、水位が不適切だと重大な事故につながる可能性があります。特に、水位検出器の連絡管に設ける弁やコックの取り付け方に注意が必要です。

選択肢1. 水位検出器は、原則として、2個以上取り付け、それぞれの水位検出方式は異なるものが良い。

この文章は正しいです。水位検出器は複数取り付けることが望ましく、それぞれ異なる検出方式を採用することで、信頼性を高めることができます。

選択肢2. 水位検出器の水側連絡管及び蒸気側連絡管には、原則として、バルブ又はコックを直列に2個以上設ける。

この文章は誤りです。水位検出器の水側連絡管及び蒸気側連絡管には、弁またはコックを直列に2個以上設けるべきではありません。これは、誤操作や故障の際に危険を増大させる可能性があるためです。

選択肢3. 水位検出器の水側連絡管に設けるバルブ又はコックは、直流形の構造のものが良い。

この文章は正しいです。水位検出器の水側連絡管に設けるバルブやコックは、直流形の構造を採用することが望ましいです。これにより、流体の流れがスムーズになり、水位検出の精度が向上します。

選択肢4. 水位検出器の水側連絡管は、呼び径20A以上の管を使用する。

この文章は正しいです。水位検出器の水側連絡管には、呼び径20A以上の管を使用することが推奨されます。これは、管内の流れを安定させ、正確な水位検出を実現するためです。

選択肢5. 水位検出器の水側連絡管、蒸気側連絡管並びに排水管に設けるバルブ及びコックは、開閉状態が外部から明確に識別できるものとする。

この文章は正しいです。水位検出器の水側連絡管、蒸気側連絡管、排水管に設けるバルブ及びコックは、外部から開閉状態が明確に識別できるようにする必要があります。これにより、操作ミスを防ぎ、安全な運用を支援します。

まとめ

ボイラーの水位検出器は、ボイラーの安全運転において極めて重要な役割を果たします。特に、連絡管に設けるバルブやコックの配置には注意が必要で、安全基準に従った適切な設置が求められます。

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