二級ボイラー技士の過去問
令和4年10月公表
ボイラーの取扱いに関する知識 問3
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問題
二級ボイラー技士試験 令和4年10月公表 ボイラーの取扱いに関する知識 問3 (訂正依頼・報告はこちら)
ボイラーのばね安全弁に蒸気漏れが生じた場合の原因に関するAからDまでの記述で、正しいもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A 弁体円筒部と弁体ガイド部の隙間が少なく、熱膨張などにより弁体円筒部が密着している。
B 弁棒に曲がりがあり、弁棒貫通部に弁棒が接触している。
C 弁体と弁座の中心がずれて、当たり面の接触圧力が不均一になっている。
D 弁体と弁座のすり合わせの状態が悪い。
A 弁体円筒部と弁体ガイド部の隙間が少なく、熱膨張などにより弁体円筒部が密着している。
B 弁棒に曲がりがあり、弁棒貫通部に弁棒が接触している。
C 弁体と弁座の中心がずれて、当たり面の接触圧力が不均一になっている。
D 弁体と弁座のすり合わせの状態が悪い。
- A,B
- A,C,D
- A,D
- B,C,D
- C,D
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この過去問の解説 (3件)
01
【同一テーマでの出題回数】★★★★(H27/4~R4/4公表分)
ボイラーのばね安全弁は、胴などに取り付けられ蒸気の圧力が規定を超えるような場合、事故防止のため弁体が弁座から浮き上がり蒸気を逃がす役割をしています。ばね安全弁に関しての不具合として挙げられるのは、「蒸気漏れ」と「動作しない」場合がありますが、本問では蒸気漏れについての原因を問うものです。
A:「蒸気漏れ」の原因ではありません。ばねにより適正な力で押されている弁体が規定圧力以上となることで弁座から浮き上がる際、弁体を支えているガイドと弁体円周部の隙間が少ないと熱膨張で密着し「動作しない」といった不具合を生じる原因となります。
B:蒸気漏れの原因ではありません。
適正に調整されたばね安全弁では、規定圧力以上になると弁体が弁座から浮き上がり蒸気を逃がす働きが、弁体を先端にもつ弁棒の曲がりなどで弁棒貫通部と接触していると「動作しない」といった原因となるものです。
C:「蒸気漏れ」の原因となります。
ばね安全弁は、弁体とそれを受ける弁座との気密性により正規の動作を行うことができるもので、弁体と弁座の中心がずれていると気密性が阻害され、「蒸気漏れ」の原因となってしまうものです。
D:「蒸気漏れ」の原因となります。
ばね安全弁は、適正な調整で所要の吹出し圧力に達すると弁体が弁座から浮く上がり蒸気を逃がすものです。ところが、弁体と弁座のすり合わせが不適切であると「蒸気漏れ」を起こす原因となります。
正しいもののみを全て挙げた組み合わせではありません。
A、Bとも蒸気漏れの原因ではありません。
正しいもののみを全て挙げた組み合わせではありません。
Aが蒸気漏れの原因ではありません。
正しいもののみを全て挙げた組み合わせではありません。
Aが蒸気漏れの原因ではありません。
正しいもののみを全て挙げた組み合わせではありません。
Bが蒸気漏れの原因ではありません。
正しいもののみを全て挙げた組み合わせとなります。
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02
安全弁の構造は、弁座に弁体が押し付けられて、弁座と弁体が密着して下から上昇する流体の流れを止めるものです。
弁体を押し付ける力は、スプリングで弁軸とともに弁体を押し付けます。
弁体と弁座は密着していると言っても、普通に機械加工して、当り面を出して密着しているわけではありません。
もしそれだけであれば、ミクロ的に見て凸凹の状態で、とても蒸気の細かな分子を止めることはできません。
そのため、弁体と弁座を密着させるために、研磨剤を使った擦り合わせを行って、本当の意味での密着がなされます。
弁座から漏れが生じる原因は、選択肢にあるような場合の他に、蒸気の圧力が一時的に高くなって、安全弁が作動したときです。
一時的圧力変動ですから安全弁はすぐに作動が止まって元に戻っても、弁座に何かを噛みこんでしまった時、作動したときに弁座にわずかなキズがついたなどで、弁座漏れが起こります。
弁座漏れの対応は、分解整備して、再度、弁座を擦り合わせることです。
ボイラーは1年に1回定期検査で停止しますから、その際に安全弁を取り外すことができます。
A 弁体円筒部と弁体ガイド部の隙間が少なく、熱膨張などにより弁体円筒部が密着している。
誤りです。
安全弁はボイラー則で、80℃以上にならないように設置されることが規定されているため、熱膨張することはないため、弁体円筒部と弁体ガイド部に隙間はあっても密着することはありません。
安全弁の整備が不良で、弁体ガイド部に曲りがあれば密着の可能性がありますが、弁座からの漏れではなく、安全弁の作動不良の原因となります。
B 弁棒に曲がりがあり、弁棒貫通部に弁棒が接触している。
誤りです。
弁棒貫通部に弁棒が接触しても、弁座と弁体の密着が失われることはなく、弁座からの漏れはありません。
この場合も、安全弁の整備が不良で、安全弁の作動不良となります。
C 弁体と弁座の中心がずれて、当たり面の接触圧力が不均一になっている。
正しいです。
振動などで、弁体と弁座の中心がわずかにずれる可能性があります。
その場合は、弁座からの漏れにつながる可能性があります。
D 弁体と弁座のすり合わせの状態が悪い。
正しいです。
安全弁を整備した後に、作動検査と弁座漏れ検査を行って、問題なければ取付けるため、擦り合わせの状態が悪いことは考えにくいのですが、検査時はうまくいっただけというケースも考えられるため、すり合わせが不十分であったことは考えられます。
両方誤っています。
Aが誤っています。
Aが誤って、Cが入っていません。
Bが誤っています。
全部正しいものばかりです。
安全弁の問題の出題頻度は多いようです。
安全弁の構造、整備、作動不良など色々な切り口での問題が考えられますが、安全弁の構造や整備の基本を理解しておけば、問題なく解けるでしょう。
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03
安全弁に関する問題です。
A 誤りです。
B 誤りです。
AとBについては、安全弁が作動しなくなる原因であって、蒸気漏れの原因ではありません。
C 正しいです。
記述のとおり、弁体と弁座のずれが当たり面の接触圧力の不均一を招き、蒸気漏れの原因に繋がります。
D 正しいです。
正しい組み合わせです。
安全弁はボイラー事故に関係するとても重要な部位です。
どのような原理で作動し、どのような点検・メンテナンスが行われるか、しっかりと把握しておきましょう。
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