二級ボイラー技士 過去問
令和4年10月公表
問15 (ボイラーの取扱いに関する知識 問5)

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問題

二級ボイラー技士試験 令和4年10月公表 問15(ボイラーの取扱いに関する知識 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーの給水中の溶存気体の除去について、誤っているものは次のうちどれか。
  • 脱気は、給水中に溶存しているO2などを除去するものである。
  • 脱気法には、化学的脱気法と物理的脱気法がある。
  • 加熱脱気法は、水を加熱し、溶存気体の溶解度を下げることにより、溶存気体を除去する方法である。
  • 真空脱気法は、水を真空雰囲気にさらすことによって、溶存気体を除去する方法である。
  • 膜脱気法は、高分子気体透過膜の片側に水を供給し、反対側を加圧して溶存気体を除去する方法である。

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この過去問の解説 (3件)

01

ボイラー水には、酸素や二酸化炭素が含まれていて、腐蝕の原因になります。

そのため、これらの気体を除去する必要があり、脱気をします。

選択肢1. 脱気は、給水中に溶存しているO2などを除去するものである。

正しいです。

水の中に溶解している酸素や二酸化炭素の気体を、溶存気体と言い、脱気は、この溶存気体を除去することです。

選択肢2. 脱気法には、化学的脱気法と物理的脱気法がある。

正しいです。

脱気法には、物理的脱気法と化学的脱気法があります。

物理的脱気法には、加熱脱気法・真空脱気法・膜脱気法があります。

一方、化学的脱気法は、ヒドラジンのような脱酸素剤を給水に入れて、化学反応によって脱気します。

選択肢3. 加熱脱気法は、水を加熱し、溶存気体の溶解度を下げることにより、溶存気体を除去する方法である。

正しいです。

液体を加熱して温度が高くなるほど、水中に溶存する気体の飽和濃度は低くなるため、飽和濃度を超えた気体成分を除去するのが、加熱脱気法です。

選択肢4. 真空脱気法は、水を真空雰囲気にさらすことによって、溶存気体を除去する方法である。

正しいです。

給水を真空雰囲気にすることで、水に溶けている気体成分が膨張し、液体中に溶けきれなくなって、泡状となって飛び出すのを除去する方法が、真空脱気法です。

選択肢5. 膜脱気法は、高分子気体透過膜の片側に水を供給し、反対側を加圧して溶存気体を除去する方法である。

誤りです。

高分子気体透過膜の片側に水を供給し、反対側を真空として、水に溶けきれなくなった気体を分離して除去する脱気方式です。

「反対側を加圧して」は「反対側を真空として」の誤りです。

まとめ

給水の溶存酸素の除去やpHの調整、スケール付着防止など、給水の不純物を取り除く処理が、ボイラー系統内処理です。

今回の出題は、溶存気体の除去ですが、ボイラー系統内処理として幅広く出題されることもあり、給水の管理・処理は一通り覚えておく必要があるでしょう。

2,3年に1回は出題されているようです。

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02

溶存気体の除去方法に関する問題です。

選択肢1. 脱気は、給水中に溶存しているO2などを除去するものである。

正しいです。

脱気とは、給水中に溶存している酸素などを除去することです。

選択肢2. 脱気法には、化学的脱気法と物理的脱気法がある。

正しいです。

脱気の方法としては大きく分けて化学的脱気法と物理的脱気法の2つがあります。

選択肢3. 加熱脱気法は、水を加熱し、溶存気体の溶解度を下げることにより、溶存気体を除去する方法である。

正しいです。

加熱脱気法は物理的脱気法の1つです。

水は加熱するほど、飽和溶存度が低下する為、溶存気体を取り除くことができます。

選択肢4. 真空脱気法は、水を真空雰囲気にさらすことによって、溶存気体を除去する方法である。

正しいです。

真空脱気法は物理的脱気法の1つです。

真空状態にさらすことで、溶存している気体を取り出す方法です。

選択肢5. 膜脱気法は、高分子気体透過膜の片側に水を供給し、反対側を加圧して溶存気体を除去する方法である。

誤りです。

膜脱気法は物理的脱気法の1つです。

膜脱気法は高分子気体透過膜の片側に水を供給し、反対側を真空にして、溶存気体を除去する方法です。

まとめ

各々の脱気法の内容をしっかりと把握しておきましょう。

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03

【同一テーマでの出題回数】なし(H27/4~R4/4公表分)

ボイラーに使用する水は、運転に支障となる溶存気体と全蒸発残留物を除去する必要があります。

なかでも、溶存気体となる酸素や二酸化炭素はボイラー内の腐食につながることから除去が行われています。

選択肢1. 脱気は、給水中に溶存しているO2などを除去するものである。

正しい文章です。

脱気とは、酸素などの溶存気体をボイラーへの給水に際し除去することをいいます。

選択肢2. 脱気法には、化学的脱気法と物理的脱気法がある。

正しい文章です。

ボイラーにとって水中の不純物として挙げられる溶存気体には酸素や二酸化炭素などがありますが、除去には物理的及び化学的の2種類の方法で行われています。

選択肢3. 加熱脱気法は、水を加熱し、溶存気体の溶解度を下げることにより、溶存気体を除去する方法である。

正しい文章です。

ボイラーの給水中の溶存気体を除去する(脱気といいます)方法には、物理的なものと化学的なものがあります。

物理的脱気法のひとつに、水を加熱すると溶存気体となる酸素や二酸化炭素が蒸気として失われることを利用した加熱脱気法があります。

選択肢4. 真空脱気法は、水を真空雰囲気にさらすことによって、溶存気体を除去する方法である。

正しい文章です。

ボイラーの給水中の溶存気体の除去する方法(脱気法)のうち、物理的脱気法の一つとして圧力低下で溶存気体の溶解度が低下することを応用した真空脱気法があります。

選択肢5. 膜脱気法は、高分子気体透過膜の片側に水を供給し、反対側を加圧して溶存気体を除去する方法である。

誤った文章です。

ボイラーに影響を及ぼす給水中の溶存気体を除去する方法(脱気法)のなかで、物理的脱気法の一つに膜脱気法があります。

仕組みは、気体透過膜の片側に水を入れ、反対側を「真空に」することで達成される脱気法をいい、「加圧して」が誤りです。

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