二級ボイラー技士の過去問
令和4年10月公表
ボイラーの取扱いに関する知識 問7
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問題
二級ボイラー技士試験 令和4年10月公表 ボイラーの取扱いに関する知識 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
ボイラー水中の不純物について、誤っているものは次のうちどれか。
- スラッジは、溶解性蒸発残留物が濃縮されて析出し、管壁などの伝熱面に固着したものである。
- 懸濁物には、りん酸カルシウムなどの不溶物質、エマルジョン化された鉱物油などがある。
- 溶存しているO2は、鋼材の腐食の原因となる。
- 溶存しているCO2は、鋼材の腐食の原因となる。
- スケールの熱伝導率は、炭素鋼の熱伝導率より著しく低い。
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この過去問の解説 (3件)
01
ボイラー水の不純物とは、溶存気体・硬度成分・全蒸発残留物・浮遊物があり、ボイラー運転の障害になるため、ボイラーの補給水の処理が重要です。
・溶存気体は、水中に溶存する気体で、酸素や二酸化炭素、アンモニアなどです。
・全蒸発残留物は、ボイラー水が蒸発し、濃縮したものが水中に残る固形物で、スケール、スラッジと言われます。全蒸発残留物は、カルシウムとマグネシウム化合物、シリカ化合物、懸濁物などです。
・懸濁物は、泥や砂、水酸化鉄、その他の混合物です。
これらの不純物が、ボイラーの腐蝕、加熱部へのスケール付着、ボイラー底へのスラッジ堆積などの障害を引き起こします。
誤りです。
スラッジは、溶解性蒸発残留物が濃縮されて、ボイラー底に堆積したもので、管壁などの伝熱面に付着するのはスケールです。
スケールが伝熱面に付着すると、熱損失を起こし、熱伝導率が低くします。さらに、付着した伝熱面を加熱させます。
正しいです。
懸濁物は、ボイラー水中に浮遊しています。
正しいです。
ボイラー内面の腐食を起こし、全面腐食や局部腐食に至ります。
正しいです。
ボイラー内面の腐食を起こし、全面腐食や局部腐食に至ります。
スケールの熱伝導率は、0.2~3.5 W/(m・K)に対し、軟鋼の熱伝達率は、47~58 W/(m・K)です。
ボイラー水の不純物対策は、ボイラーの水管理の1つですが、不純物の種類と障害、対策についてまとめて出題されるケース、水質管理として出題されるケースなどがあります。ボイラーの水管理として、整理しておいた方が良いでしょう。なお、水管理は、ほぼ毎年出題されています。
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02
【同一テーマでの出題回数】★(H27/4~R4/4公表分)
ボイラーの運転に影響を及ぼす代表的な不純物のうち、「全蒸発残留物」といわれるものに「スケール」と「スラッジ」があります。これらはボイラー内の腐食など少なからずの影響を及ぼすため定期的な除去が望まれます。
誤った文章です。
ボイラー水中の不純物のうち「全蒸発残留物」と言われるものの代表に「スケール」と「スラッジ」があります。スケールが伝熱面に固着するのに対し、スラッジはドラムの底などに沈積していくものです。
正しい文章です。
ボイラーの運転に障害となる要因の一つに、ボイラー水に含まれる「溶解性蒸発残留物」といわれるものがあります。その一つが「懸濁物」と言われるもので、「リン酸カルシウム」などの不溶物質や「エマルジョン化された鉱物油」などがあります。
正しい文章です。
ボイラー水に存在する溶存気体のうち、酸素(O2)は直接あるいは間接的に鋼材の腐食の原因となるもので脱気(濃度を低下させること)することが必要とされるものです。
正しい文章です。
ボイラー水に存在する溶存気体のうち、二酸化炭素(CO2)は酸素(O2)ほどではありませんが、直接あるいは間接的に鋼材の腐食の原因とされ濃度管理が必要となるものです。
正しい文章です。
ボイラーの運転に影響を及ぼす不純物として「溶解性蒸発残留物」の一つに「スケール」と言われるものがあります。たとえば、このスケールの主成分となる「けい酸塩」の熱伝導率(W/(m・K))は、ボイラー本体などに使われている炭素鋼の百分の一程度と極端に小さい値を示すものです。
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03
ボイラー水に発生する不純物に関する問題です。
誤りです。
記述されている内容はスケールについてのものになります。
スラッジは濃縮されたものがボイラー底面に堆積するものになります。
正しいです。
記述のとおり、りん酸カルシウムなどの不溶物質、エマルジョン化された鉱物油などが懸濁物としてボイラー水中に存在します。
正しいです。
溶存しているO₂は、鋼材の腐食の原因になります。
正しいです。
溶存しているCO₂はO₂と同様に、鋼材の腐食の原因となります。
正しいです。
スケールの付着は熱伝導率を著しく低下させます。
ボイラー水に発生する不純物はボイラー効率に大きく関連する事項です。
防止策、除去する方法をしっかりと把握しておきましょう。
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