二級ボイラー技士の過去問
令和4年10月公表
ボイラーの取扱いに関する知識 問9

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問題

二級ボイラー技士試験 令和4年10月公表 ボイラーの取扱いに関する知識 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

油だきボイラーの燃焼の維持及び調節について、誤っているものは次のうちどれか。
  • 燃焼室の温度は、原則として燃料を完全燃焼させるため、高温に保つ。
  • 蒸気圧力又は温水温度を一定に保つように、負荷の変動に応じて燃焼量を増減する。
  • 燃焼量を増すときは、燃料供給量を先に増してから燃焼用空気量を増す。
  • 燃焼用空気量の過不足は、計測して得た燃焼ガス中のCO2、CO又はO2の濃度により判断する。
  • 燃焼用空気量が多い場合には、炎は短い輝白色で、炉内が明るい。

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この過去問の解説 (3件)

01

今回の問題は、ボイラーの燃焼について、油炊きに限ったことではなく、燃焼の注意すべき点の問題と考えた方が良いでしょう。

選択肢1. 燃焼室の温度は、原則として燃料を完全燃焼させるため、高温に保つ。

正しいです。

ボイラー運転が安定して蒸気を発生させるためには、燃焼量を調整することが大切で、燃料に見合った空気量の調整が足りないなどが起ると、不完全燃焼をおこし、安定運転ができなくなります。そのため、燃料を完全燃焼させるために心掛けることが、次の2点です。

・燃焼室の温度は高温を維持する。

・燃料と燃料に対する空気量を適量とし、十分に混合接触させる。

選択肢2. 蒸気圧力又は温水温度を一定に保つように、負荷の変動に応じて燃焼量を増減する。

正しいです。

蒸気の使用量が増えるとボイラー圧力が低下するため、燃焼量を増やします。逆に、蒸気の負荷が減ると燃料を減らします。このように負荷を監視して負荷の状況に応じて、燃料も増減します

選択肢3. 燃焼量を増すときは、燃料供給量を先に増してから燃焼用空気量を増す。

誤りです。

誤りは、「燃料を増す前に燃料用空気量を増す」です。燃料の増減を行うときは、不完全燃焼を起こさないように、空気の量を多くしてから燃料の増減を行います。負荷が増えたときは、空気量を増加させた後に燃料量を増やし、逆に負荷が下がったときは、燃料量を下げてから空気量を減らします。

選択肢4. 燃焼用空気量の過不足は、計測して得た燃焼ガス中のCO2、CO又はO2の濃度により判断する。

正しいです。

空気の量が多く排ガスになると、余分な空気を燃焼したことでボイラーの燃焼効率が悪くなります。排ガスの酸素(O2)の量を知ることで、空気の量の過不足を知ることができ、燃焼に繁栄することができます。また、不完全燃焼が起こると、一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO2)が発生します。こうして、O2,CO,CO2を測定することで、燃焼の状況が分かります。

選択肢5. 燃焼用空気量が多い場合には、炎は短い輝白色で、炉内が明るい。

正しいです。

ボイラー燃焼の空気量の過不足は、燃焼ガスの炎の形や色で判断が可能です。

・空気量が多い場合:炎が短く色が輝白色で、炉内が明るく見えます。

・空気量が少ない場合:炎の色が暗赤色で、炉内に煙が充満するため見通しが悪くなります。

・空気量が適当な場合:炎の色は薄いオレンジ色で、炉内の見通しが良くなります。

まとめ

ボイラー燃焼の燃料には、重油、ガス、石炭などがあり、点火から通常運転までの操作に加え、維持管理についても基本は同じですが、それぞれ特徴があり、特徴の比較の問題がしばしば出題されます。また、今回のように燃焼という共通の問題からの出題も多いでしょう。

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02

【同一テーマでの出題回数】★(H27/4~R4/4公表分)

油だきボイラーの燃焼の維持及び調節の基本は、完全燃焼させるための適切な燃料供給量や燃焼用空気量の調節及び調節後の燃焼具合の確認です。本問はその具体的な内容について問うものです。

選択肢1. 燃焼室の温度は、原則として燃料を完全燃焼させるため、高温に保つ。

正しい文章です。

油だきボイラーの適正な燃焼を維持するためのポイントは「完全燃焼」させることであり、そのためには燃焼室の温度については「高温に保つ」必要があります。

選択肢2. 蒸気圧力又は温水温度を一定に保つように、負荷の変動に応じて燃焼量を増減する。

正しい文章です。

油だきボイラーの燃焼の維持及び調節のポイントは、蒸気圧力や温水温度の安定維持であり、そのためにできることの一つが負荷変動に合わせた燃焼量の調節です。

選択肢3. 燃焼量を増すときは、燃料供給量を先に増してから燃焼用空気量を増す。

誤った文章です。

燃焼量調節の基本は、次のように増減で順番が逆になります。

【燃焼量を増やす場合】空気量を増→燃料供給量を増。☛燃料増を先行すると空気量不足で不完全燃焼となりかねません。

【燃焼量を減らす場合】燃料供給量を減→空気量を減。☛燃焼停止と同様、まずは燃料調節(この場合は減らす)ことが基本です。

選択肢4. 燃焼用空気量の過不足は、計測して得た燃焼ガス中のCO2、CO又はO2の濃度により判断する。

正しい文章です。

燃焼が適切に行われているかどうかの判断材料には、「火炎の色」とともに「燃焼ガスの分析結果」があります。燃焼ガスの成分は、燃焼に伴い発生する酸化物(二酸化炭素CO2や一酸化炭素COなど)や過剰空気O2などです。これらの含有割合から燃焼用空気量が適切かどうかの判断が可能となります。

選択肢5. 燃焼用空気量が多い場合には、炎は短い輝白色で、炉内が明るい。

正しい文章です。

燃焼用空気量が「多い」場合以外は、以下のとおりです。

適量オレンジ色の炎で炉内の見通しも良い。

少ない場合暗赤色の炎で煙の発生により炉内の見通しが悪い。

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03

燃焼に関する問題です。

選択肢1. 燃焼室の温度は、原則として燃料を完全燃焼させるため、高温に保つ。

正しいです。

燃焼室を高温に保つことは、完全燃焼を促します。

また、燃焼効率そのものの向上にも関係します。

選択肢2. 蒸気圧力又は温水温度を一定に保つように、負荷の変動に応じて燃焼量を増減する。

正しいです。

蒸気圧力を一定に保つように負荷を変動し、それに伴う燃焼量も調整することが重要です。

選択肢3. 燃焼量を増すときは、燃料供給量を先に増してから燃焼用空気量を増す。

誤っています。

燃焼量を増やすときには、空気量を増やしてから燃料供給量を増やします。

逆に減らしたい時には、燃料供給量を減らしてから、空気量を減らします。

2つとも未燃焼の燃料の発生やすすなどの発生を防ぐ為です。

選択肢4. 燃焼用空気量の過不足は、計測して得た燃焼ガス中のCO2、CO又はO2の濃度により判断する。

正しいです。

O₂が多い場合は空気過多。

CO,CO₂が多い場合は不完全燃焼が起きている可能性があります。

選択肢5. 燃焼用空気量が多い場合には、炎は短い輝白色で、炉内が明るい。

正しいです。

空気量が多いと、火炎は輝白色です。

空気量が適量だと、火炎はオレンジ色です。

空気量が少ないと、火炎は暗赤食になります。

まとめ

燃焼状態はボイラー効率だけでなく、ボイラーそのもののメンテナンスにも関わってくる事項です。適切な状態をしっかりと把握しておきましょう。

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