二級ボイラー技士 過去問
令和6年4月公表
問16 (ボイラーの取扱いに関する知識 問6)

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問題

二級ボイラー技士試験 令和6年4月公表 問16(ボイラーの取扱いに関する知識 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーのばね安全弁及び逃がし弁の調整並びに試験について、適切でないものは次のうちどれか。
  • ボイラーの圧力をゆっくり上昇させて安全弁を作動させ、吹出し圧力及び吹止まり圧力を確認する。
  • 安全弁の吹出し圧力が設定圧力よりも低い場合は、一旦、ボイラーの圧力を設定圧力の80%程度まで下げ、調整ボルトを締めて再度、試験する。
  • 過熱器用安全弁は、ボイラー本体の安全弁より高い圧力に調整する。
  • エコノマイザの逃がし弁(安全弁)は、ボイラー本体の安全弁より高い圧力に調整する。
  • 安全弁の手動試験は、最高使用圧力の75%以上の圧力で行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

ばね安全弁及び逃がし弁の調整並びに試験についての問題となります。

特に過熱器用安全弁についてしっかり理解しておく必要があります。

選択肢1. ボイラーの圧力をゆっくり上昇させて安全弁を作動させ、吹出し圧力及び吹止まり圧力を確認する。

正しい記述です。

急に開けたりすると故障にもつながるので、ゆっくり上昇させることが大事です。

選択肢2. 安全弁の吹出し圧力が設定圧力よりも低い場合は、一旦、ボイラーの圧力を設定圧力の80%程度まで下げ、調整ボルトを締めて再度、試験する。

正しい記述です。

問題文の「80%」という数字は、問題によっては数字を変えて出題される事もあるので、押さえておきましょう。

選択肢3. 過熱器用安全弁は、ボイラー本体の安全弁より高い圧力に調整する。

過熱器用安全弁は、ボイラー本体の安全弁より高い圧力ではなく、低い圧力に調整する必要があります。

ちなみにボイラー本体の安全弁より高い圧力するのは他の選択肢で説明されていますが、「エコノマイザ」です。

選択肢4. エコノマイザの逃がし弁(安全弁)は、ボイラー本体の安全弁より高い圧力に調整する。

正しい記述です。

そのため、エコノマイザの逃がし弁は、本体の安全弁よりも後に作動します。

選択肢5. 安全弁の手動試験は、最高使用圧力の75%以上の圧力で行う。

正しい記述です。

問題文の「最高使用圧力」という言葉は、問題によっては「常用圧力」などと出題される事もあるので注意して下さい。

まとめ

この問題では問われていませんが、過熱器用安全弁は本体の安全弁より早く作動しなければいけないのでこちらも押さえておきましょう。

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02

ボイラーのばね安全弁や逃がし弁は、内部圧力を安全範囲内に保つうえで非常に重要な役割を担います。そのため、設定圧力や吹出し圧力の正確な調整と試験が不可欠です。

選択肢1. ボイラーの圧力をゆっくり上昇させて安全弁を作動させ、吹出し圧力及び吹止まり圧力を確認する。

これは正しいやり方です。

 

急激に圧力を上げると弁やボイラーに過剰な負担がかかるため、ゆっくり圧力を上げて正確に吹出し圧力や吹止まり圧力をチェックします。

選択肢2. 安全弁の吹出し圧力が設定圧力よりも低い場合は、一旦、ボイラーの圧力を設定圧力の80%程度まで下げ、調整ボルトを締めて再度、試験する。

正しい取扱いです。

 

調整にはボイラー内部に高い圧力が加わったままだと危険なので、少し圧力を下げてから再調整します。

選択肢3. 過熱器用安全弁は、ボイラー本体の安全弁より高い圧力に調整する。

本来、過熱器用安全弁はボイラー本体より早く(低い圧力で)作動して、過熱器内部の蒸気温度が過剰に上昇しないように設計されるのが通常です。

そのため、もし過熱器用安全弁をボイラー本体の安全弁より高い圧力に設定してしまうと、過熱器が先に高温高圧にさらされ、損傷のおそれが生じます。

 

よって、誤りです。

選択肢4. エコノマイザの逃がし弁(安全弁)は、ボイラー本体の安全弁より高い圧力に調整する。

エコノマイザが胴より後段に配置される構造などに応じて、本体より高い圧力設定となる場合があります。

 

このため、この記述は正しい考え方です。

選択肢5. 安全弁の手動試験は、最高使用圧力の75%以上の圧力で行う。

正しい取り扱いです。

 

ある程度圧力がないと確実に弁が作動するかどうかの確認が難しく、低圧すぎると試験結果に誤差が出やすいからです。

まとめ

ばね安全弁や逃がし弁の調整は、適正な吹出し圧力・吹止まり圧力を確認しながら慎重に行う必要があります。過熱器用安全弁は特に早期に吹出す設定で設計するのが原則です。

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03

ボイラーのばね安全弁及び逃がし弁の調整並びに試験についての問題です。

 

《安全弁の調整方法》

1.分解前の設定圧力(動作圧力)を示すボルトの位置にマークをつけます。

2.組立後に1.でつけたマークの位置にボルトを合わせ圧力を上昇させます。

3.吹出し圧力(動作)および吹止り圧力(閉止)を確認します。

4.吹出し圧力が設定より低い場合は,設定圧力の80%程度まで圧力を下げ,

ボルトを締めて設定圧力で動作するように調整します。

5.吹出し圧力が設定より高い場合は,直ちに設定圧力の80%程度まで圧力を下げ,

ボルトを緩めて設定圧力で動作するように調整します。

 

《安全弁の設置》

1.2個以上の安全弁が設置されている場合,1個は最高使用圧力以下で動作するように調整し,

その他の安全弁は最高使用圧力の3%増以下で動作するように調整します。

2.過熱器,本体・ドラム,エコノマイザに安全弁が設置されている場合は,

過熱器→本体・ドラム(最高使用圧力以下)→エコノマイザ(最高使用圧力より高くなる)

の順番で動作するように調整します。

3.最高使用圧力が異なるボイラーが連絡している場合は,当該ボイラーの中で一番低い圧力を基準に安全弁の設定圧力を調整します。

選択肢1. ボイラーの圧力をゆっくり上昇させて安全弁を作動させ、吹出し圧力及び吹止まり圧力を確認する。

正しい記述です。

 

吹出しおよび吹止まり圧力の確認方法として正しい記述です。

安全弁の急激な動作は蒸気圧力の変動や蒸気の噴出先の破損に繋がりますので試験はゆっくり行いましょう。

選択肢2. 安全弁の吹出し圧力が設定圧力よりも低い場合は、一旦、ボイラーの圧力を設定圧力の80%程度まで下げ、調整ボルトを締めて再度、試験する。

正しい記述です。

 

吹出し圧力が設定より低い場合は,設定圧力の80%程度まで圧力を下げ,

ボルトを締めて設定圧力で動作するように調整します。

緩めると設定圧力は低下します。

選択肢3. 過熱器用安全弁は、ボイラー本体の安全弁より高い圧力に調整する。

誤った記述です。

 

過熱器➡本体・ドラム(最高使用圧力以下)➡エコノマイザ(最高使用圧力より高くなる)

の順番で動作するように調整しています。

選択肢4. エコノマイザの逃がし弁(安全弁)は、ボイラー本体の安全弁より高い圧力に調整する。

正しい記述です。

 

過熱器➡本体・ドラム(最高使用圧力以下)➡エコノマイザ(最高使用圧力より高くなる)

の順番で動作するように調整します。

よって,エコノマイザは最後に動作するよう,本体の安全弁より高い圧力で調整されています。

選択肢5. 安全弁の手動試験は、最高使用圧力の75%以上の圧力で行う。

正しい記述です。

 

最高使用圧力の75%以上の圧力で試験を行います。

まとめ

安全弁の動作順序は末端の過熱器が最後に動作するように思えますが,最初に動作するように調整されています。

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