二級ボイラー技士 過去問
令和6年4月公表
問21 (燃料及び燃焼に関する知識 問1)

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問題

二級ボイラー技士試験 令和6年4月公表 問21(燃料及び燃焼に関する知識 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

燃料の分析及び性質について、適切でないものは次のうちどれか。
  • 組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には成分分析が、気体燃料には元素分析が用いられる。
  • 液体燃料に小火炎を近づけたとき、瞬間的に光を放って燃え始める最低の温度を、引火点という。
  • 発熱量とは、燃料を完全燃焼させたときに発生する熱量である。
  • 高発熱量は、水蒸気の潜熱を含んだ発熱量で、総発熱量ともいう。
  • 高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水素及び水分の割合によって決まる。

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この過去問の解説 (3件)

01

燃料の分析及び性質について問われています。

この問題のポイントはそれぞれの燃料の組成について理解する事が重要です。

選択肢1. 組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には成分分析が、気体燃料には元素分析が用いられる。

この問題文は記述が逆で正しくは、「組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には元素分析が、気体燃料には成分分析が用いられる。」が正しいです。

選択肢2. 液体燃料に小火炎を近づけたとき、瞬間的に光を放って燃え始める最低の温度を、引火点という。

正しい記述です。

逆に引火点に達していない場合は、引火しません。

また、「発火点」は主に点火源がなくても火が点く温度を指します。

選択肢3. 発熱量とは、燃料を完全燃焼させたときに発生する熱量である。

正しい記述です。

発熱量は主に液体の可燃性燃料などを燃焼する時に用いられる事が多いです。

選択肢4. 高発熱量は、水蒸気の潜熱を含んだ発熱量で、総発熱量ともいう。

正しい記述です。

「低発熱量」は逆で水蒸気の潜熱を引いた発熱量を指します。別名「真発熱量」ともいいます。

選択肢5. 高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水素及び水分の割合によって決まる。

正しい記述です。

文字通り、高発熱量は潜熱を含み、低発熱量は潜熱を含まないので、この式が成り立ちます。

ちなみに一般的に高発熱量は統計に用いる事が多く、低発熱量は熱量の計算や評価に用いる事が多いです。

まとめ

元素分析と成分分析についてはしっかり暗記する必要がありますが、他の選択肢ではボイラーの資格とは別ですが、「危険物乙4類」を先に取得していると分かる問題もあるので、今後取得を目指すのであれば他の選択肢の記述も一通り確認しておきましょう。

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02

燃料の分析及び性質についての問題です。

 

燃料に関しての化学的な知識を問われています。

選択肢1. 組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には成分分析が、気体燃料には元素分析が用いられる。

誤った記述です。

 

正しくは,通常、液体燃料及び固体燃料には元素分析が,

気体燃料には成分分析が用いられています。

 

<元素分析:液体燃料,固体燃料>

 炭素・水素・窒素・硫黄・酸素などの組成比を求める手法です。

 

<成分分析:気体燃料>

 メタン,ブタン,プロパン等がどのくらい含まれているかを求める手法です。

選択肢2. 液体燃料に小火炎を近づけたとき、瞬間的に光を放って燃え始める最低の温度を、引火点という。

正しい記述です。

 

引火点とは,引火するのに必要な濃度の蒸気を発生する最低温度の事です。

引火点以上の液体燃料に小火炎を近づけると瞬間的に光を放って燃え始めます。

選択肢3. 発熱量とは、燃料を完全燃焼させたときに発生する熱量である。

正しい記述です。

 

発熱量とは,燃料を完全燃焼させたときに発生する熱量のことです。

選択肢4. 高発熱量は、水蒸気の潜熱を含んだ発熱量で、総発熱量ともいう。

正しい記述です。

 

高発熱量とは,燃料内の水分(水素と酸素も含む)の蒸発潜熱も含めた熱量の事です。

燃焼において実際に消費される熱量は,この蒸発潜熱を引いた熱量が低発熱量(真発熱量)となります。

選択肢5. 高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水素及び水分の割合によって決まる。

正しい記述です。

 

高発熱量とは,燃料内の水分(水素と酸素も含む)の蒸発潜熱も含めた熱量の事です。

低発熱量とは,燃料中の水分の蒸発潜熱を除いた値です。

燃焼によって,水素と酸素即ち水が蒸発するために必要な熱量の差が,高発熱量と低発熱量の差として現れます。

まとめ

元素分析と成分分析の違いを把握しておきましょう。

 

元素分析は個体燃料と液体燃料で使用され,燃料中の

C:炭素

H:水素

N:窒素

S:硫黄

O:酸素

が,どのくらい含まれているのかを求めています。

 

成分分析は気体燃料で使用され,燃料中の燃焼する気体の組成割合(メタン,ブタン,プロパン)を求める手法です。

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03

この問題では、燃料の分析方法燃料の引火点・発熱量といった基礎的な燃焼特性について問われています。とくに、固体・液体燃料と気体燃料それぞれに対して「成分分析」と「元素分析」がどのように適用されるかを正しく理解することがポイントになります。

選択肢1. 組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には成分分析が、気体燃料には元素分析が用いられる。

燃料分析には、成分分析(炭化水素などの組成を調べる)と元素分析(燃料中の炭素C、水素H、硫黄Sなどの元素比率を調べる)があります。
 

実際には、固体燃料や液体燃料では「元素分析」が行われ、気体燃料ではガスを構成する各成分(CH₄、H₂、COなど)の成分分析が行われるのが一般的です。
したがって、選択肢の記述はになっており、これが適切でないということになります。

選択肢2. 液体燃料に小火炎を近づけたとき、瞬間的に光を放って燃え始める最低の温度を、引火点という。

液体燃料を加熱し、蒸気が発生した状態で小火炎を近づけた際に、一瞬でも燃焼が起こる最低の温度を引火点といいます。
したがって、正しい記述です。
 

なお、発火点は点火源がなくても燃焼が開始する温度を指し、引火点とは異なる点に注意しましょう。

選択肢3. 発熱量とは、燃料を完全燃焼させたときに発生する熱量である。

燃料の発熱量は、その燃料が完全燃焼する際に放出される熱エネルギーを指します。
液体、固体、気体のいずれの燃料でも共通する概念であり、選択肢の記述は正しい内容です。

選択肢4. 高発熱量は、水蒸気の潜熱を含んだ発熱量で、総発熱量ともいう。

燃焼後に生じる水蒸気を凝縮し、その潜熱(気体から液体に変化するときに放出される熱)まで含めたものを高発熱量といい、これを総発熱量とも呼びます。
 

一方、燃焼後の水蒸気を凝縮せずに気体のまま扱う発熱量は低発熱量または真発熱量と呼ばれます。
よって、この選択肢は正しい記述です。

選択肢5. 高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水素及び水分の割合によって決まる。

高発熱量と低発熱量の違いは、燃焼後に生成される水蒸気の潜熱を回収するかどうかにかかっています。その量は、燃料に含まれる水素分(燃焼によって水蒸気が生じる)や水分量が大きく影響します。
したがって、選択肢の記述は正しい内容です。

まとめ

本問題では、「液体・固体燃料には成分分析、気体燃料には元素分析が用いられる」という説明が実態と逆になっているため、適切でない記述と判断できます。

 

そのほかの選択肢については、燃料の燃焼特性や発熱量の概念など、一般的に正しい内容を述べています。

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